こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、とんでもない回でした…
進撃の力には未来を見る力があり、グリシャはエレンの未来を見て行動していたこと、そしてそれにエレンが介入していたことなどが発覚しました。
グリシャは実際にエレンの姿が見えていたのですね。
ジークはグリシャの願い通りエレンを止めることができるのか。
いきましょう。
今回のタイトルは「二千年前の君から」です。第1話目のタイトル「二千年後の君へ」と繋がった…
エピソード5について
冒頭ではグリシャがレイス家を皆殺しにするところから始まり、ジークが再び座標のある場所に戻されたところから始まります。
ジークはグリシャを戦うように仕向けたのかとエレンに尋ねます。
「グリシャは復権派の務めを躊躇っていた。お前の記憶を見るに、始祖の巨人を奪っても自分がその力を使えないことを知っていたから。しかし始祖を奪いそれをお前に託した。もっと先の未来を見たからだ。先にある何かをお前が見せたことで…」
先の未来がグリシャを突き動かしたということでしょう。エレンは「感謝してるよ、兄さん」と呟くと言葉を続けます。
「あんたが俺を親父の記憶に連れ込んだおかげで今の道がある」
ここでジークはグリシャの言葉を思い出します。
「俺の望みではなくお前の望みが叶うって…言っていたぞ…」
エレンが先の未来を見たのは4年前、勲章をくれたヒストリアの手に触れたときだったようです。確かにあのとき、エレンは恐ろしい表情をしていましたね…先の未来とは何ぞや…
ジークは鎖で繋がれたままのエレンをいいことに、始祖ユミルに「全てのユミルの民から生殖能力を奪え!」と命令し、歩き出す始祖ユミル。
エレンは想定外だったのか焦り出し、なんとか鎖から自分を引き剥がそうとします。
「グリシャは俺にこう言った、エレンを止めてくれと…お前に従ったことを後悔した。父親の記憶からどんな未来の景色を見たか知らないが、お前は全てを見た訳じゃないんだろ?例えば、お前がここで始祖の力が使えないことを知らなかったように。お前は、無力なままだ」
あれ、確かに。全ての未来が見えていないのは本当のようですね。ということは、ジークに裏切ることがバレているという未来は見えなかったのか。
エレンは脱皮のように鎖から抜け出し始祖ユミルの元へと向かいますが「1度動き出した始祖ユミルを止めることはこの世の何者にもできない」とジークは言います。
じゃあどうやって止めるんだ…
始祖ユミル
物語はフリーダとヒストリアから始まります。
「女の子らしくって何?」と聞かれたフリーダは、ヒストリアが好きでよく読んでいた話に登場する少女、ユミルを指し「この子みたいな女の子のことかな」と答えます。
これが始祖ユミルのことだったのです。
「いつも他の人を思いやってる、優しい子だからね。この世界は辛くて厳しいことばかりだから、みんなから愛される人になって…助け合いながら生きていかなきゃいけないんだよ」
フリーダのこの言葉で始祖ユミルの過去のシーンが始まります。
ユミルは小さな村に住んでいたようですが、戦いに巻き込まれユミルを含めた村人たちは奴隷となります。
ある日、豚が逃げたことに対して誰がやったのかと問い、名乗り出なければ全員から片目を奪うと言うフリッツ王。
するとなぜか他の者たちはユミルを指差しました。理由は分かりませんでしたが、調査兵団にいたユミルの話と少し近しいものを感じました。
ユミルは周りを見回し助けを求めますが、おそらく「何も言ってくれるな」という圧を感じたのだろうと思います。やっていないのに自分がやったと意思表示をするユミル。
フリッツ王は「お前は自由だ」と言いますが、ユミルは狩りの的のような扱いで森の中を走って逃げます。
