こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、女型の巨人からひたすら逃げるリヴァイ班でしたが、リヴァイが信煙弾を発射したところでエピソードが終わりました。
あの信煙弾は何だったのか、何のためにひたすら前に進んで戦闘を避けているのか、謎は多いままですが一つ一つ謎を解いていけたら良いなと思います。
エピソード19について
リヴァイが信煙弾を発射すると共に、キーンという耳に響くような音が聞こえました。リヴァイは音響弾を発射したのですね。この森の中で音響弾を発射するという事は、すなわち誰かに何らかの合図を送ったと捉えて良いかと思うのですが、どうでしょう…
「お前らの仕事はなんだ?その時々の感情に身を任せるだけか?そうじゃなかったはずだ。この班の使命は、そこのクソガキに傷ひとつつけないよう尽くす事だ。命の限り」
この言葉に平静を取り戻したのか、リヴァイ班はまた冷静になったように見えました。エレンは、自分を監視するためにリヴァイ班に入れられたと思っていたようですね。
「俺たちはこのまま馬で駆ける。いいな?」
「了解です!」
リヴァイの命令に従うリヴァイ班ですが、エレンは納得していない様子でした。次々と来る増援が、あっという間に目の前で殺されていく事に我慢ができないんですね。それに対して周りのリヴァイ班はエレンを諭し、とにかく前を向いて進むよう訴えますが、それでも納得しません。リヴァイ班も仲間がどんどん死んでいく様子は見るに堪えないでしょう。
「エレン!前を向いて走りなさい!」
「戦いから目を背けろって言うんですか!仲間を見殺しにして逃げろって事ですか!」
「ええそうよ!兵長の指示に従いなさい!」
ここのペトラの「ええそうよ!」が、個人的に見ていて苦しかったです。見殺しになんてしたくないに決まっているのに、何もしないのは兵長の指示だから。
エレンを守る事が最優先事項だから、仲間を見捨てるような形になってもなお、兵長の命令に従い前を向いて進んでいるのだと思うと、エレンを引っ叩いて落ち着かせたくなったシーンです。(笑)
「見殺しにする理由が分かりません!それを説明しない理由も分からない!なぜです!」
「兵長が説明すべきでないと判断したからだ!それが分からないのはお前がまだヒヨッコだからだ!分かったら黙って従え!」
それでも納得しないエレンに、今度はオルオが声をかけます。このオルオの言葉にハッとして少しは落ち着いたかのように見えたエレンですが、とんでもない事を考えます。
(いや…1人でだって戦えるじゃないか!何で俺は人の力にばっかり頼ってんだ!自分で戦えばいいだろ!)
そしてあろう事か、親指の付け根を噛もうとします。しかしその瞬間、気付いたペトラがエレンに声をかけます。
「何をしているのエレン!それが許されるのはあなたの命が危うくなった時だけ、私たちと約束したでしょ?」
それでも噛み付いている頑固エレンに、リヴァイが口を開きます。
「お前は間違ってない。やりたきゃやれ。俺には分かる。こいつは本物の化け物だ。『巨人の力』とは無関係にな。どんなに力で押さえようとも、どんな檻に閉じ込めようとも、こいつの意識を服従させる事は誰にもできない。エレン、お前と俺たちとの判断の相違は経験則に基づくものだ。だがな、そんなもんは当てにしなくていい。選べ。自分を信じるか、俺やこいつら調査兵団組織を信じるかだ。俺には分からない。ずっとそうだ。自分の力を信じても、信頼に足る仲間の選択を信じても、結果は誰にも分からなかった。だから、まあせいぜい悔いが残らない方を自分で選べ」
割と長い長いリヴァイの言葉でしたが、たまに緊迫した状態でこれくらいの長い言葉を聞くと、時間止まってるのかなとかくだらない事を考えがちなのを改めて直そうと思いました。(笑)
これ、リヴァイは選ぶように言っていますが、皆さんはどう感じましたか?エレンの事を理解して、この言葉を並べて選択するように言えば巨人になる事はないと踏んでの事だったのか。
