こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
今回は、こうして語るのがとても辛かった回です。
早速いきましょう。
今回のタイトルは「凶弾」です。
エピソード8について
冒頭からエレンとライナーがお互いを拳で殴ろうとするのですが、吹っ飛んだのはライナーでした。ライナーには、戦う意志がないように思えました。
しかしライナーは顎の巨人をしっかりと掴んでおり、エレンもまたライナーは顎の巨人を取り戻すことだけに集中していたことに気付いたようでした。
「またな、ライナー」という言葉を残して人間の姿に戻ったエレンは、ミカサに連れられて飛行船へと向かいます。
その光景を見ていたガビは、エレンを逃がすまいと銃を手に取り飛行船を追いかけていきます。
正直、この回は感情に100%左右された回なので、冷静に話せるか分かりません…お互いの気持ちが分かる、とさえ言えないほど私にとっては色々な感情が生まれた回でした。
調査兵団の今
飛行船についたエレンを待っていたのは、アルミンでした。アルミンはただ無言で手を差し出します。エレンもその手をとり飛行船に乗り込みますが、エレンを待ち構えていたのはリヴァイでした。
「なんて汚ねえなりだ。クソ溜めに落ちたらしいな、エレン」
持ち前の口の悪さでエレンを歓迎しているのかと思いきや、いきなりエレンを蹴り飛ばします。ミカサとアルミンは驚きますが、リヴァイの元へ行こうとするミカサを止めたときのアルミンの表情は「これくらいされても仕方ない」と言っているように見え、ミカサもそれに納得したような表情をしたのが気になりました。
リヴァイはエレンを拘束すると言いますが、エレンは「全ては手紙に記した通りです」と言ったことで、ファルコに出させていた手紙はやはり調査兵団に向けられていたのだと知りました。
エレンの淀んだような、生気のない目を見てリヴァイは「地下街で腐るほど見てきたクソ野郎のそれだ」と嫌そうに呟きます。
ここのリヴァイの言葉。
「喜べ。全て『お前ら』の思い通りだ」
リヴァイ自身を含む調査兵団は「お前ら」にはなりませんし、アルミンたちの様子からしてエレンと手を組んでいたようにも見えません。
つまり、他に協力者がいたということ。ここの「お前ら」がエレンと誰のことを指すのか、すぐに分かることになります。
まだ飛行船にぶら下がっていたジャンは、ロボフ師団長と呼んでいる男性と下の敵を攻撃していたのですが、彼は元駐屯兵団の人間のようでした。
自分のことを「新兵だ」と言い「もう駐屯兵は必要ねえ」と言っていたのです。つまり、パラディ島の中に駐屯兵団は存在しないということなのでしょうか?兵団は調査兵団のみ?憲兵団もいない?パラディ島についての情報が少なすぎて、現時点であまり語れないのがもどかしいです…
ジャンが飛行船に乗り込むのを、コニーとサシャが待っていました。この3人は4年間を生き抜いてくれたのだと思うと自然と笑みが溢れますね。
サシャが死者は把握した限り6人だとジャンに伝えると、悔しそうにするジャンとは裏腹にフロックは英雄だと喜び「敵に与えた損害と比べてみろ」と言いました。フロックは危険な方へ進んでしまったようです。
ジャン、サシャ、コニーがこの作戦で失った6人、そして自分たちが殺した敵の人数を受け入れられないままでいてくれたことにも、心は痛みますが嬉しかった。
そしてここでのコニーの抱擁ですよ…サシャとジャンを後ろから両手で抱き抱えると「俺たちはまた生き残った」と言い、こんな言葉を2人に伝えます。
「他の仲間には悪いけど、やっぱりお前らは特別だよ。俺は」
この時点で涙腺が危ない。サシャはコニーの腕をとり気持ちを返していましたし、ジャンはジャンなりに悪態は付きますが気持ちを受け取っているように見えました。
そしてジャンの言葉で、彼らの隊服(もはや隊服ではなくゴツいスーツ…)が鉄でできていることも分かりました。ここまで見た中でも、4年経った調査兵団にどんな変化が起きたのかを理解することができます。
サシャは「ご飯はまだですか?」と聞き、ジャンが「島まで我慢しろ」と言ったあとにサシャはジャンのことを「指揮官」と呼んでいます。マルコが言った通り、ジャンは指揮官になったのですね。完璧な人選だなと思いました。
歴史の呪い
飛行船を追いかけるガビをファルコが追いかけるのですが、飛んでいるものを走って追いかけたって無駄だと諭すファルコ。
ガビは、ゾフィアやウドの死をファルコに伝え、エルディア人である自分を注意したために撃たれて死んだ門兵のおじさんのことも話しました。
ガビは自分がやってきた努力をパラディ島の人間に壊されたと思っていたのですね。
