こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、まさに負け戦ですか?と言わんばかりの「パーフェクトゲーム」でした。エレンたちも、エルヴィンたちもボロボロで、もう特攻しか手が残されていない状況にまで追い込まれてしまいましたね。
エルヴィンは特攻の先頭で獣の巨人に突っ込んでいき、岩が当たるのを見ました。生きていてほしいですが、どうなるのか…
いきましょう。
今回のタイトルは「勇者」です。
エピソード17について
冒頭は前回の続きから始まるのですが、エルヴィンは落馬し、その後ろから馬が駆けていきました。調査兵団は、団長を真っ先に失ってしまいました。死んだ描写はありませんが、おそらく…とにかく今は先を見ていくしかありません。
リヴァイ・アッカーマン
獣の巨人は、壁の中の人類を哀れだと思っていました。「歴史の過ちを学んでいないとは」と。そして彼は、壁の中の人類がレイス王によって世界の記憶を消されていることも知っていました。「だから何度も過ちを繰り返す」と。
壁の中の人類は、記憶を取り戻すため、世界に何が起こり巨人が出現したのかを知るためにここまで戦ってきて、やっと答えを知るところでした。
その機会を奪っているのは他でもない壁の外の人類です。この段階で私たちに、壁の外の人類を憎むようになっているのかもしれませんが、いささか彼らの言い分は身勝手に感じました。
獣の巨人は「誇り高き死」というワードに敏感なようでした。その理由はまだ分かりませんが、彼の父親が関係しているようでしたね。そして少し冷静さを失っているようにも見えました。頭の切れる人物のようなので、調査兵団がなぜ特攻という選択をしたのか、考えたら分かるはずです。
マルロは新兵の指揮役をしているようで、信煙弾を発射するタイミングを指示していたのもマルロでしたね。しかし彼も、これから直面する死に恐怖を感じていました。
彼が思い出していたのは、ヒッチでした。心の底ではヒッチを気にかけていたのかもしれません。マルロは、ヒッチはまだ寝ているだろうと考え「いいなあ」と心の中で呟きます。
そして、飛んできた岩が、マルロの顔を直撃します。
個人的に、マルロは最初から調査兵団に入っていたら、彼の能力はもっと発揮されていたのかもしれないと感じました。統率力もありますし、度胸もある。本人も「入る兵団を間違えた」と言っていたくらいですからね。短い登場でしたが、私はマルロの人格が好きでした。
獣の巨人は何度も岩を投げますが、彼から感じたのは、彼が壁の中の人類を憎んでいるように見えるということでした。これで終わりだと思っても特攻してくる調査兵団にイラついていただけかもしれませんが、調査兵団が叫びながら突っ込んでくるのも、信煙弾を発射するのも、彼には分からないようでした。
そして、「それ」に気付いたときにはもう遅いのです。
自分が配置した巨人が倒れていることに気付いた獣の巨人は、信煙弾の煙のせいで「それ」が近づいてきていることにすら気付いていませんでした。
そう、
リヴァイ・アッカーマンの姿に。
血だらけのリヴァイが煙の中から飛び出してきたと思ったら、次の瞬間には獣の巨人の腕をジグザクに斬り刻みながら、獣の巨人の背後に回ります。
ここでようやく獣の巨人(もしくはジーク)は、ライナーたちに注意されていたことを思い出すのです。
「1人の兵士に気をつけろ」と言われていたことを。
リヴァイがうなじを狙っていると思った獣の巨人は、うなじを隠そうとしますがリヴァイが狙ったのは目でした。あっという間に何も見えなくなる獣の巨人。光の速さで足も斬られ、倒れ込む獣の巨人。ここまでおそらく30秒ほどではないでしょうか…早い、早すぎる…
「さっきは随分と楽しそうだったな!」
そう言いながらリヴァイはついにうなじを狙おうとし、獣の巨人もうなじを硬質化しようとしますが、リヴァイの動きが早すぎて間に合いません。
「もっと楽しんでくれよ!!」
こう叫ぶと、リヴァイは勢いよくうなじに斬りかかり、とてつもない速さでうなじを斬り刻み、なんと獣の巨人の中身であるジークを外に出すことに成功します。
