はる子の趣味部屋

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進撃の巨人について語りたい55

こんばんは、はる子です。

 

今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。

前回は、アルミンが文字通り命を懸けて調査兵団を勝利へと導きました。結果的にエレンは内門も塞ぐことができたように見えましたし、リヴァイ班とハンジはライナーを、エレンはベルトルトを拘束することに成功しました。

ジークと四足歩行巨人の行方は分かりませんが、リヴァイも心配です。

エルヴィン、アルミン、そしてたくさんの新兵の命と引き換えに、ウォール・マリア奪還作戦は成功したと言えるでしょう。しかし今後、調査兵団はどうなってしまうのかが気になります。

いきましょう。

今回のタイトルは「白夜」です。

 

エピソード18について

冒頭から静かに、前回の続きが流れます。

エレンは、黒くなって横たわっているアルミンを見て「こうなることは分かってたはずなのに」と呟き、言葉を続けます。

 

でも、お前の力に頼るしかなくて…アルミン。お前は…どうして逃げないんだよ…

 

するとそこへ現れたのは、四足歩行巨人に運ばれているジーでした。エレンはベルトルトの首元に剣を押し当て「それ以上近づいてみろ!こいつを奪われるくらいなら殺すからよ!」と叫びます。

エレンは、ジークの目の周りに巨人化の跡があることに気付き、ジークが獣の巨人であることに気付きます。ジークが発した言葉は、エレンも私も予想外の言葉でした。

 

お前がエレン・イェーガーか?全然親父と似てないな

 

全然親父と似てないな??

 

エレンは突然の父親の話に思わず「なに?」と聞き返しますが、ジークは構わずに言葉を続けます。

 

信じてほしい。俺はお前の理解者だ。俺たちは、あの父親の被害者。お前は、父親に洗脳されている

 

ジークとエレンはグリシャの被害者?どういうことでしょう?確かにグリシャは壁の外から来た人類ですが、壁の中に来る前にジークと関わりがあったということでしょうか。しかしこの答えを得る前に、2人の短い会話は終わることになります。

壁の上に、リヴァイが現れたからです。リヴァイは残りの巨人も全て倒して壁の上まで辿り着いたのですね。そしてリヴァイを見つけたジークは思わず「おい、嘘だろ?ここまで追ってきやがった」と驚いていました。

リヴァイの顔が無双状態になっているのが少々怖いですが…リヴァイは滑り落ちたのか、滑り降りたのか分かりませんが、壁を滑るようにして降りてきます。

その光景を見たジークは「分かったよリヴァイ。痛み分けで手を打とう」と言うと、ベルトルトを諦めエレンに声をかけると、リヴァイから逃げていきます。

 

エレン、いつかお前を救い出してやるからな!

 

分からない…今までの内容だと、私はグリシャがエレンにしたことについて納得していないので、もしかしたら本当にエレンが洗脳されている可能性もあるのかもしれませんが、エレンが今いる立ち位置、つまり壁の中の人類として巨人と戦っていることが間違っているとは思えないのです。自分たちの命の方が、巨人よりも大切ですから。

リヴァイはエレンのそばまでくると、獣の巨人を追うためにガスと武器を渡せと叫びます。エレンも「はい!」と叫ぶと急いでガスや武器を外そうとしますが、ここで奇跡が起こります。

 

アルミンが、息をしたのです。

 

アルミンは生きていました。瀕死の状態ですが、アルミンはまだ生きています。リヴァイもこの場にいます。つまり、脊髄液を注射するチャンスがあるということ。早くその光景が見たいですが、今回のエピソードにはオープニングがなく、ライナーの場面とアルミンの場面が交互に映し出されるので、時系列を守って進めていきたいと思います。

お付き合いください。

 

決断、決断、決断

ライナーを捕らえたリヴァイ班とハンジは、ライナーが持っていた鉄のケースについて聞くと、ライナーはそれを「ユミルからクリスタへの手紙」だと言い、必ず渡してほしいと言います。「中身を確認してからね」と返したハンジは、ライナーにこう聞きます。

 

君の口も、鎧のように堅そうに見える。君は、私たちが知りたいことを教えてくれるかな?