「こんな収容区でも、私の大切な人たちのいる私の家だから、それを踏みにじられることは許せないの!それでもあんたは私に『走るな』って言うの?なんでこんなことをされたのか分からないまま!」
この言葉が、重くのしかかってきました。これは、かつてのパラディ島の人間が思ったであろうことだから。そして彼らがなぜこんなことをするのか、ファルコは知ってしまった。
「なぜだ、ライナー。なんで母さんはあの日、巨人に喰われた?」
エレンのこの言葉を思い出していたファルコは、絞り出すように言いました。
「踏みにじられたからだ。敵も、マーレの戦士から攻撃されて大勢殺されたから、その報復で」
怒りで満ちている今のガビにそんなことを言っても理解できないだろうとは思いましたが、この現実を知ってしまっているファルコのことを考えると苦しくなりました。
自分たちが先に攻撃を仕掛けたこと、その結果、パラディ島の人間が大勢死んだこと、そして今、その報復を受けていること。
そして何より、あの弱りきったライナーを目の前で見たこと。
ガビは「あんたはそれを見たの?」と聞き「見てない」とファルコは答えます。ガビ、あなたはパラディ島で今を生きている人間が悪魔であると言い切れる?実際に見たの?と問いかけたくなるシーン。
「そもそも敵は世界の平和を脅かす島の悪魔でしょ?ちゃんと習ったでしょ?やつらは今も昔も殺されて当然の残虐な悪魔。私たちとは違う」
ガビのこの言葉でファルコが思い出していたのは、エレンの「ライナー、お前と同じだよ。海の外も、壁の中も、同じなんだ」という言葉でした。
そしてその言葉で動けなくなったファルコを見て、ファルコは少なくともパラディ島にいる人間が悪魔ではないのかもしれない、と感じているような気がしました。
そして、ガビの言葉。ガビはまだ子供で、自分が言った言葉の意味を深く理解していないのかもしれませんが、彼女が言った言葉はそのまま彼女に返ってくると思っています。
ガビもまた、その悪魔と呼ばれているパラディ島の人間と同じ血が流れているんです。そして巨人はエルディア人しかなれません。パラディ島の人間がいなくなっても、エルディア人が生きている限り巨人は生まれるんです。
攻撃対象だったパラディ島の人間が全ていなくなったあと、収容区の中から巨人が生まれてしまったら?マーレはそれを脅威とは感じないと断言できるでしょうか。
今度は自分たちがパラディ島に送られるかもしれない。きっとそこまで考えられないほど、彼女たちは脳に刷り込まれているのだなと思います。彼女たちが教わった「歴史」には、呪いがかけられていると個人的に感じました。そしてその呪いを解くためには、パラディ島の人間と実際に触れ合う他ないと思っています。
ガビはロボフ師団長を撃ち殺すと、落ちてきた彼の体についていた立体機動装置に目をつけます。ロボフ師団長は、ガビに気付きましたが彼女が子供であることで撃つのを躊躇していましたね。果たして悪魔は子供に躊躇するでしょうか。
ガビはファルコの言葉には耳を傾けず、飛行船に乗り込もうと立体機動装置を使って登っていきます。ファルコの兄であるコルトが「ファルコ!」と叫んだことで、ファルコもガビを守るためにガビにしがみついていたことに気付きます。
ガビは、飛行船に乗り込むとすぐに、一発銃を撃ちました。
凶弾
銃が当たった相手はサシャでした。
私は一瞬理解ができませんでしたが、すぐにこの世にある全ての汚い言葉を使ってガビを罵ったのを覚えています。それくらいショックだったしこのときばかりは対局のことも考える、なんてことはできませんでした。
サシャは私にとって太陽みたいな存在で、彼女が「大丈夫」と言えば大丈夫に感じるくらい。コニーとジャンと力を合わせて初期からここまで生き延びてきました。
そんなサシャが、こんなくだらない銃弾に倒れるなんて、信じられませんでした。このときばかりは本当に、ガビが憎くて仕方なかった。「こちらが先に殺したんだから」とは思えなかった。人間の「憎しみ」という感情は恐ろしいものだなと気付かされました。
ガビは捕まり、ファルコも同罪となって調査兵団にボコボコに殴られてしまいます。
サシャの元に駆け寄るジャンとコニーですが、サシャは出血がひどくすでに意識も朦朧としていました。そんな中でもサシャが口にしたのは「肉…」。
飛行船の中でできることなんて、ほとんどありませんでした。止血のためにたくさん包帯を巻きますが、血は止まりません。最悪です。でもきっとなんとかなって助かると思っていました。
ジャンはただひたすらに悔しがっていましたが、フロックがガビとファルコを捕らえて外に投げ出すと言ったときも、人をこれ以上殺すことに葛藤しているようでした。
「子供を空から投げ捨てれば、この殺し合いが終わるのかよ…」
