こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、アニも戻ってきて久しぶりに再会した人たちがたくさんいた回でした。
これから人種や国関係なく協力していくことになるのかと思うとワクワクします。
いきましょう。
今回のタイトルは「終末の夜」です。
エピソード9について
皆の望み
ジャンは当初の自分の目標である「内地で快適に暮らす」のために、窓を叩くハンジの声に気付かないフリをしようとしていました。
しかしできなかった。ハンジからあの作戦を持ちかけてきたのですね。
ジャンが外に出ると既にミカサがいて、ハンジに状況を話していたようでした。
ミカサはハンジに協力すると即答しますが、ジャンは違います。
「エレンを止めることはこの島を滅ぼすことになります。完全に島を滅ぼさないといつ世界が滅ぼされるか分からない、と…世界をたきつけることになりますよ」
しかしハンジも譲りません。
「虐殺はダメだ!これを…肯定する理由があってたまるか!」
ハンジは机を叩いてそう言いますが、個人的には「じゃあどうしたら…?」という考えが消えません。
王家が言うように、エルディア人はジワジワと死んでいくしかないのでしょうか。
ハンジは大層なことを言いつつも全てを捨てて逃げようとしていたことを話しますが、その考えを捨てた理由を2人に話します。
「私はまだ調査兵団の団長だ。人類の自由のために心臓を捧げた仲間が見ている気がする。大半は壁の外に人類がいるなんて知らずに死んでいった。
だけど、この島だけに自由をもたらせばそれでいい。そんなケチなことを言う仲間はいないだろう。虐殺を止めることができるのは、今しかない」
ハンジが話している間に後ろでは死んでいった仲間たちが姿を現します。
リヴァイ班、ハンネス、ミケ、モブリット、ナナバ、そしてエルヴィン。他にも多くの兵士たちがいました。
彼らのほとんどは壁の外に世界が広がっているなんて知らなかった。世界中の人類から憎まれているなんて知らなかった。
でも、生きている自分たちはそれを知っていて、エレンはその人類を全て消し去ろうとしている。
いくらパラディ島のためだと言っても、死んでいった兵士たちはそれを望まない。
虐殺を止めることが皆が望んでいることだとハンジは信じている。
そしてジャンの隣には、微笑むマルコ。ジャンはマルコの姿を見て覚悟を決めたようでした。
「ハンジさん、俺はまだ調査兵団です」
2000年の歴史
ハンジは全員にシチューを作っていました。とりあえずは休戦ということにすればいいものを、マガトがふっかけましたね。
そしてそれに乗ってしまったのがジャン。他のみんなはもう口で戦う気力すらないのかもしれません。
「あんたらが送り続けてきた巨人に抵抗してきた俺たちが悪だったのか?俺たちが必死に戦ったのは巨人に食い殺されたくなかったからだ。それが悪魔の所業だって言いてえのかよ!」
マガトはパラディ島が必死で戦った結果、パラディ島脅威論は現実となり世界が滅びつつあると話します。
「そもそも壁破られて目の前で母親が喰い殺されていなきゃな、エレンはこんなことしてねえよ!!地鳴らしまで追い詰めたのはお前らだろうが!」
ここでマガトがいらんことを言い出します。
「今更歴史の話をしようっていうのか?先にマーレを苦しめ蹂躙したのはエルディアだってことくらいは理解してるんだろうな?」
まあその歴史も実際は奴隷にされた始祖ユミルが従うしかなかったという事実が抜け落ちていますが、ここで言っても仕方がないのでやめておきます。
「2000年も前のことでいつまで被害者ヅラしてやがる」
言い方は悪いですがその通りだと私は思います。正直マガト、あなた2000年前の自分の親の親の親の…って人間のこと知っているの?見たことあるの?
「そのような戯言が実在する2000年の歴史に通用すると思っているのか?」
事実が抜け落ちた歴史ですが、まあマーレからしたら関係ないということにして。後ろのライナー、ガビ、ファルコの表情見てごらんよマガト。本当にその歴史のために現代のエルディア人を殺す必要ってあるのかな?
