こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、ヒストリアが父親であるロッド・レイスに抱きしめられ、その様子をぼんやりとした意識の中エレンが見ているシーンで終わりましたね。
個人的にロッド・レイスが不気味で苦手ですが…エレンが喰われるというのも謎ですし、まだリヴァイとケニーの関係性も曖昧なままなので、早く事実を知りたいですね。
いきましょう。
今回のタイトルは「昔話」です。
エピソード3について
ヒストリアの過去
エピソード3はヒストリアの過去から始まります。
彼女はウォール・ローゼ北部のレイス卿の領地内にある小さな牧場で生まれ、母親と暮らしていました。
物心ついた時から牧場を手伝っていたヒストリアとは対照に、母親は静かで家のことはせず、夜になると派手に着飾った姿で馬車に乗って街に行っていたそうです。
文字の読み書きができるようになり、本を読み始めたヒストリアは自分が孤独であることを知ります。
なぜなら、どの本にも親は子供に関心を示し、話しかけたり、抱いたり叱ったりして愛情を表現するものだと書かれていたからです。
彼女には、そのどれも経験したことがありませんでした。
ある日ヒストリアは、母親からの反応に興味を持ち母親に抱きつくことにしました。
しかし反応はひどいものだった。
ヒストリアを投げ飛ばし、恐ろしい言葉を投げかけます。
「こいつを殺す勇気が、私にあれば…」
この言葉が母親のヒストリアに対する最初に発した言葉だったにも関わらず、ヒストリアはそれでも嬉しかった。
母親が自分に何かしらの反応を示したのが初めてだったからです。
ですがそれを機に母親は牧場を離れ、ヒストリアと母親は別々で生活することになりました。
月日は流れ5年前、ウォール・マリアが破られて数日経った頃、ヒストリアの父親であるロッド・レイスがヒストリアのもとを訪ねてきたのです。
それまでヒストリアは自分の父親について何も知らずに過ごしてきたようでしたね。そしてドアの付近には母親の姿もありましたが、怯えた様子だったと言います。
ロッド・レイスはヒストリアに「これから私と暮らすぞ」と伝え一緒に外に出ますが、そこで待ち構えていたのがケニーです。
この時にはもう憲兵として動いていたようでした。
母親は逃げようとしますがあっさり捕まり、ロッド・レイスは態度を変え、こんな人間は知らないと言います。
ヒストリアはたまらず「お母さん!」と叫びますが、母親はそれを否定します。
「私はこの子の母親ではありません!」
ロッド・レイスが母親、ヒストリア共に自分と関係ないと言ったので、ケニーは母親を殺そうとします。
この時のケニーのセリフで「お前という人間は存在しなかった」のようなことを言い、さらに「お前は屋敷に勤めていたこともない」と言っているので、母親は王家の屋敷で働いていたところ、ロッド・レイスとの間にヒストリアが生まれ、邪魔になったから排除される、といった流れでしょうか。
「旦那様、話が違うではありませんか!」と母親が言っているのを見ると、ロッド・レイスは自分と関わりを持たなければ遠くで生きていてもいい、のようなことを言ったのでしょうかね。
必死で母親が叫んでもロッド・レイスは見向きもしませんでした。
しかし状況がよく飲み込めていないヒストリアは母親に近づいていきます。
それに気付いた母親は、跪かされ喉もとにナイフを突きつけられた状態でヒストリアの方を見ると、彼女に対しての最期の言葉を言います。
「お前さえ…お前さえ産まなければ…」
そしてケニーはヒストリアの目の前で母親の喉を切り裂きます。
大人が何を話しているのか、どういう意味なのかは十分理解できる年齢です。ヒストリアは目の前で母親を殺され、最期の言葉は「お前さえ産まなければ」。
こんな仕打ちを受ける理由はどんな人でもないのに、ヒストリアは生まれた経緯で母親に恨まれ、まさに今ケニーに喉元を切り裂かれる状態でした。
子供に罪はないと言いたいのか、本妻の子供ではないにしても自分の子供だと言いたいのか、ヒストリアの命を救ったのは父親であるロッド・レイスでした。
ですがそれでも一緒に暮らすことはしようとしなかった。「クリスタ・レンズ」という名前はロッド・レイスから与えられた名前だったのです。
クリスタとして遠い土地で暮らすなら生かしておいてあげよう、ということですね。ユミルが聞いた会話との辻褄も合います。
それから調査兵団に入り、どんな気持ちで生きてきたのか。どうやったら褒められる死に方ができるかを必死で考えていた気持ちが、少し分かる気がしました。
ヒストリアは生まれてこの方、誰かに褒められたり、愛されたことがなかったのです。笑うこともなく、何が悲しいという感情なのかもあまり理解しているようには見えませんでした。
そして再びロッド・レイスの元に戻されたヒストリアは「お前を守るためにはああするしかなかった」と聞かされます。
ロッド・レイスはヒストリアに愛情を示しますが、私には気持ちがこもっているようには見えません。何か裏があると感じます。…苦手意識からかもしれませんが…
「お前こそが人類を救うことのできる唯一の存在なんだよ」
うーん、このなんとも言えない胡散臭さ…伝わりますかね?なんか信じるに値しないといいますか…ヒストリアは初めて愛情を示され、お前が人類を救うなんて言われて嬉しいかもしれませんが…
私はなぜか信じられません。
そしてロッド・レイスはヒストリアの手を引いてこう言います。
「さあ行こう、全てが始まった場所へ」
ハンジの葛藤
サネスは拷問され、ラルフが王への忠誠を簡単に破ったと知り、顔を合わせるや否やラルフに掴みかかります。
しかしそれが茶番であり、王への忠誠を破ってしまったのが自分であったと知り絶望するサネスはハンジに向かって「悪魔め」と呟きます。
「そりゃ否定はしないけど、ニックにもあんたらがそう見えただろうね。だからあの時言っただろう、あんたらが可哀想だって。本当に惨めだよ、おっさんが泣いて喚いて!
