こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、ロッド・レイスを倒したあとケニーのシーンとなり、ケニーが脊髄液と注射器を持っているところで終わりましたね。
ロッド・レイスは実の娘の手によってその生涯を終わらせますが、彼にとっては全てが終わってスッキリしているのではないかなとも思います。
今回でついにケニーの過去やリヴァイとの関係がはっきりすると思うのですが、痩せ細ったリヴァイであろう少年の姿が気になります。
いきましょう。
今回のタイトルは「友人」です。
エピソード10について
冒頭では、憲兵団のナイルの指示で横断幕のようなものの準備が進んでいました。
その幕には、3つの兵団の紋章と壁が描かれていました。一体何のための幕なのか気になりますね。
そして、リヴァイが調査兵と一緒に礼拝堂の近くを確認している時に、調査兵がケニーを発見した流れだったことがこの冒頭で分かります。
他の中央憲兵たちは潰されて死んでしまったようで、生き残ったのはケニーだけのようでした。
ケニーの過去
オープニングのあとすぐにケニーの過去を見ることができました。その当時のケニーは自分がとても強いと考えていたようで、
「この世に俺より強えやつがいるなんて思いもしなかった。これが巨人ってやつか、本当にいやがったとは。それも壁の中に…」
と言っています。この巨人というのがウーリ、ロッド・レイスの弟ですね。そしてそばには若かりしき頃のロッド・レイスもいました。
ロッド・レイスはケニーのことを撃ち殺そうとしますが、ウーリは自分たちの存在をケニーに漏らした議会関係者が誰なのかを知りたいと言いました。
ロッド・レイスは巨人の力を使って話をさせろと言いますが、ウーリは気付いていたようでケニーはアッカーマン家の末裔だろうと言います。
だとすると、ケニーが自分を狙うのは彼本人の個人的な理由だろうとも言い、その言葉に反応したケニーはウーリに向かってナイフを投げ、そのナイフはウーリの腕に刺さります。
ロッド・レイスがケニーを撃ち殺そうとした時、ケニーは命乞いを始めます。正直、あのケニーが命乞いの言葉を口にするなんて思いもしなかったので驚きました。
ウーリはケニーを離してくれ、あろうことか自らケニーに近づいていきます。そしてロッド・レイスは、アッカーマンの記憶は消せないため殺すしかないと叫んでいました。
ケニーが隠し持っていた銃をウーリに向けると、ウーリはその場でしゃがみ込み、膝をつきました。驚くケニーをよそにウーリは話し始めます。
「我々がアッカーマン一族にもたらした迫害の歴史を考えれば、君の恨みはもっともだ。だが、私は今死ぬわけにはいかないんだ」
そう言うと涙を浮かべ、ウーリはなんとケニーに対して土下座をして許しを請うのです。
「どうか、許してくれ。こんな小さな壁の中にさえ、楽園を築けなかった愚かな私を」
ケニーは、巨人の姿にも驚いたが、王が下賤に首をたれたことで自分の中の何かが大きく揺らいだのを感じた、と言っていました。
ケニーはウーリに対して「力になりたい」と伝え、ウーリもそれを受け入れたことで王専属の切り裂きケニーが誕生したようでした。
そしてその代わりと言ってもいいのか分かりませんが、アッカーマン家に対する迫害はそれで終わったようでしたね。ケニーは自分の身を捧げたという形になるのでしょうか。
以前のケニーの記憶で話していた妹のクシェルも、この時に見つけたようでした。彼女は病気にかかってしまいもう娼館では働いていないとのことで、クシェルの様子を見にきたケニーは痩せ細ったクシェルを見て話しかけます。
しかしその時小さい声で「死んでる」と聞こえ、声の方へ向くと痩せ細ったリヴァイがいました。リヴァイはこの時自分のことを「ただのリヴァイ」と言うのですが、ケニーはクシェルがアッカーマンという姓を名乗らせていないのだと思ったようでした。
「俺はケニー。ただのケニーだ」
ケニーは、クシェルとは知り合いだったと伝え、リヴァイには自分たちの関係を話しませんでした。
リヴァイに食事を与えたケニーは、葛藤したようでした。見殺しにできるわけでもないが、親代わりになれるわけでもない。なので一通り自分が知っていることについて教えることにしました。
ナイフの握り方やご近所付き合い、挨拶の仕方、身の振り方と、ナイフの振り方…リヴァイが地下街で生き延びていくために必要な術を教えたのですね。
