こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、私の中での進撃の巨人史上、間違いなく1位に食い込むであろう事件が起こりました。
サシャの死を、今でもまだ受け入れられないくらいサシャが好きな私からしたら、ガビは本当にこの時ばかりは憎くて仕方がなかった。こんなこと繰り返したらダメだと強く思いました。
ジークとエレンの作戦とは一体どのようなものなのか。
いきましょう。
今回のタイトルは「義勇兵」です。
エピソード9について
冒頭はアルミンが4年前に海で見つけた貝殻を持ちながら誰かに話しかけているシーンから始まります。
「3年前のあのとき…あのときならまだ、何かを変えられたかもしれない」
この言葉と共にシーンは3年前になり、最初にパラディ島へとやってきたマーレの調査船が映し出されます。そして直後に船を持ち上げて陸に上げる巨人エレンと、ハンジのぶっ飛んだ挨拶。
「マーレの皆さーん、こんにちは!パラディ島へようこそー!私はハンジ、はるばる海を渡っていらしたお客様をお迎えする者ですー!ああ、どうぞこちらでお茶でも楽しんでいってくださいー、あっ、ちなみに一足お先にお越しのお連れ様のお客様とはすでに仲良しでーす!だよねー?ニコロくーん!」
初見のとき、ハンジのおかげで少しだけ気分が戻ったのをこのシーンを見て思い出していました。しかし「ニコロくん」は仲良くなったとは思っていなかったようで、自分は気にせず悪魔どもを撃ってくださいと言いました。
リヴァイもハンジの隣にいましたが、相変わらず冷静でしたね。ニコロの背後に剣を突きつけていました。そして調査船の隊長と呼ばれる人間に「汚れた連中と豚の小便をすするような真似はしない!」と言われたあとのハンジの言葉も好きでした。
「はあーっ?はあーっ?いいのかなー?!そんな悪口言って!後ろの巨人が見えないのかなあ?!」
ハンジ節が絶好調です。(笑)
銃声が鳴り響きますが撃たれたのはハンジではなく隊長でした。そして、撃ったのが前回登場したイェレナです。オニャンコポンもいますね。
イェレナは友好的に見えましたが、どこか怖い雰囲気のある人に感じました。
「ハンジさん、お招きいただき光栄です。お茶、しましょう」
3年前
イェレナの話によると、マーレ兵は1師団あたり約2万人、総員50師団で約100万人の陸軍がおり、それに加えて21隻の戦艦からなる3つの艦隊を持つ海軍に、航空戦力まであるとのこと。…強敵ですね。
話を聞きながらずっとマーレが持ち込んだ銃に興味津々なハンジが可愛いですが、ある疑問を抱きます。
「そんだけの力を持ったマーレ様が、少なくとも1年間まともに攻めてこなかった理由って何?」
そう、すぐにでもパラディ島を攻撃できる気がしましたが、この説明もイェレナがしてくれました。
彼女は2つ理由があると言い、1つは単純に「島にいる無垢の巨人(普通の巨人のこと)を倒すには自分たちには難しいと判断した」から。それもそうか、と思いました。立体機動装置を発明したパラディ島すごい。
もう1つは「諸外国と戦争しすぎてパラディ島どころではなかった」から。諸外国もパラディ島の存在はもちろん知っていて、女型や超大型がパラディ島によって奪われたことを知ってマーレに戦争を仕掛けてきた、とイェレナは説明していました。
「するとあなた方はマーレに恨みを持つ亡国の民であり、マーレ軍に潜入する諜報員のようなものなのかな?」
ハンジの質問に、イェレナは自分たちの行動について説明しました。彼らはマーレに故郷を奪われ兵士として徴用されたらしく、抗う力ももはや残っていなかったそうです。しかしそこにジークが現れた。
イェレナは、世界が悪魔と呼び恐れる巨人を別の見方で見ていたのです。
神だと。
そしてパラディ島に友好的にしているマーレ兵たちは、ジークの命を受けた反マーレ義勇兵だと言いました。今回のタイトルですね。そして自分たちの行動の目的は、全エルディア人の解放だと言ったのです。
兵団同士の会議でこのジークの目的を話すハンジでしたが、当然受け入れられるものではありませんでした。ここでも言われていましたが、ジークはラガコ村の住民やコニーの家族もろとも巨人に変えてパラディ島の人々を恐怖に陥れた過去があります。