ここでハンジ、素晴らしいことを言ってくれる。
「やめよう。見たわけでもない2000年前のイザコザ話なんて退屈だ」
真理。
この場にいる誰も2000年前のことに関わっていないし、誰も家族を殺されていない。2000年前の歴史にこだわりすぎた結果、不必要な戦いと死体の山が出来上がっただけ。
これに気付いたガビの成長は、やはり尊敬に値すると思ってしまいます。
ですがジャンが落ち着いたと思ったら今度はアニとミカサ。
アニは「エレンを殺すことができるのか」と聞きますが、ミカサたちは話し合いたいと言います。
個人的にアニの言い分に一理あるなと思ったのは、エレンが話し合いに応じなかった場合もしくは話し合った結果決裂してしまった場合です。
そうならないためにも私は虐殺をやめたあとのことを決めておくべきでは?と思いました。
エレンが納得するようなこと。世界はパラディ島の話を聞いてくれるのか。今後一切攻撃してくることはないのか。エレンの目的が虐殺にあり、それが揺るがないのであればいよいよエレンを殺す必要が出てくるかもしれませんが、そもそも今のエレンを殺せるのかも分からない。
何より、虫のいい話だと私は思ってしまいます。2000年前のことで勝手に攻めてきて虐殺をしておいて、いざ同じ立場になったらやめてくれ?それ相応の対応をしてくれないと突き進みたくなる気持ちが分かってしまう。
そして今のエレンにそれ相応の対応というのが効果があるのか私には疑問です。
ハンジたちは港に向かってキヨミが用意していた飛行艇でエレンを追う算段だったようです。準備はできているということなのですね。
エレンの行き先をイェレナが知っているのではないかと踏んでマガトはイェレナを連れて来させたようですが、
「なぜ私がマーレ人のクソ野郎に協力する必要があるのかと聞いている」
と言い簡単には答えません。
イェレナ
コニーは「故郷がこのまま踏み潰されてもいいのかよ?」と言うのですが、このあとマガトがとんでもないことを口にします。
「こいつも同じクソ野郎のマーレ人だからだ」
え?
イェレナ、マーレ人なの?故郷は?エルディア人じゃないの?
混乱する私のためにピークが説明してくれましたが、イェレナは出自を偽りジークに近づき、世界を救ったという人類史に名を残したかったからだと言いました。
いくらマーレに失望したからと言っても、自分の国を捨て人類史に名を残すためだけにここまでのことをしたの?にわかには信じられないのですが…
もしくは、この終わりの見えない戦いに終止符を打ちたかった?
なぜそう思ったかと言うと、イェレナは今までのマーレとパラディ島の行いについて話し始めたからです。
お互いが憎み、殺し合い、終わりが見えないこの状況なのにも関わらずなぜか今は一緒に食事をしている。彼女の説明でいかに同じことを繰り返しているのかがよく分かりました。
しかしイェレナはもう少し踏み込み、ジャンにこう聞きます。
「何でしたっけ?以前教えてもらったあなたの親友の名前は…」
言葉
ジャンは、ここで初めてマルコの死の真相を知ることになります。
ライナーは自分がアニに指示を出して立体機動装置を外させたことなどを説明するのですが、ジャンは「マルコは…最期に何か言ってなかったか?」と聞きます。
「『俺たちはまだ話し合ってない』って」
私は以前、マルコのこの言葉は進撃の巨人においてとても重要かつ大切な言葉だと話しましたが、ここにきてマルコの言葉が全員の身に染みるはずです。
ジャンはそのことに気付き、話し合わなかった結果が殺し合いに繋がってしまったと話します。
「今からでも遅くないよ」
ハンジ…今回いい言葉をずっと言ってくれる。少なくとも食事を共にしている今からは変わることができるかもしれない。
しかしライナーは罰を受けたいようでした。罪悪感がどうしても拭えないのでしょう。マルコが死ぬ様子をずっと話すライナーに、ついにジャンは我慢の限界に達しライナーをボコボコに殴ります。
アルミンとコニーはジャンを止めようとしていましたが、正直私は止める必要はないと思いました。
ライナーにはマルコの親友であるジャンからの怒り、憎しみが必要だった、許さないでほしかった。
ジャンは親友を殺したも同然のライナーに対する怒りや憎しみを我慢できなかった。
