こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回はなんといってもガビが素晴らしかった。
そして個人的にはマルコの言葉が進撃の巨人そのものを表していると改めて感じた回でした。
フロックはキヨミを銃で脅しているようでしたが、一体何が起こっているのか。
いきましょう。
今回のタイトルは「裏切り者」です。
エピソード10について
冒頭はハンジとマガトが港を偵察しているところから始まります。
ハンジはフロックたちが港を占拠して飛行艇を壊していない理由として、地鳴らし完了後に大陸に行くために自分たちも飛行艇が必要になるだろうことと、そのためにアズマビトの技術が必要なためだろうことをマガトに話します。
作戦を考えようと戻ろうとしたときに雲の描写があったのですが、あれ巨人の蒸気ですよね…?だとしたら割と近いところにいるのでは…?
戦士と兵士の違い
私はずっと不思議に思っていたことがあり、それはマーレとパラディとで「戦士」「兵士」と呼び方が違うことです。この謎がここで解けました。
アニはイェーガー派だろうがアズマビトだろうが、飛行艇を確保するために皆殺しにすると言うのですが、ピークはアズマビトが飛行艇のために必要なことに気付いていました。
気になっていたのですが、ミカサやっぱりアズマビトの紋章を包帯で隠していますよね?ずっと気のせいかと思っていたけど、間違いなさそう。
アズマビトが必要なのは仕方ないにしても、イェーガー派からも死傷者を出したくないというジャンにアニは「死者を出さずに飛行艇とアズマビトを守りつつ整備にかかる時間を稼ぐ方法を教えろ」と言います。
これに対して「俺たちは人を助けるためにここにいる」と叫んだコニーにアニは、
「あんたたちならあの日壁を壊すことを選ばなかっただろうね、私たちと違って」
と呟きこの言葉にハッとするライナー。
「やっぱり俺はお前と同じだ」
ここで初めてライナーはエレンの言葉の意味を知ることになりました。
エレンは、自分がアルミンたちとは違い目的のためなら人を殺せるということに気付いていた。
アルミンたちは違うけど、自分はマーレの戦士がしているそれと同じだ。つまりライナー、君と俺は同じなんだ。
エレンの真意はここにあったのかなと勝手に解釈しました。
それと同時に、ライナーはアルミンたちがエレンや自分たちとは違い「兵士」であるということにも気付いたのでしょう、4人に戦わなくてもいいと伝えます。
そこへハンジがやってきて地鳴らしの現状を話します。
想像以上に進むスピードが早かったのか、あの具合ならマーレ北東の都は壊滅しているだろうと話すハンジ。
ハンジの言葉に反応するようにイェレナの元へ行き拷問するマガト。
イェレナがエレンの行き先を知っているとは思えないのですが、マガトを止めたのは必死に止めようとするハンジでもオニャンコポンでもなく、崖を登ろうとしていたガビでした。
気付き
前回のガビの土下座からの言葉を思い出したのか、マガトはコニー、アルミン、ミカサ、ジャンの名前を呼ぶと昨晩(前回のお話ですね)について謝ります。
「我々は…間違っていた。軽々しくも正義を語ったことをだ。この期に及んでまだ自らを正当化しようと醜くも足掻いた。卑劣なマーレそのものである自分自身を直視することを恐れたからだ。
君たちに責任はない。同じ民族という理由で過去の罪を着せられることは間違っている」
よくぞ言った。そしてマガトはライナーたちにも言います。
「ピーク、アニ、ライナー。お前たちも世界の憎しみを一身に背負ういわれはない。だが、この血に濡れた愚かな歴史を忘れることなく後世に伝える責任はある。
エレン・イェーガーは全てを消し去るつもりだ。それは許せない。愚かな行いから目を逸らし続ける限り地獄は終わらない…」
そう言うとマガトはアルミンたちに頭を下げました。
「だから、頼む…我々の愚かな行いに今だけ目を瞑ってくれ」
このシーンを見て感じたのは、エレンの今の行動が昔のエルディア人のそれと同じだということ。巨人の力で世界をねじ伏せたフリッツ王と同じことをしている。
世界が歴史にこだわりすぎ、パラディ島を攻撃した結果がこれです。