それとも、純粋にエレンに選ぶよう伝えただけなのか…リヴァイもまた頭が切れるので、正直どっちの意図でこの言葉をエレンに伝えたのか私には分かりませんでした。
巨人化エレンの実験
場面は変わり、エレンが巨人化した際の対処法をリヴァイ班に加えてハンジと共に話しているところになります。その中で、リヴァイはエレンを討伐せずとも半殺しにして動きを止める事ができる方法がある言うのですが、それがうなじの肉ごと、つまりエレンごと切り取るという方法でした。
リヴァイは、その方法だとエレンの手足が少しだけ切れてしまうであろう事を伝えるのですが、
「どうせまたトカゲみてえに生えてくんだろ、気持ち悪い」
と相変わらずの毒舌で言うんですね。しかしこの後のエレンの言葉で、リヴァイも私もちょっとそれは違うんじゃないのと感じたシーンがあります。
「待ってください。どうやったら生えてくるとか分からないんです。何か他に方法は…」
これですね。エレン、君のためにたくさんの兵士が文字通り命をかける事になるんだけど、君は手足が少しなくなるだけで命はあるんだよ?と思ってしまったシーンです。
「何の危険も冒さず、何の犠牲も払いたくありませんと?」
このリヴァイの言葉に全て詰まっていたので良しとします。(?)まあ、手足が生えてくるか分からないのに切りますと言われたら動揺する気持ちも分からなくはないですけどね…それでも少なくない兵士の命が犠牲になるであろう事を考えると、このエレンの発言はちょっと…と感じたシーンでした。
そこでハンジが、実験は自分が考えて実行する事を伝え、エレンを井戸の中に入れてそこで巨人になってもらうという方法をとりました。しかしそこで、予想外の出来事が起こります。
エレンが、巨人になれなかったのです。
たくさん噛んだのでしょう、手が血だらけでかわいそうになりましたが、問題はなぜ巨人になれなかったのかです。実験を中止し、リヴァイ班と共に少し休んでいたのですが、その際飲んでいたお茶に添えられていたスプーンをエレンは落としてしまいます。スプーンを取ろうと少し手を伸ばすエレン。すると突然…
エレン、腕だけ巨人化。
何が何だか、その場の全員と私と見ていた皆さんが驚いたと思いますが、リヴァイだけは冷静でした。
「落ち着け」
エレンは自分に言われているものだと思い、必死に弁明しようとして振り返りますが、リヴァイの言葉はエレンに向けられたものではありませんでした。
「落ち着けと言ってるんだ、お前ら」
そう、リヴァイ班が剣を抜いてエレンの方に向けていたんですね。リヴァイは本当にいたって冷静でした。しかしオルオ、ペトラ、エルド、グンタにその冷静さはありませんでした。
「エレン、どういう事だ!なぜ今許可もなくやった?答えろ!」
「俺たちに…いや人類に敵意がない事を証明してくれ!」
「その腕をピクリとでも動かしてみろ!その瞬間てめえの首が飛ぶ!」
「兵長、エレンから離れてください!近過ぎます!」
口々にエレンに対して声を投げかけるリヴァイ班ですが、リヴァイに注意されてもやめません。方々から矢継ぎ早に言葉を投げられパニックになったエレンは大声で黙ってくれと叫びます。
そこに、巨人オタクのハンジがやってきて巨人化したエレンの腕に何の躊躇いもなく近づき、あろうことか触れてしまいます。
「あっ…つーい!!皮膚ないとクソ熱いぜ!これすげえ熱い!!」
「分隊長!生き急ぎ過ぎです!」
モブリットとハンジの組み合わせ、個人的に好きです。(笑)モブリットの苦労が見てとれます。モブリットの一言集みたいなものがあれば欲しい。
「ねえ、エレンは熱くないの?その右手のつなぎ目どうなってんの?すごい見たい!」
ハンジの変人発言でつなぎ目から腕を切り離す事を思い出したエレンは、手を引っこ抜き巨人の一部から抜け出します。音を立てて崩れていく巨人の一部を見てショックを受けるハンジですが、その時巨人の手が小さなスプーンを持っている事に気付くのですね。
リヴァイ班のエレンに対する気持ち