ジャンは最初から人を殺すことに抵抗があり(みんなそうですが)、そして最後まで葛藤していたのもジャンでした。行動を繰り返すと慣れてしまう人もいますが、ジャンは違いました。マルコが言っていた「弱い人間の気持ちが分かる」というのが、ときに障害にもなりジャンの良さでもあると感じました。
地上ではマガトがガビとファルコを探していましたが、ピークが自分たちを穴に落とした人物に見覚えがあると言っていました。そしてそれはマーレ兵であり、最初にパラディ島へ渡った調査船団のメンバーだったと。
そしてその人物は今、飛行船に乗っていてリヴァイたちと普通に話しているのです。やはりこの人はエレン側の人間だったのですね。
捕まったガビは調査兵団たちに「悪魔」と騒ぎ「お前を呪い殺すのは真のエルディア人だ!私を殺したあと首謀者に伝えろ!」と自分を捕まえているジャンに叫びます。
「今から会わせてやる、そいつに同じこと言ってやれよ」
ジャンはこう言ってエレンたちがいる部屋へガビたちを連れて行くと、そこにいたのは
ジークでした。
リヴァイにガビたちのことを聞かれたジャンは起きたことを説明し、サシャが撃たれたことを報告すると「もう、助かりそうにありません」と呟きました。
ミカサとアルミンは急いでサシャのいる方へと向かっていき、私もついていきたいと思いましたが、操縦室から出てきたハンジの言葉で何が起こっているのかを把握しました。
「それで、全ては計画通りってわけですか…ジーク・イェーガー」
今回のこの作戦は、エレンのものではなくジークが立てたものだったようです。ジークは「大筋は良かったが誤算は多々あった」と話します。
ハンジが「え、なにこの子たち」と言うと、ジークが言った言葉に少しゾッとしました。
「誤算だ」
あれだけガビたちに普通に接していたのに、調査兵団と裏で手を組んでマーレに甚大な被害を及ぼし、ガビたちを前に「誤算だ」と言ったジークが少し怖いです。
そしてピークたちを穴に落としたマーレ兵はイェレナという女性でした。髭はわざとつけていたようですね。
しかしジークの言葉を聞いたとき、私は少しだけ「?」と思うことがありました。
ジークは王家の血を引く巨人です、そしてエレンは始祖の巨人を持っている。4年前、エレンが考えていたのはまさにこのことで、王家の血を引く巨人であるダイナと触れたときに始祖の巨人を操れた気がした、と言っていたのを覚えていますでしょうか?
ですが確証もないのにそんなことを言えば、ヒストリアをどうするか分からない、だから何も言わずにいましたよね。しかし王家の血を引く巨人はジークでも問題ないはずです。この作戦を持ちかけたのがジークだったにしろ、エレンはヒストリアのことを考えてこの作戦に乗った、という可能性もゼロではないのでは?と思ったのです。
ここでコニーがドアを開けて入ってきて、呟きます。
「サシャが…死んだ」
泣きながらサシャの体を揺さぶるミカサと、アルミン。
悔しそうなジャン。
驚くハンジと苦虫を噛み潰したような顔をするリヴァイ。
泣きじゃくってしばらく一時停止をした私。
そして、エレン。
「コニー。サシャは、最後何か言ったか」
エレンに聞かれたコニーは泣きながら「肉…って、言ってた…」と伝えると、エレンは舌打ちをすると笑い始めます。
そして思い出すのは、上官から肉を盗んできたというサシャと、サシャの言葉。
「大丈夫ですよ。土地を奪還すればまた、牛も羊も増えますから」
エレンは、歯を食いしばり泣くのを我慢しているように見えました。シーズン4が始まって初めて、エレンの感情を見ることができた気がします。
ジャンが「お前が調査兵団を巻き込んだからサシャは死んだんだぞ」とエレンに言い、悔しそうにするエレンの表情を最後に、エピソード8が終了します。
今回は、本当に辛くて語るのもきつかった。
長くなってしまったのでこれだけ言いたい。
サシャ、今までたくさん頑張ってくれてありがとうね。
お肉、お腹がいっぱいになるまで食べていいからね。
お疲れ様、ゆっくり休んでね。
そして、調査兵団、エレン、ジーク。何を考えているのかまだ分かりませんが、サシャが死んだことを後悔させないでほしい。もちろん他の死んでいった全ての兵士たちもそうですが、コニーが言ったようにサシャは私にとって特別です。
復讐をしろと言っているのではなく、殺し合いをしなくてもいい案をどうかお願いだから出してほしい。
復讐が何も生まないことを、サシャが死んだことで考えてくれたらいいなとそっと思っておきます。
次回からうまく切り替えていかないとダメなことは分かっているのですが、しばらく引きずりそうです。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子