 

正直、ライナーはボロボロでした。髪の毛はほとんどない状態で、四肢を斬り落とされていて、目は潰されたままなのか布で覆われていました。

ライナーの返事は即答でした。

 

いいや

ありがとう、覚悟ができてて助かるよ

 

そう言うとハンジは、ライナーの喉に剣を押し当て首を斬り落とそうとします。ライナーは苦しそうにしますが、ジャンがハンジを止めます。

 

待ってください!いいんですか?その力、奪えるかもしれないのに

 

ここでエルヴィンによる注射器の説明部分が入ります。エルヴィンは、兵士たちに全てを説明していたのですね。大事なことは明かさない上層部はよくいると思いますが、全てを明かすことで兵士たちの信頼を得ることができたのはエルヴィンさすがとしか言いようがありません。

エルヴィンは、この注射器を使うことで鎧の巨人や超大型巨人、獣の巨人の力を奪うことができると説明し、方法として注射を打たれた者が巨人となり、エレンのように巨人化できる人間を喰うことだと説明しました。

そして、その結果として得られるのは巨人に対しての知識だけではなく、瀕死に至った人間をも蘇らせることができ、その使用権はリヴァイに託してある、と。

ジャンはこのことを思い出して先ほどの発言をしたようでしたが、ハンジは聞き入れずにさらに剣を深くに入れようとします。

 

ハンジさんらしくないですね…分からないものには分からないと蓋をして、この先どうやったら俺たちは巨人に勝てるんですか?

 

私は正直、ジャンはライナーを殺す決意がまだできていないように見えました。巨人の時にライナーを倒しても、本当の意味ではまだ死んでいないという事実が、ジャンを攻撃的にさせていたのかもしれません。

それが実際にライナー自身を殺す必要性が出てきたことで、心の奥底で眠っているライナーに対しての「友達」「情」「慈悲」のような感情がジャンを取り巻いているように感じました。

ハンジはミカサに、エレンの様子を見に行き、ガスを補給し、リヴァイから注射器をもらってくるよう言いました。そしてもしそれがかなわないのであれば、信煙弾を撃て、それを合図にライナーを絶つと。

 

ミカサはすぐにエレンの元へと飛んで行き、何が起こったのかを目の当たりにすることになります。

ミカサの目の前に広がるのは、アルミンが黒焦げになって横たわっている姿と、息を吹き返したと喜んでいるエレン。四肢が削がれたベルトルトに、血だらけのリヴァイ。すごい光景ですよね。

エレンはリヴァイに注射器を渡すように頼みますが、リヴァイは少し躊躇っているように見えました。エレンは、アルミンを巨人にしてベルトルトを喰わせると叫び、リヴァイもゆっくりと注射器を渡そうとします。

ミカサは我に返り、注射器は使えない状態であることをハンジたちに知らせるために信煙弾を発射します。そしてそれをハンジとジャンが確認したのと同時に、2人の前に四足歩行巨人とジークが現れ、あっという間にライナーをさらわれてしまうのです。

ジークは、ライナーにはまだ利用価値があると考えたのでしょうか。ベルトルトはエレンからは奪えないと考えたのでしょうか。結果的にライナーは命拾いをしました。

ジャンは当然「自分のせいで取り返しのつかないことをした」と憤りますが、ハンジは「私の判断だ」と言い、エレンたちと合流しようとジャンたちに伝えました。

 

ここで、もう1つとんでもない奇跡が起こります。

リヴァイがエレンに注射器を渡そうとした瞬間、屋根の上へと辿り着いたのは特攻で生き残ったフロックでした。そして彼は、ある人物を背負っていました。

 

エルヴィンです。

 

確かに2人の無事を、生還を、ずっと望んでいました。ですが皆さんお分かりの通り、この状況は非常にまずいです。注射器は1つ、瀕死の兵士が2人。1人は調査兵団団長で、1人はエレン、ミカサの親友です。そして調査兵団団長は、リヴァイの戦友でもあります。

まずい、非常にまずい。嬉しい出来事なのに、素直に喜べない。こんな決断、誰だってしたくないですよ。

静かに時間は流れ、リヴァイが言った言葉。

 

この注射はエルヴィンに打つ

 

当然ですが、エレンは怒ります。アルミンに使おうとしたのは事実ですからね。しかしリヴァイは「人類を救える方を生かす」と言いました。

皆さん、皆さんならエルヴィンとアルミン、どちらに注射をしましたか?