エレンは、リヴァイ班の恐怖、憎悪の表情が自分に向けられていた事実を目の当たりにして、自分が信用されていなかった事にショックを受けているようでしたが、リヴァイは冷静に状況を判断し、現状どうするのが最適かを考えられる人間だから選んだんだと話します。それでも仲間としてエレンに刃を向ける事に何も感じなかったわけではないであろう、とエレンに話しますね。
未知のものに対して、人間は恐怖を感じるものだと思います。普段は人間の格好をして仲間として戦っている者が、突然隣で腕だけ巨人化したところで、ああ、そうだったよねと受け入れられる人間はそう多くはないと思います。リヴァイとハンジのように、場数を踏んできたといいますか、変人といいますか、特殊な人間はいるとも思いますが…(笑)
ハンジは、巨人の手が小さなスプーンを手にしていた事を挙げ、エレンが巨人化するために必要なのは、何かしらの目的なのではないかと伝えます。今までエレンが巨人化した際にはどれも明確な目的がありました。今回はスプーンを取ろうとした事が目的となったようですね。なので自傷行為だけでは巨人化する事はできないのではないかと話します。
そこでリヴァイ班のメンバーは、エレンと同じように自分の手を噛みだします。もちろんエレンは驚いて何をしているのか問います。
「これはきついな。エレン、お前よくこんなの噛みきれるな」
「俺たちが判断を間違えた。そのささやかな代償だ」
「ごめんねエレン。私たちってビクビクしてて…マヌケで失望したでしょ…でも、それでも、私たちはあなたを頼るし、私たちを頼ってほしい」
みんな、先程の出来事でエレンの事を少しでも疑ってしまった自分を悔やんで、恥じているように感じました。エレンがどのように巨人化しているのか、自分たちで体験したのですね。確かに自分の手を噛み切るなんて事、普通の精神力では難しい事だと思います。痛いし…
そこでエピソード冒頭の森の中にまた場面が戻り、エレンはペトラの「私たちを信じて」という言葉を聞き、そしてペトラの手にある噛み傷を見ます。完璧なタイミングで流れる音楽も最高でした。
「エレン!遅い!さっさと決めろ!」
リヴァイの言葉に、エレンは覚悟した表情で
「進みます!!!」
と答えます。ここで分岐点として完全に分かれました。エレンがここで巨人となるのか、前に進むのか。このあと女型の巨人のスピードが上がったので、エレンが巨人になるのを待っていたようにも感じました。とにかく決めたからにはと、前に向かってひたすら駆けていくリヴァイ班。
「仲間を見殺しにしてもみんな、前に進む事を選んだ。リヴァイ兵長は前を見続けている。先輩たちも、兵長を信じて全てを託してる。俺も彼らを信じるんだ。彼らが俺を信じてくれたように」
エレンのこの言葉の後に、突然現れる他の兵士たちの影。驚くリヴァイ班。驚く女型の巨人。驚く私。(多分)驚くみなさん。次の瞬間聞こえる、轟くような我らがエルヴィンの号令。
「撃てー!!!!」
号令と共に数え切れないほどの弾薬が飛び交い、気付くと女型の巨人は立体機動装置のようなもので捕らえられていました。そしてリヴァイ班から抜けたリヴァイがエルヴィンの元に向かう様子からすると、リヴァイはこの作戦を分かっていて班に伝えなかった事になりますね。
ここまで来れたのは、犠牲を顧みず女型の巨人に向かっていった兵士たちがいたからだと話すリヴァイ。
「彼らのおかげで、こいつのうなじの中にいるやつと会える。中で小便漏らしてねえといいんだが」
この言葉と女型の巨人のアップ映像で、エピソード19が終了します。
アルミンの予想通り、エルヴィンはこの巨大樹の森の中で女型の巨人を生捕りにする作戦でしたね。そしてそれを知らされていたのはごくわずかな兵士のみ。
作戦が無事成功してホッとしたのはいいですが、生捕りにした後どうするつもりなのかが気になるところです。中にいる人間を引っ張り出せればいいのですが、うまくいく事を祈るばかりです…
そして、リヴァイの言葉遣いが今後どれほど悪くなるのかも見ものです。(笑)
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子