こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、巨人化したロッド・レイスがオルブド区へと向かっていることが分かり、エルヴィン率いる兵士たちは団結して立ち向かうことになるのですが、エルヴィンがオルブド区の住民は避難させないと言ったところで終わりました。
彼なりに考えがあるのだとは思いますが、避難させない理由を今回知りたいと思いますね。
早速いきましょう。
今回のタイトルは「壁の王」です。
エピソード9について
冒頭は、前回のおさらいでしたね。ロッド・レイスが近づいてくると地響きで住民も気付きそうなものですが、そうなると混乱状態になりそうですよね。
エルヴィンはどのような作戦を考えているのでしょうか。
そしてゆっくりと着実に進んでくるロッド・レイスは、目が少し見えているだけで他の顔の部分は地面に擦りながら進んできていました。這ってでもオルブド区に向かってくるのは人間の時の記憶のせいなのでしょうか。
さて、エルヴィンたちはロッド・レイスに対してどのように戦うのか見ていきましょう。
エルヴィンの作戦
カルステンという兵士は、エルヴィンの胸ぐらを掴んで抗議します。住民を避難させずに作戦を実行させるのは、ストヘス区でのエレンとアニの巨人の戦いのようになりかねないですからね。
しかしそこには理由がありました。そしてその説明はハンジの口から聞くことになります。
「目標の巨人は、より大勢の人間が密集する方へと吸い寄せられる、いわゆる『奇行種』。それも、小さな村ぐらいじゃ目もくれずにこの城壁都市に反応するほどの極端な子です。
なので今から、急に住民をウォール・シーナ内へ避難させれば、目標はそれに引き寄せられ、壁を破壊し突き進むでしょう。
果ては、最も人々の密集した王都ミットラスに到着し、人類は破滅的被害を被ることになります」
つまり、エルヴィンは王都で大勢の人間が死ぬことを何よりも避ける必要があると考えており、そのためにはオルブド区の外壁で食い止める必要があるのですね。
ハンジは、壁内に戻る途中でエレンの巨人を操る力を試したが効果はなかったことも報告します。その時にエレンが言った言葉で思わず吹き出してしまったシーンがあるので紹介させてください。
エレンはロッド・レイスに対して「止まれ!」や「聞こえねえのかバカ野郎!」などの言葉を発していたのですが、最後に発した言葉がある人のことを言っているようでした。
「ロッド・レイス、お前だ!このチビオヤジ!」
エレンのうしろで馬に乗りながら聞いていたのはリヴァイでした。エレンは言った後に「はっ」とした表情をしますが、リヴァイは無表情です。(笑)
これはつまり、エレンはリヴァイのことを「チビ」と認めたも同然だと思うのですが、いかがでしょうか。(笑)という個人的に面白かったシーンでした、すみません戻ります。
オルブド区外壁で食い止めるには確かにオルブド区住民が必要ですが、だからといって住民の命を軽んじているわけではありません。
住民には、緊急避難訓練と称して家の外で待機してもらい、状況によってはすぐに避難させることができるようにしておく作戦のようです。
カルステンもこれには納得せざるを得ないようでした。そしてどうしても難しくなった時は、エレンの力を使う必要があることもその場で伝えます。
夜が明けて、ロッド・レイスが壁のすぐそこまできていますが、住民はなかなか協力的ではありませんでした。
兵団に支配されるのであれば、偽物でも無害な王様の方がマシだと言っている住民もいました。エルヴィンがヒストリアを女王に任命した理由がこれで分かる気がしますね。
しかし住民の態度が変わるかもしれない出来事が起こります。壁の中からでも蒸気が見えたのです。何もないところからもくもくと蒸気は出ませんよね。これで少しは兵士の話を聞いてくれるといいのですが…
壁の上では大砲を駆使してロッド・レイスを迎え撃ちますが、ほぼ効いていないと言ってもいいほどの効力でした。体に穴は開いていましたが、かすり傷だとでも言わんばかりに気にせず前進してくるロッド・レイス。