これでようやくケニーとリヴァイの出会いが分かりました。しかしリヴァイはケニーが親族だと気付いていないのでしょうかね。鋭いリヴァイのことなので気付いている可能性もある気がします。
そして中央憲兵のサネスと知り合ったのもこの頃だったようです。サネス、覚えていますか?ニック司祭を拷問して殺した中央憲兵です。
サネスは王に心酔している様子が見てとれました。サネスはケニーに「なぜ王の下に降った?」と聞きますが、ケニーは「さあな」と答えます。
しかしこの時ケニーが思い浮かべたのはウーリが土下座をしているシーンで「多分やつが1番強えからだ」と言葉を足すのですね。
ケンカが強いことや権力のことを言っているのではなく、ケニーにとっては自分の一言で人を動かせる存在が自分に土下座したことがとても大きな出来事だったのだと思います。
そしてケニーがリヴァイに教えたのは「この世で1番偉いのは、この世で1番強いやつ」でした。ウーリはケニー自身の価値観を変えた人物なのかもしれません。
ウーリとケニーが川辺で話している時に、ケニーはレイス家で何が起こっているのかを知ることになります。
個人的にウーリからは、アルミンのような穏やかさを感じていました。ウーリとケニーが「友人」になれた理由は何だと思うと聞かれた時にも、ケニーはウーリが土下座をしたシーンを思い浮かべていましたね。
はっきりと言葉にはしませんでしたが、ウーリもアルミンのように暴力では解決しないだろうと考えており、友人になれたのはお互いが言葉を交わしたからだと言っている気がしました。
ウーリがロッド・レイスの娘のフリーダに喰われた後も、ケニーはフリーダの中にウーリを見つけたと話していましたが、平和だの家族だのを語るフリーダに飽き飽きしている様子でした。
しかしそれと同時に、ケニーはその力を欲しているようにも見えました。ケニーの夢というのは、もしかすると巨人の力を手に入れることなのかもしれません。
ケニーが中央憲兵の対人立体機動部隊の隊長を務めることになったとき、自分の仲間たちを殺してきたケニーを受け入れない者ばかりでしたが、カーフェンは「構わない、全て無意味なのだから」と言うのですね。
もしかすると、王の犬のような存在になっている中央憲兵に嫌気がさしていたのかもしれません。そこへケニーがやってきて、これからは「大いなる夢のため」に戦うと言い、カーフェンたちはケニーに同調することになります。
しかしケニーの言葉で感じるのは、人殺しをしてきた自分でも、巨人の力を手に入れてウーリたちの立場を味わえば、慈悲深い人間になれるのか知りたがっているということでした。
「俺のようなクズにも、本当にお前と対等な景色を見ることができるのか?」
この言葉に全てが詰まっている気がします。
ケニーとリヴァイ
場面はリヴァイがケニーを見つけたところに戻ります。
ケニーは、自分は死にたくないし力が欲しかったと口にして認めますが、個人的にこのあとのケニーの言葉が刺さったので紹介させてください。
「俺が見てきたやつら、みんなそうだった。酒だったり女だったり、神様だったりもする。一族、王様、夢、子供、力…みんな何かに酔っ払ってねえと、やってられなかったんだなあ。みんな、何かの奴隷だった。あいつでさえも」
最後のあいつはウーリを指していました。奴隷とまでは言いませんが、これは今を生きている私たちにも当てはまることだなと感じた言葉です。
あまり深く言及はしませんが、上記以外にも人は皆「何かに酔っ払ってないとやってられない」のかもしれません。
ケニーは静かに逝きたいように見えましたが、リヴァイはそれを許しません。知っていることを話すよう言いますが、ケニーは初代王の話までは知らなかったようです。
そして、リヴァイは自分の姓もアッカーマンらしいなと聞き「あんた、本当は母さんの何だ?」と問います。
「バカが。ただの兄貴だ」
そう言うとリヴァイは驚いた表情をしていました。全く想定外のことを言われたようでしたね。
そして、なぜ自分の元から去ったのかも尋ねますが、ケニーの返答になぜか胸が締め付けられる思いでした。
「俺は…人の親には…なれねえよ」
切り裂きケニーと呼ばれるほど人を殺し、リヴァイの存在を知った時に、もしかしたら心のどこかで「リヴァイを育てる」という選択肢があったのかもしれません。
でも人殺しの自分が、人を育てるなんてことできっこない、と思ってしまったのかケニーはリヴァイの元を去るという選択をした。