ざまあみろ、ばーか!そこでクソするだけの余生に生きがいでも見出してろ!じゃあな」
…まあ、ハンジは普段ここまで言葉は汚くないですが、ニック司祭を守れなかったことが悔しかったのかもしれません。
しかしハンジの言葉に、サネスは静かに反応します。
「順番だ。こういう役割には多分、順番がある。役を降りても誰かがすぐに代わりを演じ始める。どうりでこの世から無くならねえわけだ。頑張れよ、ハンジ」
この言葉には私も考えさせられました。
ハンジはずっと善人だと思っていましたし今もそう思っていますが、目的が違う者同士で戦っている今は、彼らからしたらハンジはサネスの言った通り「悪魔」に見えるでしょう。
今後このようなことに出くわすことは増えていくでしょうし、ハンジ含め調査兵団たちはこの感覚と向き合っていかなければなりません。
エレンの現状
リヴァイ班は、ハンジから報告を受けてエレンが喰われるであろうことを知ります。もちろんミカサの沸点は超えているようにしか見えません。
ユミルとベルトルトの会話の中で、ベルトルトがユミルにした「君も人なんか食べたくなかっただろうし」という言葉でハンジは可能性を確信したようです。
巨人は通常、人を食べても人間には戻りません。それは普段殺している巨人を見ても明らかです。
しかしユミルは人間に戻った。ライナーたちの仲間の1人を食べたことによって、その人物が持っていた巨人の力を手に入れたと考えてもいいだろう、という仮説でした。
ユミルはその何らかの能力をたまたま手に入れてしまったと考えて、さらに人間に戻ることができたと仮定すると、エレンが喰われる理由が分かりますよね。
シーズン2の最後での戦いの際、エレンが叫ぶと巨人が対象に向かって走っていくシーンがありましたが、ハンジはエレンが「叫びの力」を手に入れていて、その力を他の巨人に移そうとしているのではないかと考えていました。
うん、納得です。そして王政が巨人を持っていた場合、その巨人にエレンを喰わせることで「叫びの力」を手に入れることができるわけです。
やっと道筋が見えてきた気がしますね。
ミカサが部屋を飛び出そうとするのをリヴァイは止め、ロッド・レイスの領地を目指すことを全員に伝えます。
エルヴィンの過去
部屋にいたエルヴィンの元にピクシスがやってきて、エルヴィンからの手紙を読み自分の考えもまとめてみたが、本当にやるのか、と聞いていました。
「我々はウォール・マリア奪還のため、王政を打倒します」
またすごいこと言い出す。でも確かに、今思うとレイス家が王ならば今君臨している王は一体誰なんだいという謎が生まれますよね。
ハンジとモブリットが部屋にやってきて報告をすると、エルヴィンは「やはりそうだったか」と呟き、ピクシスにも伝えます。
現在の王家は本物ではなく、レイス家が王家だということを。
ピクシスは驚いた様子でしたが、エルヴィンは構わず言葉を続け、ヒストリアとエレンを奪還し、ヒストリアを女王に即位させると話します。
現在の王政を打倒し本当の王家にすり替えるというと聞こえは悪いですが、まあ本物に即位してもらうという話ですね。
エルヴィンはレイス家についてできる限り調べたといい、その調べの中で興味深い事件が見つかったと言ったところで、中央憲兵から出頭命令が出ていることを知らせる兵士が部屋に入ってきます。
1つ謎が解けたらまた1つ謎が増えますね。
エルヴィンは出頭に同意するようで出かける準備をしますが、ハンジに「お前は自分の判断に従って動け」と伝えます。
「次の調査兵団団長はハンジ・ゾエ、お前だ」
ハンジが調査兵団団長?!