ここでハンジはジークには「秘策」があることを話します。そしてその秘策には、始祖の巨人と王家の血を引く巨人が必要だと。なるほど、と思いました。
エレンはここで、自分の不確かな情報が確信に変わったのですね。エレンがこのことを言わなかった理由はたった1つ、ヒストリアの身を案じたからでした。
しかし始祖の巨人と王家の血を引く巨人が触れることで、始祖の巨人の力を発動させることができるというのが事実だと分かった以上、エレンがそれに懸けたいと思うのは当然かもしれません。
ここで不安なのが、ジークの「秘策」です。その内容によっては、エレンは良くても他のみんなが反対する可能性もありますからね。秘策が何なのかを知る必要があります。
それからは、イェレナたち義勇兵の力を借り、次々やってくる調査船のマーレ兵たちを捕虜としてパラディ島へ「歓迎」していきました。
アルミンはまだ誰かに話しかけており「あの頃は楽しかった」と話します。顔も知らない海の向こうにいる人たちから悪魔だと恐れられていたが、海の向こうにいたのは敵だけではなかったと呟くのです。
「そして世界はずっと複雑で、知らないことだらけだった」
このときのシーンで、オニャンコポンが驚いた表情で調査兵団たちを見つめていたのですが、おそらくあまりにも何も知らないことに驚いたのだと思います。
そして私の大好きなサシャのこの言葉と、オニャンコポンの返しが本当にお気に入りです。
「ところで、オニャンコポンはなんで肌が黒いのですか?」
「俺たちを創ったやつはこう考えた。いろんなやつがいた方が面白いってな」
本当に好きです、ここのシーン。オニャンコポンはただ知らないだけのサシャに怒ったりしません。無知なことは悪いことでなく、パラディ島には世界を知る術がなかった。
だからこそオニャンコポンのこの言葉でみんなさらに興味が湧いたのです。自分たちを創ったのは誰なのか、自分たちはなぜ生きているのか。
「君たちユミルの民も同じさ。俺たちは求められたから存在する」
アルミンは特にこの言葉に感銘を受けたようでしたし、自分たちが悪魔と呼ばれていることを知ったあとで「俺たちは求められたから存在する」という言葉を聞けたら誰だって嬉しいはずです。
そしてサシャとニコロの出会いもとても好きなシーンです。ニコロは根っからの料理人なんだなと思ったのは「エルディア人」と呼んでいたにも関わらず、サシャが泣きながら自分の作った料理を美味しそうに食べているのを見て喜んでいたからです。人種を超えてもなお自分の料理を美味しいと食べてくれるサシャに頬を赤らめてしまうのは仕方のないことです。微笑ましくてとても好きなシーン。
そしてアルミン、ミカサとエレンの間に溝が生まれてしまったのもここだと思います。
アルミンとミカサは、実際に触れ合うことで理解し合えるのだということを体験したからこそ、時間をかけていけば地鳴らしは必要ないかもしれないと思ったのですね。
しかしアルミンの「話し合って誤解を解けば」という言葉にエレンは反応します。「自分たちが巨人に化ける怪物であることは誤解ではないだろ」と。エレンとアルミン、ミカサの間に溝が深まってしまったのは、ここかなと思っています。
いくら自分たちが「僕らは怖くないよ」と言っても、幽霊が怖くて仕方ないように、ゾンビが怖くて仕方ないように、世界は巨人が怖くて仕方ないだろうというのがエレンの主張だと思います。そこで止まってくれればいいのですが、自分たちを怖がって攻撃してくるなら皆殺しにしてやる、という思考に入られたらかなり危険です。
アルミンの「僕は誰よりもエレンを理解しているつもりだった…でも、もう分からない」という言葉で現在へとシーンは戻ります。
繰り返されること
サシャのお墓に弔いにきたニコロを憲兵がボコボコに殴っているところに、ジャンとコニーが助けにきます。やはり治安維持のため憲兵団はいるようですね。ピクシスが会議にいたということは駐屯兵団もまだ存在しているはずなので、前回のロボフ師団長は自ら調査兵団に入り直したのかもしれません。