ここでエルヴィンたちは次の段階に移ります。
ハンジが持ってきたのは、ありったけの火薬とロープ、そしてネットでした。これらを組み立てて巨大な爆弾を作るつもりなのでしょうか。
そしてもう1つ。火薬が入っているであろう樽に鋭い刃がついており、立体機動装置で巻き取るものだそうです。1回撃てば引き金は固定され巻き取り続けるとハンジは言います。
これでロッド・レイスを動かさないようにして攻撃をするということなのでしょうか。あんな巨体をとどめておくには少し足りない気もしますね、不安です。
エレンの葛藤
エレンは爆薬の準備をしながら今までのことを考えていました。
自分は特別だと思っていて、だからこそ自分のために兵士が死ぬことになっても心のどこかでは仕方がないと受け入れていたこと。
そして、巨人の力についてもエレンはこう考えていました。エレンにとって巨人という存在は憎い以外のなにものでもないはずなのに、自分の体だとすんなり受け入れたこと。
それは、巨人でいる時の強さが自分のものだと思いたかったからだと。それこそが弱い者の発想だとエレンは続けます。
そして今後、壁の穴が塞げるようになったからといって、人類は救われるのかと自分自身に疑問を抱きます。
(俺は特別でも何でもないのに…)
そしてエレンは、自分が切り札であることでついていないのは人類だとぼやきます。やはりグリシャの件で自分に自信が持てなくなっているようですね。
エレンはアルミンに「この街の子どもたちはあの日の俺たちみたいだ」と話すのですが、アルミンは同調するものの違った見方で言葉を返します。
「でも、あの日と違うのは、壁の上に巨人を迎え撃つ兵士がいて、それが僕らだってことだ」
この言葉を聞いた後、ミカサに「止まっている暇はない、手を動かして」と言われるのですが、この言葉がエレンにとって響いたのでしょう。
エレンは自分の顔を殴り「どうしようもないクソガキをぶん殴っただけだ、死んでたらいいな」と呟きます。
ミカサは単純に準備をする手を止めるなという意味で言ったのですが、アルミンの言葉も相まってエレンは自分だけあの頃の子供のままだと言われた気分になったのではないかと思います。
エレンとアルミン、ミカサの置かれている状況は、巨人になれるかなれないか以外で特に違いはありません。ですがアルミンとミカサは前を向いて進んでいて、自分はクヨクヨと悩んでいるあの頃の少年のままに感じたのでしょうね。
この3人の関係性は正直羨ましいと感じる私でした。
調査兵団の真の作戦
カルステンは駐屯兵団だったのですね、大砲では歯が立たないと分かるのと、ロッド・レイスから蒸気が出て彼が立ち上がっていると分かったのはほぼ同時でした。
そしてロッド・レイス巨人の顔…簡単に説明すると、顔の断面はこうなっているんだ、という顔でした。目玉はなく、学生の頃見たような人体模型を縦に半分に切った形でした。ごめん気持ち悪い…
そして這ってきたからか体も断面図のようになっていて、立ち上がった時に臓物が壁に流れ落ちます…ひえ…下にいた子供たちはトラウマものでしょう…
自分の育った街がなくなってしまうと絶望した表情で呟くカルステンの肩を叩くと、リヴァイは言います。
「下がってろ駐屯兵団。あとは俺たちが引き受ける」
リヴァイが最近どんどんかっこいいゲージを上げてきますねえ。(笑)
調査兵団は水を被りロッド・レイスが発する蒸気に負けないよう対策をしていました。エレンはこれから巨人化するわけですが、ここでエレンはアルミンに先ほどの会話に対しての彼なりの答えを伝えます。
「アルミン、あの日と違うことはもう1つあるぞ。頼りないかもしれねえけど、人類には切り札があるってことだ」
この言葉を伝えたエレンの表情を見て、ああ、大丈夫なんだなとこちらにも伝わりました。自信を持ってこの作戦に挑もうとしているエレンの姿がありました。
逃げる子供たちの後ろで光が放たれ、エレンは巨人化しました。
「攻撃、開始!」
エルヴィンの号令と赤い信煙弾で調査兵団は動き出します。