2人のためにこの状況は必要だったと思っています。
しかしこれを割って止めたのがガビでした。飛び出してきたので前に出した足を止められず、ガビを蹴ってしまったジャン。思わず動きが止まります。
ガビの言葉に涙が止まりませんでした。
「ごめんなさい…私たちは…パラディ島のあなたたちを皆殺しにすることが希望でした…世界から認めてもらい、許してもらうために、この島が…悪魔が消えてなくなることを願い続けてました…
そしたら、お父さんやお母さんが…レベリオのみんなが消えてなくなることになりましたが…ごめんなさい…すごく、図々しいことは分かってますが…
皆さんの助けが必要です。どうか…私たちに力を貸してください…!」
こんな子供に土下座までさせて、大人は何をしたいのでしょう。
涙を流しながら自分がした行いが返ってきたことを受け入れ、それでも助けてほしいとお願いをするガビを見て、マガトは何を思うのでしょう。
ガビは気付いてしまったのです。
自分たちがしたことは、2000年の歴史とは全く関係のないただの人殺しだったということに。
そしてその事実にもがき、苦しみ、それでも図々しいことは承知の上だと口にしながら助けを求めているのです。
アルトゥルの言う通り、みんなで森を出ないと。
子供たちがこんなに苦しむ必要なんて、どこにもないのだから。
そしてリヴァイの「うるせえな…」で少しだけ気が楽になったにも関わらず、ジャンがまた耳を塞いで自分と葛藤しているところを見て苦しくなりました。
「ジャンは弱い人の気持ちが分かるから」
マルコの言葉が呪いになっていないと良いのですが…
戦闘態勢
翌朝、ガビを起こしにきたのはジャンでした。
「協力してくれるの?」というガビの言葉にジャンは「ああ、もちろんだ」と返していました…ジャン自身も、パラディ島のためとはいえ虐殺があり得ないことだと頭では理解しているのでしょうね。
ライナーのことを起こしたのもジャンでしたね。昔のような話し口調に思わず微笑んでしまいました。
ジャンはガビに蹴ってしまったことを謝り、大丈夫かと聞かれて「大丈夫」と答えるガビ。心なしかガビが嬉しそうに見えた気がしました。
そしてライナーには謝らないと言い、ライナーも「それでいい」と。2人の関係が修復できたわけではありませんが、少なくとも前進はしたのではないかなと思います。
ここでアニが「私は?」と呟いたの、可愛かった。(笑)
先に港の様子を見に行っていたピークの報告によると、港はイェーガー派に占拠されているとのことでした。
そして、フロックがキヨミの後ろで銃を構えてとんでもない表情で立っているところでエピソード9が終了します。
ガビの成長がすごい。
本来ならここまでの成長はガビの年齢では必要ないかもしれないと考えると、子供が笑って過ごせる世界にしてほしいと切に願います…
フロック。やりすぎだぞ。キヨミはパラディ島を助けてくれた人だぞ(私利私欲のためだとしても)
そうやって味方だった人を敵に回していけば、いつか早い段階でしっぺ返しがくると私は思っています。
自分の気に入らない人を殺していたら、気付いたら周りには人が誰もいないなんていう状況になり得るぞ、フロック。
そのときに残るものってなんだろうね。
全体を通していつも思うのは、圧倒的会話不足。それが物語には必要なのでしょうが…(笑)
マルコの言葉は正しくて、それに気付かない限り人間は進歩しないし世界は変わらないと思っています。現代もね。
だからこそ、エレンがみんなに話さずに今の行動をしていることが理解できていないのですよ、私は。
理由は分かった、でもなぜそれをみんなに話さない?止められるから?
話してみないと分からないのに…
世界は平等になんてならないだろうし、いつの世も世界は残酷だと思います。
でもその中でも森から抜け出し、それぞれの幸せのためだけに生きることができるよう「何かを変えよう」としていることだけは美しいと思う。
方法が少し強引で雑なだけ。エレンと話し合うことができたら、「みんなで」どう変えることができるか話せたらいいなと心から思っています。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子