サシャを殺したのがマーレの戦士候補生だと知ったニコロが、ガビを憎むことになればまた憎しみの連鎖が始まります。こうしてただ繰り返されるのを見るしかできないのでしょうか…
「あいつにうまいもんいっぱい食わしてくれてありがとうな、ニコロ」
「お前はどうなんだよ、コニー」とニコロに聞かれて答えたコニーを見ているだけで悲しくて涙腺がまた緩みます。
「俺とサシャは双子みてえなもんだった。自分が半分なくなっちまったみてえだ」
コニー…ずっと見てきたからこそ、コニーの辛さが伝わってきてとても苦しいです。
そこへサシャの父親が家族と一緒にやってきて、ニコロは彼に話しかけます。「俺の料理を食べにきてください」と。ニコロは、サシャが本当に大好きで愛していたのだなと感じます。
サシャの父親は「もちろんタダなんやろ」と言い手を差し出すと、ニコロも「はい」と言って握手をしていました。世界中の人間がみんなこの2人みたいだったらいいのにと思わずにはいられませんでした。
怪しい雲行き
イェレナ率いる義勇兵は、マーレから脊髄液を持ち出してくれていました。しかしピクシスを始めとしたパラディ島の兵士たちは、そんな義勇兵を銃を構えて取り囲んでいました。
打ち解けることができたのだろうと思っていたのですが、ジークの秘策がなんなのか分からない以上、まだ信用することができないという意味なのか…
それにしても私はピクシスの言葉の言い回しが好きなんですよねえ…義勇兵からしてみれば、3年も一緒にいたのに銃を向けられるなんて、と思ってしまうような状況ですが、
「我々の弱さにしばしの間だけ目をつぶってくれぬか?」
という言葉を出されたら単純に恨んだり怒りをぶつけることが難しくなりませんか?ピクシスはやはりジークを信用していないようでしたが、イェレナには何か、信用できない「何か」があります。
ジークはリヴァイによって「最高級ホテル」に招待されていました。巨大樹の森です。確かに獣の巨人は大きいし森は最高かもしれませんね。さすがリヴァイ。(笑)
しかし、万が一ジークが巨人化したとしても、ここなら立体機動装置で仕留めることが可能なのでしょうね。調査兵団の腕は落ちてないことが証明されたばかりですから。
ガビとファルコは独房のようなところに入れられていましたが、ガビはエレンに対する憎しみでいっぱい、ファルコは気力がないように見えました。
「エレンは1人でもやるつもりだった。エレンに協力しても見放しても、最悪の選択になっただろう。とにかく、大勢の人間を殺した。戦艦も軍人も民間人も、全てを巻き込んで…突然、全てを奪った。でも、あの軍港が健在だったらすぐさまマーレ軍はこの島に報復攻撃しただろう。
和睦の道は断たれた。…けど、やるしかなかった。あの日の、君たちのように…ねえ、アニ。何か答えてよ」
「勝てなきゃ死ぬ。勝てば…生きる」
「戦わなければ勝てない。戦え…戦え!」
アルミンが話しかけていたのはアニでした。なんでアニ?と思ったのですが、唯一パラディ島に残っている戦士だからかな?と思いました。
そして、ミカサ、エレンがそれぞれの場所でそれぞれの想いを心の中で呟いたところで、エピソード9が終了します。
もう、これしか道がなかったように見えますね。ジークの秘策の内容が鍵になるのは間違いないと思うのですが、現時点ではまだはっきりしません。
本当にこれで良かったのか、間違っていたのかなんて分かりません。ただ、どんな結果になってもエルヴィンは作戦実行中に悩んだりはしなかったでしょう。すみません、何度も彼を出すのは違うかもしれませんが、パラディ島が破滅の道へと進んでいる気がして、もしここにエルヴィンがいたらどうなっていただろうと考えてしまうのです。
アルミンは特に話し合いに希望を見出していたので、エレンを1人にしないためにも協力の道を選んだのだろうと思います。しかし今のパラディ島には「頼れる悪魔」がいないような気がして、とても怖いというのが正直な感想です。
マーレを、世界を混乱に陥れたパラディ島の行く末がどうなるのか。ジークの秘策とはなんなのか。早く知りたいですね。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子