まずは樽に刃をくくりつけていたあの武器。見てから分かったのですが、これはロッド・レイスを固定するものではなくそのまま武器を走らせてロッド・レイスに当てるためのものだったようです。
爆発して体勢が崩れたロッド・レイスに次に立ち向かうのはエレンです。エルヴィンの後ろから飛び出してくるエレンは鳥肌ものでした。
先ほどみんなで作った特大爆薬を担いて、ロッド・レイスに向かって走っていくエレン。
調査兵団の真の作戦とは、ロッド・レイスの口の中に火薬をぶち込んで、うなじを内側から吹き飛ばすという作戦だったのですね。
しかしみなさんご存知の通り、ロッド・レイスは顔を地面に擦り付けて進んできたので口があるかは賭けだったようです。
そして賭けは大当たりでした。顔の半分がなくなっていたので、口に入れるよりも簡単だったかもしれませんね…
エレンが爆薬を入れた瞬間に爆発し、それと同時に細かな肉片が街中に降り注がれました。エルヴィンの号令で調査兵団は街へと飛び出していきます。
「総員!立体機動でとどめを刺せ!」
無数の肉の塊を斬りまくる調査兵団ですが、どこに本体がいるのか分からないためただひたすら斬りまくります。そしてその中にはヒストリアの姿もありました。
ジャンたちは次期女王のヒストリアが戦っていることに驚いているようでしたが、ここで先ほどのエルヴィンとヒストリアの会話が登場します。
エルヴィンはヒストリアの参加は許可できないと言うのですが、ヒストリアの言葉と決意に感動しました。
「私は、自分の果たすべき使命を自分で見つけました。そのために今ここにいます」
エルヴィンは、この体では君を止めることはできないだろうなと言い実質許すことになります。そしてヒストリアのそばを、ロッド・レイス本体が落ちていきます。
(わがままを言って、申し訳ありません。でも初めてなんです、親に逆らったの…私が始めた、親子ゲンカなんです)
そう言うとヒストリアはロッド・レイスの首を斬りつけますが、ロッド・レイスの記憶のようなものを見ます。
ロッド・レイスもまた、最初は父親に同じことを訴えていたのですね。
しかし弟を見ても、娘を見ても結果は同じ。ロッド・レイスはその時働いていたヒストリアの母親に泣きついていましたが、その母親も殺されてしまいました。
ロッド・レイスには、もう神を信じる以外にできることは残されていなかったのかもしれません。だからといって許されることではありませんが、彼の過去を見るとなるべくしてなってしまったようにも見えました。
ヒストリアは下にある荷馬車に運よく落ち、今見たものを考え自分が本当に自分の意志で動いているのか不安になります。
「こうやって流されやすいのは間違いなく私」という言葉が少し悲しいですが、ヒストリアはここでも自分で決めて行動を起こします。
「私は、ヒストリア・レイス。この壁の真の王です」
ケニーの行方と過去
場面は突然ケニーへと変わり、ケニーの過去が次々と走馬灯のように流れてきます。
そこには、ロッド・レイスの弟ウーリや小さい頃のリヴァイらしき少年(痩せ細ってしまっています…)、そして若かりし頃のサネスと話しているところ、カーフェンが映し出されます。
ケニーの顔の半分は焼けただれており、出血もひどそうですが、そこへリヴァイが1人の兵士と共にやってきます。
リヴァイはその兵士を帰すと、ケニーに対して「あんたはもう助からねえな」と話しますが、ケニーは「いいや、どうかな」と呟き傍にあった箱を開けました。
そこには、脊髄液と注射器がありました。
そしてここでエピソード9が終了します。
いやあ…とりあえずロッド・レイスの巨人の姿はもう二度と見たくないですね…(笑)
今回は、エレンとヒストリアが自分に向き合えた回ではないかと思いました。
エレンは今できることに対して向き合うことに、そしてヒストリアは自分の使命や運命に向き合うことになった気がします。
そして最後のケニーとリヴァイ。おそらく次回で2人の過去が詳しく分かるのではないかと思いますね。
次回どのように進んでいくのか楽しみです。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子