私にはとてもじゃないけど、こんな決断できません。

感情をなくして考えたら、調査兵団をここまで真実に近づけたエルヴィンを救うべきかもしれません。エルヴィンは兵士としても優秀で、常に人類の未来について考えてきました。

その一方で、アルミンはエルヴィンに近しいものがあります。彼の洞察力や直感力は、エルヴィンに劣るものではないと思っています。どちらにも、生きてほしいです。皆さん…どうしますか…

 

リヴァイは、邪魔をするなとエレン、ミカサに言いますが、リヴァイがエレンを殴った時に、ミカサはリヴァイを組み伏せ注射器を奪おうとします。

エレンは、今ここまでやってこれたのはアルミンのおかげだと言いました。「人類を救うのは俺でも団長でもない、アルミンだ」と叫びました。

ですがここで声を上げたのは、フロックです。「人類を救うのはエルヴィン団長だ」と呟き、ミカサに「黙ってて」と言われても言葉を続け、壁の向こう側で何が起こったのかを知らないエレンたちに教えます。

 

お前らばっかりがつらいと思うなよな!まだ知らないだろうけど、あの壁の向こう側に、生きてる兵士はもう誰もいねえ。獣の巨人の投石で、みんな殺されたんだ。誰も、助からないと思った。

でも、エルヴィン団長だけは違った。あの状況で、獣の喉笛に食らいつく算段を立て、実行した。みんな作戦どおりバラバラに砕けたよ。最後に感じたことは、きっと…恐怖だけだ。

まだ息のある団長を見つけた時は、とどめを刺そうとした。でも、それじゃ生ぬるいと思った…この人にはまだ地獄が必要なんじゃないかって。そして、分かったんだ。

巨人を滅ぼすことができるのは悪魔だ!悪魔を蘇らせる、それが俺の使命だったんだ!それが、おめおめと生き残っちまった俺の意味なんだよ!だから邪魔するなよ!!

 

これもまた、人間のいろいろな面を見ることができている気がして興味深かったシーンです。エレンたちは壁の中で戦っていて、苦戦していました。しかし同時に壁の外では、絶望的な状況の中でエルヴィンが見出した作戦で、獣の巨人を撤退させることもできました。

仕留めることはできませんでしたが、あのまま何もせずに壁の外の兵士が全滅していれば、獣の巨人までもが壁の中の戦いに参戦し、アルミンの作戦は失敗していたかもしれません。

物事には常にいろいろな面があり、今回の戦いはそのどちらか一方が欠けていれば成し得なかったことだと思っています。比べるなんてことは、無意味だとさえ感じています。それぞれの決断の結果、調査兵団はウォール・マリアを奪還することができたのです。

 

ミカサがフロックに刃を向けたとき、ハンジが到着してミカサを止めました。ハンジが生きていたことを確認してリヴァイは驚いていたようですね。そしてハンジとリヴァイ班もまた、この究極な状況を見て言葉を失ってしまいます。

リヴァイが注射器の準備を始めるとミカサは暴れ始めますが、ハンジの言葉が私にもミカサにもズドンと響いたようでした。

 

私にも、生き返らせたい人がいる。何百人も…

 

ミカサはハッとし、私はそうなんだよなあ、と思いながら涙を止めるのに必死でした。しかし私の努力は無駄に終わります。

ハンジを守って、モブリットは死んでいたのです。ベルトルトの熱風が飛んできた時、モブリットはハンジを井戸の中へと突き飛ばし、ハンジは井戸に落ちていく中でモブリットが熱風にやられるのを見ていました。モブリットの血が、ハンジのメガネに飛び散り、この時にハンジは左目を負傷したようでした。モブリットは、もういません。

 

でも、分かっているだろ?誰にだっていつかは、別れる日が来るって…とてもじゃないけど受け入れられないよ。正気を保つことさえままならない。つらい…つらいよ…分かってる…それでも、前に進まなきゃいけない

 

いつしかミカサを羽交締めにしていたハンジは、ミカサを抱きしめていて、ハンジのこの言葉でミカサは抵抗するのをやめました。しかしエレンはまだ諦めていませんでした。

そして、エレンは自分の目的とアルミンの目的が違うことに気付いていました。自分は巨人を殺そう、母さんの仇を討とうと、何かを憎むことばかりを考えていたのに、アルミンは壁の外にあるものに純粋に惹かれていた。それが原動力になっていた、アルミンは夢を見ているんだと訴えます。

しかしリヴァイは、全員をこの場から離れさせます。コニーはサシャを背負いながら「アルミン、またな」と言い涙を流していました。

ここで興味深いのは、奪還作戦の前夜、3人が階段で話していた時にリヴァイがそれを聞いていたということ。リヴァイはこの瞬間に、彼らの会話を思い出していたのです。そして、エルヴィンの夢や、ケニーの言葉も。

 

俺は、このまま地下室に行きたい

海を見に行こうよ!