私もハンジもモブリットも驚いて言葉が出ませんでしたが、エルヴィンは「調査兵団を任せたぞ」と言うと出て行ってしまいました。
エルヴィンは自分が団長を辞する決意で動いているようです。
憲兵の元へと向かったエルヴィンは、地面に寝かされているリーブスを見ます。リーブス商会の会長ですね。ケニーに喉を切られて殺されました。
どうやらお偉いさん方は、この殺人を調査兵団になすりつけたいようです。そして、その責任は団長であるエルヴィンにある、と。
住民から、そしてリーブスの家族からも責められるエルヴィンですが、一部始終を見て知っていたにも関わらず息子はその場から逃げるように去ってしまいます。
多分、ここで出て事情を話せばすぐに殺されると思ったのでしょうね。
エルヴィンは憲兵についていく意思を見せますが、リーブスの家族の元へと戻り「この無念、私が必ず…!」と伝えると彼らの表情も少し変わったのが見て取れます。
そしてエルヴィンは、ハンジたちが報告に来る前にピクシスに自分の過去の話について話していました。
やっとエルヴィンの過去についても知ることができましたね。
エルヴィンの父親は教師であったこと、そしてある日の授業で歴史を教えてもらったことを話します。
巨人から身を守るために壁の中へと逃げてきた人類は、それから100年平和に暮らすことができていたこと。
しかしそれまでの歴史を記すようなものは何一つ残されていなかったこと。
これは授業を受けていれば誰もが学ぶことですが、エルヴィンは当時、父親に対してクラスの中である質問をするのです。
父親はクラスの中では答えてくれませんでしたが、家に帰ってからエルヴィンにだけ教えてくれました。
王政が配布している歴史の教科書や資料などには、数多くの謎と矛盾が存在していると父親は話します。
エルヴィンの父親はエルヴィンに対して父親の仮説を話しますが、エルヴィンはなぜクラスで話さなかったのか理解できるほど賢くなかったと言っています。
なのでエルヴィンは、友達にその話をしてしまうのですね。そしてエルヴィンの父親は、その翌日に遠い街で事故で亡くなってしまいます。明らかに事故ではなく口封じのために殺されていますよね。
その父親の仮説というのが、こちらです。
「今から107年前、この壁に逃げ込んだ人類は王によって統治しやすいように記憶を改ざんされた」
突拍子もないことに聞こえますが、よくよく考えると納得してしまう点が多いです。
まず、いくら100年経っていると言っても先祖の人々は何かしらの資料を残していてもおかしくないのに、何も出てこないということ。
壁の中で暮らすようになったきっかけ、どうやって壁を作ったのか、壁を立てている間はどう過ごしていたのか、一体何年の月日を費やせば家を建て、生活を整えることができるのか。
壁の中に住んでいる人類は、実は謎に包まれているということです。
そして、ライナーたちが壁の外からやってきたのであれば、人類はそもそも壁の中に逃げ込んで生活する必要もないわけです。
これらの疑問点を踏まえて、エルヴィンの父親は王政が住民の記憶を改ざんしたと考えていたのですね。ですが記憶の改ざんなんて出来るのでしょうか。
エルヴィンは小さいながらにも父親の仮説が間違っていないような気がしていたようですね。そして父親の死にも納得していない。
エルヴィンが調査兵団の団長になるまで努力してきたのは、父親の仮説を証明することにあったのですね。
エルヴィンの意志の強さは父親にあったのだと知ることができ、王家のしたことが本当なのであれば許されないことだと感じました。
一方その頃リヴァイ班たちは、まともに買い出しにも行けずにコソコソしながら街で買い物し、森の中でとりあえずの生活をするしかありませんでした。
買い出しに行っていたジャン、ミカサ、アルミンが戻ってきた時、アルミンはリヴァイ班が追われているという張り紙を見せました。
調査兵団が実質壊滅状態にあることを知ったリヴァイ班は、なんとか策を講じなければと考えていましたが、その時にこちらへ向かってくる足音が聞こえ、その足音の持ち主が誰なのか分からずにエピソード3が終了します。
今回は一気にヒストリアとエルヴィンの過去を知ることができてたくさんの収穫がありました。
ヒストリアの過去は悲惨で、それでも明るくしていたクリスタを思うと胸が痛いですね。
そしてエルヴィンもまた、自分のせいで父親が死んでしまったと心を痛めたことでしょう。
特にエルヴィンは答えが知りたくて仕方ないと思います。
次回でまたどれほどの事実が発覚するか分かりませんが、引き続き謎を解いていこうと思います。皆さんも一緒に推理してください。(笑)
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子