出てきたジークの口に、剣を突き刺すリヴァイ。
リヴァイは「巨人化直後、体を激しく損傷し、回復に手一杯なうちは巨人化できない。そうだったよな?」と呟くと、返事をしない(できない…)ジークの口にさらに剣を押し込み、ジークは出血します。
「おい、返事しろよ。失礼なやつだな」
リヴァイのこの、相手をとことん追い詰めるやり方、嫌いじゃないです。しかしリヴァイはここで、小さなミスをします。
ジークをとりあえず生かしておいて、特攻で生き残った人間をあの脊髄液の注射で巨人にし、ジークを食べさせて獣の巨人の力を奪う作戦だったようですが、ここでリヴァイの頭に浮かんだのはエルヴィン。そりゃそうですよね…
ですがこの考えのせいで、近づいてくる巨人の足音に気付くのが遅れました。
四足歩行巨人が、ジークを奪って逃走したのです。
「おい…どこに行く、止まれ。待てよ。俺はあいつに誓ったんだ。必ずお前を殺すと…誓った!」
ジークは、残っていた巨人にリヴァイを殺すよう命令し、巨人は地面に立ち尽くすリヴァイに向かって行きます。ジークは四足歩行巨人に咥えられながら「お前らはこれで全滅、かなり危なかったが我々の勝ちだ!」と言い逃げて行きます。
リヴァイは向かってくる巨人たちを倒しにかかりますが、ここで見えたのがまさかのフロックです。
なんと彼は生きていたのです。
フロックは背後で巨人と戦うリヴァイが見えないのか、生存者を探すためにあたりをフラフラと歩いていきます。
リヴァイvs獣の巨人の戦いは、ジークに逃げられて終わりとなってしまいました。
アルミンの作戦
一方で壁の中では、ベルトルトとライナーをどう倒せばいいのかリヴァイ班が必死に考えているところでした。まさかライナーがもう一度巨人として復活するとは思いもしなかったので、ジャンもさすがに「どうしろってんだよ!」とイラつきと焦りが見えます。
ジャンはアルミンに、エレンを逃がすことに全てを懸けるしか道はないと言おうとしますが、アルミンは呟きます。
「痩せてる…」
そう、ベルトルトもとい超大型巨人は、戦闘当初より痩せていたのです。エレンの実験を思い出すと、なるほどその通りエレンもガリガリに痩せ細っていたことがありましたよね。
超大型巨人は消耗戦に弱いのだと、アルミンは気付いたのです。そして超大型巨人が熱風を使った時に、おそらく骨格以外の全ての肉を消費することで熱を生み出していたのだとアルミンは続けます。
「作戦がある。みんなでライナーを引きつけてくれ。ベルトルトは、僕とエレンで倒す。僕たち2人で、勝ってみせるから」
アルミンの表情を見たミカサはライナーは任せてと言い、ジャンは「遅えよ、バカ」と呟きますが2人とも表情には余裕が見えます。アルミンを信じていることが分かる描写です。
アルミンは、エレンの元へ向かいながらエレンが言った言葉を思い出していました。
「なんでか知らねえけど、俺は自由を取り返すためなら、力が湧いてくるんだ」
そして、私が1番嫌いなフラグを、進撃の巨人は立てたのです…
「この作戦がうまくいけば、僕はもう、海を見には行けないな」
なぜか分からないがここで号泣する私。いや、分かっています。この言葉はつまり、アルミンは自分を犠牲にする作戦を考えているということ。アルミンもまた、エルヴィンと同じように自分の夢よりも人類の未来を優先しようとしているのです。
(僕はなぜか、外の世界のことを考えると、勇気が湧いてくるんだ)
アルミンは、剣をエレンの首下部分に突き刺し、エレンを起こそうとします。
「エレン、起きろ!…海を見に行くよ」
ここで流れるのは、壁の中で調査兵団の知らせを待つ人類の姿。ヒッチもいました…そしてその間にアルミンはエレンに作戦の内容を話しているという、私たちは作戦を探っていかなければならないスタイル。
アルミンはヒントをくれました。この作戦は、ベルトルトをいかに騙せるかで決まるということ。ベルトルトが騙された時、それが調査兵団が勝つ時であるということ。
リヴァイ班はライナーに向かって飛んでいき注意を引こうとしますが、ライナーはまるで無視です。真っ直ぐにエレンの方へと向かっていきます。そしてそんなライナーを許さないのはミカサでした。