それが結果的に良かったのか間違っていたのかは分かりません。ただただ、アッカーマン家の一員として王につかえ人殺しをしてきたケニーの死に際に、何だか言葉では言い表すことができない感情が私を渦巻いていました。
ケニーは最後の力を振り絞ると、脊髄液と注射器の入った箱をリヴァイに押し当て、息を引き取りました。
ケニーの人生は、どのような人生だったのか。ケニーはどう感じていたのか。少なくとも甥に看取られて幸せだったのか。ケニーと話をしてみたかったです。ゆっくり休んでください。
戦いの終わりに
物語の冒頭でナイルが準備していた幕の上の台で行われたのは、ヒストリア女王の正式なお披露目会だったようです。
ザックレーの手によって頭に王冠が乗せられ、住民はヒストリアの活躍を聞き早くもヒストリア女王を尊敬の眼差しで見ることになります。
戦いの前でのエルヴィンとヒストリアの会話には、まだ秘密があったようでした。ヒストリアはエルヴィンに対して「自分がロッド・レイスを倒した」ということにするよう頼んでいたのです。
そうすれば壁の求心力となって情勢は固まるはずだ、と。
それを聞いてからもう一度考えると、まさか本当に仕留めてしまうとは、というエルヴィンの言葉にも納得です。
ヒストリアはリヴァイ班を引き連れてどこかに向かっているようでしたが、その先はなんとリヴァイ。
どうやら、ミカサがヒストリアに「後でリヴァイを殴ればいい」と言ったことを実行するようです…
ミカサは「殴った後でこう言ってやればいい、殴り返してみろって」と言いヒストリアを煽ります。(笑)
他のリヴァイ班メンバーもヒストリアを応援する始末で、止めているのはエレン、そして言葉を発さないアルミンだけです。
そしてついに、目の前にリヴァイが現れます。
震えるヒストリア。
突然声を上げて、リヴァイに殴りかかります。怖がるリヴァイ班。
「どうだ!私は女王様だぞ!文句があれば…」
ヒストリアがここまで言いかけるとリヴァイはふっと笑い、こう言います。
「お前ら、ありがとうな」
リヴァイー。株を上げすぎるなー。(笑)
かっこいいぞー。(笑)
ですがリヴァイがみんなに感謝の気持ちを伝えた理由が分かる気がします。本当にみんな頑張った。このメンバーでなければ成し遂げられなかったかもしれません。
これで今後はウォール・マリアの壁を塞いで、住民も戻り、人類としての生活を取り戻していくのね!と清々しい気持ちで見ていたのですが…そうはいかないのですね…
見えてきたのは、鎧の巨人となったライナーが倒れている場面。ベルトルトが走って駆け寄りライナーを助け出します。
そしてライナーが戦っていた相手が分かり「またか…」と呟いてしまいました。
獣の巨人。
何かを賭けて戦っていたようですが、ライナーたちが賭けていたのはアニの救出のようでした。
そして獣の巨人が賭けていたのは、座標の奪取。つまりエレンでした。
「ここで待ってりゃあっちからくるんだし」という言葉から察するに、おそらく彼らはウォール・マリア内にいると思われますね。
獣の巨人の正体は、ブロンドヘアにブロンドの髭面の男でした。そして1つ気になったのはメガネ。グリシャのメガネに似ていませんか…?
「ふぅ」
という獣の巨人の言葉で、エピソード10が終了します。
とんだ終わり方です。ひどいです。少しは落ち着いた気持ちになりたいものですが、進撃の巨人ではそんな気持ちになるには世界は残酷すぎるといったところでしょうか…
私は最初からケニーに好感を持っていたので、彼が亡くなったのも悲しかったです。もしかしたらケニーは、自分の中にある弱さを曝け出すと生きていけない気がして、あのように強気の態度で生きていたのかもしれません。
そしてヒストリアはこれから女王として生きていくことになります。もう兵士として戦うことはないにしても、リヴァイ班との絆は続いてほしいですね。
そして、獣の巨人。最初、グリシャがどうにかして生きていて、ブロンドに染めたのか?というアホなことを考えていました。(笑)
それにしても獣の巨人は好きになれません、好きな方、すみません…コニーの村にした仕打ちも獣の巨人の仕業かと思うと尚更許せません。
これは次回からまた波乱の予感がしますね…気を引き締めて見ていきましょう。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子