みんな何かに酔っ払ってねえと、やってられなかったんだなあ。みんな、何かの奴隷だった

 

エルヴィンは真実が知りたいという奴隷、アルミンは壁の外にあるはずの何かを見るという奴隷。言い方は人それぞれですが、とても大きな言い方をすると「人生に意味を持ちたかった」ということかなと私は感じました。

リヴァイがエルヴィンに注射を打とうとした時、エルヴィンは手を大きく振り上げます。

 

先生…壁の外に人類がいないって、どうやって調べたんですか…

 

ここでようやく、エルヴィンが父親にした質問がなんだったのかを知ることができます。そしてリヴァイは、自分がエルヴィンに言った言葉を思い出し、同時にケニーの言葉も思い出していました。

 

夢を諦めて死んでくれ。新兵たちを地獄に導け

みんな何かに酔っ払ってねえと、やってられなかったんだなあ

 

そして、その後のリヴァイの言葉。

 

獣の巨人は、俺が仕留める

 

この言葉の後、エルヴィンは何も言わなかったように描かれていましたが、エルヴィンは「リヴァイ、ありがとう」と言っていたのです。

個人的な解釈ですが、リヴァイにとっての「奴隷」とは、エルヴィンに代わって獣の巨人を仕留めることになったのかもしれません。そしてエルヴィンがずっと描いていた夢を、自分自身が諦めさせたことに対しての罪悪感から、エルヴィンを生き返らせようと思っていたのかもしれない、と。

しかし間接的ではありつつも、エルヴィンが手を上げたことによって、リヴァイはそれを拒絶されたように感じたのではないか、と思いました。

そして、

 

巨人化したのは、アルミンでした。

 

アルミンは泣き叫ぶベルトルトを食べ、人間に戻ったところをエレン、ミカサ、そしてリヴァイ班のみんなが囲んでいました。

フロックが「どうしてですか」とリヴァイに問うと、リヴァイはフロックに言いました。

 

こいつを、許してやってくれないか

 

と。

 

こいつは悪魔になるしかなかった。それを望んだのは俺たちだ。その上、一度は地獄から解放されたこいつを、再び地獄に呼び戻そうとした。だがもう…休ませてやらねえと…エルヴィン、獣を仕留める約束だが、まだ先になりそうだ…

 

ハンジがエルヴィンの死を確認し、リヴァイは悲しそうな顔をすると「そうか」と一言呟きました。

調査兵団には、兵士を引っ張ってくれる団長が必要でした。そしてエルヴィンにそうなってほしいと願い、エルヴィンは兵士の期待に応えようと努力をしてくれた。戦う以上は、犠牲はやむを得ません。しかしそれをどれだけ説明しても、理解してくれる人はそう多くはなかったでしょう。

期待もされず、野次は飛ばされ、兵士のことは考えていないのかとなじられることもあったでしょう。それでも団長として、調査兵団の本来の目的を果たすために犠牲を払ってここまで辿り着きました。

しかし、途中で彼は疲れてしまったのかもしれません。先の見えない戦い、団長であることの責任・義務、人類の未来、自分の夢。それでも彼は、最後まで戦い彼の責務を全うしてくれたと思っています。

ここでエルヴィンを解放し、休ませてあげるのが最善だったと言えるよう、残された兵士はみな戦い抜いていかなければなりません。

ありがとう、エルヴィン。どうかゆっくり休んでください。お父さんと再会できるといいな。

 

エピソード18は、これで終了です。

 

エルヴィンの死は、私は受け入れるのに時間がかかりました。団長だからではなく、単に好きなキャラクターだからでもなく、エルヴィンに共感することろが多かったから余計に悲しいのかもしれません。

届きそうなものに、手を伸ばすことすら許されずに諦めることがどれほど辛いか、エルヴィンと比べることはできませんがどのような気持ちなのか分かるからです。

そしてアルミン。彼はリヴァイの判断で無事助かりましたが、今後は超大型巨人として生きていくことになります。私が何よりも心配しているのは、アルミンの性格上、自分がエルヴィンの代わりに生き返ったことを知った時に、乗り越えられるかどうかです。

起こってしまった以上は、エルヴィンの代わりとは言いませんが、その役割ができるほどの仕事ぶりを期待されるかもしれません。その重圧にアルミンが耐えることができたらと願うばかりです。

そして、モブリット。ハンジは今後、モブリットなしで無茶をしないといいのですが…最後までハンジを守るために戦ったモブリット。ありがとう、ハンジはみんなに任せて休んでね。

ウォール・マリア奪還はこうして成功しますが、喜ぶにはとても大きな犠牲が伴いました。次回からは話がどのようにして進んでいくのか。気になるところです。

 

今回も読んでいただいてありがとうございました。

 

はる子