しかしだからこそエレンを止める必要があるとこのとき感じました。エレンの気持ちは痛いほど分かる、でもこの悪循環はどこかで止める必要があって、それが今だと感じました。
歴史を語り継ぐのであれば、正確に。そうでなければ歴史は後世の人間が作った創造物に過ぎなくなってしまう。
「断ります」
アルミンは最初こう言うのですが、この言葉には続きがありました。
「手も汚さず正しくあろうとするなんて」
自分たちも戦いに参加するという意思表示をこの言葉で表したところが個人的にグッときました。
キヨミ・アズマビト
一方その頃、フロックはひたすら色々と語っていました。
既に何人か部下を殺されているキヨミはフロックの「おしゃべり」を黙って聞いていましたが、突然口を開きます。
「大変ご機嫌のところ申し上げにくいのですが…一体何が変わったとお喜びなのでしょうか?これでパラディ島は安泰だとお考えのようでしたら、お気の毒に…ただ世間が狭くなるだけのことです。何も変わらず同様の殺し合いを繰り返すことでしょう」
キヨミ様、銃を向けられていても怯むことなく語るお姿に敬服いたします。そしてキヨミが言うことがこれからパラディ島に起こることでしょうね…残念だけど。
私は、外の人間を皆殺しにしたとしても今度はパラディ島の中で争いが起き殺し合いが続くという意味で捉えました。
フロックは機嫌を損ねてしまったのか突然アホになってしまいます。
「大事なのは身の程をわきまえることでしょう」
正直、え?こいつ何言ってるの?としか思えなかった…
身の程をわきまえるのはキヨミではなく君でしょう…その言葉は今の君にぴったりの言葉じゃないか。(笑)
フロックがキヨミの頭に銃口を突きつけ引き金を引こうとしたとき、外から聞こえたのはアルミンの声。
大博打
堂々とイェーガー派の前に姿を現したアルミンとコニーは、ジャンとオニャンコポンが車力に喰われ鎧と逃げたと話し、追いかけるために飛行艇を使わせるように言います。
さすがのフロックもポカンとしながら「何を言っている」と呟いていましたが、構わず話を進めて飛行艇の方へと走り去るアルミンとコニー。
この見出しに「大博打」とつけたくなったのは、これがアルミンの作戦だとしてエルヴィンにそっくりだと思ったからです。
アルミンはエルヴィンの代わりになれないことを気にしていましたが、こんな土壇場の状況でこんな大博打を打てるのはエルヴィン以外にアルミンしかいないと思います。
アルミンたちが向かった先にいたのは、ダズとサムエル。訓練兵時代からの仲間です。
彼らはアルミンたちを疑いますが、2人の言葉にダズは飛行艇に仕掛けていた爆弾の起爆装置を外します。
アルミンは静かにそのときを待っていました。
フロックがアズマビトの整備士を渡してくれるのを。
しかしさすがのフロックもアルミンの要求がおかしいと気付いていました。
「不安の種は摘んでおくべきか」
そう言うとフロックはおそらく整備士であろうアズマビトに銃を向けるのですが、そのとき鳴り響く3発の銃声。
アルミンとコニーはその銃声を聞いて作戦が失敗に終わったことを悟ります。
しかし実際は誰も撃たれてなどいませんでした。
キヨミが、フロックを組み伏せていたのです。
いや、格好良すぎる。
「タダで死んでなるものか!」
キヨミのこの度胸と勇気に再び敬服していると突入してくるミカサ。
あっという間にその場を制御したかと思いきや、フロックが外へ飛び出しこう叫んだことで「それ」は始まります。
「敵襲!ミカサ、アルミン、コニー!エルディアを裏切った!殺せー!!!!」
自由への戦い
窓から雷槍を撃ち込まれ地下へと逃げるキヨミたちとミカサ。そしてそこへやってきたマガト、ハンジ、ジャン。
マガトが調査兵団の服着てる…アツい…このときの音楽もアツい…
そして何よりこのマガトの言葉。
「生きたければついて来い!」
これ、キースが言った言葉じゃないですか…マガトとキースも同じ環境にいたら最強のバディになっていたかもしれないと1人ワクワクしていました。
事実を知ったダズが起爆装置を戻そうとしたのをアルミンは止めようとします。
しかしそんなアルミンに発砲したのはサムエルはでした。