「殺すしかない!」
そう叫んでライナーの方へ飛んでいくと、ミカサはライナーの膝の裏に雷槍を撃ち込み、ライナーはバランスを崩して倒れ込み、動けなくなりました。
「ライナーの注意を引けないのなら、今ここで息の根を止めるしかない!ここで、エレンとアルミンを守る!」
ミカサの言葉に、ジャンも選択肢がそれしかないことに気付いたようでした。そしてそれは、サシャとコニーも同じです。ですが残りの雷槍は3本。3本でライナーをうなじから引きずり出さなければなりません。
ライナーは、戦いを始める前の記憶しかないようで、雷槍の存在を覚えていないようでした。おそらく重度の損傷があったからでしょう。ライナーは4人を片付けてベルトルトの元へ向かう気でいますが、うまくいくのでしょうか。
そしてベルトルトも、体を起こしたエレンを見て何ができるのかと考えていました。ベルトルトとライナーは、もうこれは勝ち戦で負けようがないと思っているようでしたが、それはアルミンの作戦がどのようなものかで変わってきます。
アルミンは、自分で考えた作戦ではあるが「成功は、僕がどれだけ耐えられるかでほとんど決まる」とエレンに話しますが、ここでエレンは何かが頭をよぎったようです。そしてそれに気付いたアルミンがエレンに言った言葉。
「エレン、悪いけど僕は海を見るまでは死ねない。だから大事には至らないあたりで切り上げるけど、あとは任せたよ」
エレンに自分の考えを勘付かれないように言った言葉にしか見えません。やはりアルミンは、自分のことを犠牲にしようと考えている気がしてなりません。そのことにエレンが気付いたのは、おそらく次のアルミンの言葉です。
「ほ…ほら…僕って、そんな勇敢じゃないから」
この言葉に対してエレンが考えていたことは、
(いいや、違うぞ。俺が知ってるお前は…)
でした。エレンは、アルミンがいかに勇敢かを知っているという意味にとれますよね。もうここで、私の中ではほぼ確信に変わりました。アルミンは、自分の命を捧げる覚悟ができているのだと。
「一緒に海に行くって約束しただろ?僕がエレンに嘘ついたことあった?」
この言葉の後、動こうとしたエレンは足を滑らせ壁の上から下へと落ちていきます。エレンの表情とアルミンの焦りからこれは作戦の一環ではないと思うのですが、ベルトルトもそう感じたようで「もう十分だ、終わりにしよう!」と心の中で叫び、アルミンに手を伸ばします。
アルミンは立体機動装置を使いベルトルトに自分を固定しますが、ベルトルトは自分の体を燃やして熱風をアルミンに向けて飛ばします。
ライナーを相手に戦っていた4人は、3本の雷槍でライナーを倒すために顎を狙うことにしました。2本の雷槍でライナーの両顎を砕き、口を閉じれなくした状態で口の中に最後の雷槍を撃ち込み、内側からうなじを狙う作戦です。
そして2本の雷槍をサシャとコニーが、とどめをミカサがうち、ジャンはライナーの気を逸らす役割をしました。しかしサシャは、ライナーが暴れて崩れた家の木材が刺さったために撃ち込みに失敗し、片方の顎しか砕くことができませんでした。
口が開いていなくても、やるしかないとミカサは撃ち込む体制をとります。
アルミンは、自分の推測が間違っていなかったことを確認していました。ベルトルトは、熱風を生み出すために骨以外の全てを使っていたのです。それを予測していたアルミンは、立体機動装置をベルトルトの歯に差し込んでいたのです。ベルトルトは熱風を出すために体の全てを使っているので、筋肉を動かすことができずアルミンを掴むことすらできません。
ベルトルトは、アルミンの真の作戦に気付くことなく「今楽にしてやる」と熱風をさらに生み出しアルミンを炙っていきます…すでにアルミンの姿は跡形もなくなり、黒く焦げた姿になっていました。今こうしてアルミンの最期を書いているだけで吐き気がします…
(耐えろ…まだ離すな…エレンに託すんだ…僕の夢、命、全て…僕が捨てられるものなんて、これしかないんだ!きっと…エレンなら…海に、たどり着く…海を…見てくれる!!!)
「何かを変えることができる者は、何かを捨てることができる者」。この言葉を、アルミンはずっと考えていたのかもしれません。最後の最後までアルミンは戦いました。そしてベルトルトは、アルミンが飛ばされていくのを見て、終わったと思ったことでしょう。
しかし、何も終わってはいませんでした。
コニーはミカサに無茶だと叫びますが、そこで聞こえた、ずっと聞きたかった声。
「いや、よくやった!」
ハンジが、生きていました。
ライナーの片顎に雷槍を撃ち込むと「今だ、ミカサ!!」と叫び、ミカサはライナーの舌の上に立ち「ライナー、出て!」叫びながら雷槍を撃ち込みます。するとライナーは首の後ろから飛び出し、その姿を見せました。
勝ったと思っているベルトルトがエレンを見ると、エレンは硬質化をしていました。その場所は、破られた内門に見えました。そしてエレンの硬質化に気付いた時にはすでに、エレンは巨人の姿ではなく人間の姿になっていました。
「殺(と)った!!」
超大型巨人のうなじを斬りつけ、中からベルトルトを引きずり出すエレン。
ベルトルトは腕も脚もありませんでした。エレンが無理に引っ張り出したからでしょう。
超大型巨人の体が崩れていくのは、リヴァイ班にも見えていました。
調査兵団は、勝ったのです。
ですがエレンは、ベルトルトの体を引きずりながらある場所へと向かっていました。初めてアルミンと出会った時のことを、思い出しながら。
いじめっ子に殴られたあと、泣いていたアルミンに「負けっぱなしでいいのかよ」と言ったエレンに対して、アルミンは「僕は、逃げてない」と話していました。アルミンは、逃げませんでした。
黒く焦げて、仰向けで息絶えているアルミンを見つめて、エレンは呟きます。
「分かってた…お前が誰よりも、勇敢なことくらい…」
ここで、エピソード17が終了します。
タイトル「勇者」は、アルミンのことだったのですね。
アルミンとエルヴィンは、似ていると思います。自分の夢よりも人類の未来を優先させたからではありません。
人類を導く力があると思うからです。
そして、そのどちらも、調査兵団は失ってしまった。
アルミンの死も、エルヴィンの死も、とても耐えられることではありません。
でも、もし、2人のうちどちらかが、瀕死の状態でも生きていたら。
私はしぶといので、この状態のアルミンを見ても、落馬したエルヴィンを見ても、まだ希望を捨てきれないのです…
そして私がこのエピソードで喜んだ点は、ハンジが生きていたことです。本当に良かった。少なくとも調査兵団は、全滅ではありません。
104期は、確実に成長しています。そしてそれをとても嬉しく思います。
ですが今は、次回をどう乗り越えるか考えた方が良いかもしれません。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子