本当、一瞬心臓止まるかと思ってから「あ、違うアルミンは巨人だ」と理解することができたのと同時に、だからサムエルはコニーを撃たなかったのかなと思うと心臓がギュッとしました。
「裏切ったんだろ?コニー。一緒に土地を増やして肉を食おうって…言ったのによ」
いやー、今回しんどくなりそうだとは思っていたけど、だいぶしんどい。どちらも間違っていないのに争わなければならないことほど悲しいことはないです。
フロックは地下へと逃げたミカサたちが理解できないようでしたが、その理由をすぐに知ることになります。
フロックの両側から飛び出してくる2人。
ライナーとアニです。
2つの眩い光の中から飛び出したのは、
鎧の巨人と女型の巨人。
その光景を見て「なぜこうなるんだ」とこぼすオニャンコポンに対して言ったイェレナの言葉が重い。
「人から暴力を奪うことはできないよ」
敵、仲間、裏切り者
私は正直、ライナーとアニの巨人の姿を見て嬉しかった。喜んでしまった。でもふと我に返ると「敵だったんだよなあ」という感情が蘇ってきました。
「昨日の友は今日の敵」と言いますが、逆もまた然り。
そしてアニの残虐的な殺し方を見て余計に思い出してしまう、死んでいった調査兵団の兵士たち。
昔の敵が味方となり、昔の仲間を殺している。
目的や信じるものが変わっても「仲間だった過去」は消えません。それでも自分たちが信じる道のために戦わなければならない現実。
それでもライナーとアニが味方になってイェーガー派の兵士を殺しているとき「いいぞ」と思ってしまった。人間の矛盾は面白いです本当に。
ダズはアルミンの額に銃口を向け、コニーはサムエルを動けないようにしていました。
「裏切り者、何でだよ!俺たちは仲間じゃないのかよ!!」
サムエルの涙と言葉で嗚咽。ですがコニーの葛藤にさらに嗚咽。
「お前たちは仲間だよ!!でも…俺は…」
まだ完全には動けないアルミンと、葛藤するコニー。それはダズとサムエルも同じでした。
しかしここで思い出されたのは、ベルトルトの言葉。
誰かがやらなくちゃいけないんだよ
ダズを撃ち殺すコニー。
怯えて「やめて」と言いかけたサムエルも撃ち殺すコニー。
アルミンは、動けないまま。
誰かが、自分の手を血で染めないと…
人を助けたいと言っていたコニーが、仲間を撃ち殺すというシーンに嗚咽が止まりませんでした。
「うわああああああ!!!!」
コニーの泣き叫ぶ声でエピソード10が終了します。
重い、きつい、しんどい。
やるか、やられるか。やるしかない。
これを繰り返さないためにもエレンと話す必要がある。話せる状況かも分かりませんが…
ですがライナーとアニの巨人化が格好良かったのは事実です、嘘はつけない。仲間だと思った途端、アニの残虐的な殺し方も「もっといけー!」となる矛盾。面白いですねえ。
結局はコニー含め他のみんなも、エレンの予想通りなんですね。
敵でさえも本当は殺したくない。崇高な目的があったとしてもアルミンたちは決して人を殺すという選択肢を入れなかったでしょう。だからアニも彼らだったら壁を壊さなかったと言っていた。
だからこそコニーが心配でたまりません。敵ではなく仲間を撃ち殺してしまったんですから。
エレンは誰よりもみんなを理解していて、だからこそ自分の作戦を言わなかった理由が分かった気がします。
「アルミンたちにはできない」
「アルミンたちにはさせたくない」
この感覚がエレンにあったような気がしています。
でも、その感覚があるなら、先のことが見えるなら、考えて欲しかった。
彼らがフロックに従わないことくらい、考えたら分かるはずなのに。
敵対すると分かるはずなのに。
エレンの気持ちは理解できる。でもアルミンたちのことを考えるとこの行動は間違っているかもしれない。
そして何も知らないパラディ島の住民内でも、エレンの作戦は分裂を引き起こすでしょうね。
パラディ島内で争いが起きたらそれこそ話になりません。
エレン、君にはどんな未来が見えているんだ。
それを知るためにはまだこの旅を続けることになりそうです。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子