体にはすでに矢が刺さっており、追い討ちで撃たれた矢はユミルの足へ刺さります。ここで初めてユミルの涙を見ました。
転がり落ちていくユミルの先にあったのは、大きな木でした。根元の部分には大きな穴が空いており、追手の気配を感じたユミルはボロボロになりながらもその穴へと入ります。
中へ入ったユミルは足を滑らせ、木の幹に溜まっているであろう水の中へと落ちてしまいます。
息ができず水面も見えない水の中で、ユミルは溺れ死んだように見えました。
そこへ、ぼんやりとした光が水の中をゆっくりとユミルの方へと進んできます。
はっきりと見えた姿は、ムカデのような長い胴体と無数の足を持っているような姿をした何らかの生命体でした。
その生命体がユミルの体に触れた瞬間、大木は吹き飛びその下から巨人となったユミルが出てくるのです。
ユミルを追いかけていたであろう兵士たちがフリッツ王に話したのか、彼はユミルを再び自分の手元へ置いておくことにしたようで、戦いにユミルを駆り出します。
「我が奴隷ユミル、お前はよく働いた。道をひらき、荒地を耕し、峠に橋を架けた。我が部族エルディアは随分と大きくなった」
これは今でも語り継がれている「エルディアの歴史」にあった内容ですね。エルディアから見た、エルディアの歴史。
「褒美だ、我の子種をくれてやる」
いやー…結構です…褒美って…き、気持ち悪い…これが初代フリッツ王…?時代のせいとしましょうか…
「フリッツの名の下、憎きマーレを滅ぼせ」
ユミルは奴隷でした。なのでフリッツ王の言うがままに巨人となってマーレの人間を殺してきたのですね。
現代に語り継がれている「始祖ユミルは悪魔と契約した」というのはあながち間違ってはいないかもしれませんが…強制的に契約させられたと言った方が正しいかもしれません。
そしてフリッツ王との子供が生まれ、巨人として戦うことを繰り返していくと共に、子供は3人、エルディアは大きくなり、見違えるほど豊かな暮らしをするようになります。
何千もの兵士を従え、フリッツ王はまさに全てを手に入れた人間と言えるでしょう。
しかし彼は、ずらっと並ぶ兵士のうちの1人から槍をぶん投げられます。
それを庇ったのはユミルでした。
一瞬、そんなバカなと思ったのですがユミルは巨人だから槍が胸に刺さっただけでは死なないのですね。
私はすっぽり忘れていたのですが、フリッツ王はユミルの心配などしませんでした。
目の前でユミルが血を流して倒れているのを見ながら、こう言います。
「何をしておる、起きよ。お前が槍ごときで死なぬことは分かっておる。我が奴隷ユミルよ」
この言葉を聞いたユミルは、自らその人生を終わらせる選択をしたようでした。
生きていたときは出来なかったせめてもの抵抗を、皮肉なことに死ぬことで表したように感じました。
フリッツ王は死んだユミルの体を切断し、なんと子供たちに食べさせたのです。
「食え、娘たちよ。何としてでもユミルの力を引き継ぐのだ。ユミルの体を全て食い尽くせ」
ここで子供が女の子だということ、そして名前が分かります。
「マリア、ローゼ、シーナ」
壁の名前はユミルの子供の名前でした。
彼は死ぬ間際に娘たちに「血を絶やすな」と残します。
「娘が死ねば、背骨を孫に食わせよ。孫が死ねば、その背骨は子から子へ」
フリッツ王が諸悪の根源ではありませんか、これ…?
何だろう、遥か昔の人間にとっては広大な領土が全てで、王という存在が絶対で、そのために戦うのは当たり前で、子孫を残すのも当たり前だったのだと思います。
ですが、結果ユミルの民は滅びようとしていて。
因果応報とはこういうことを言うのでは…?それに巻き込まれたのが後世にまで続く全エルディア人。初代フリッツ王の尻拭いを後世のエルディア人がしなければならないのは、いささかアホらしいと思ってしまいます。
ユミルは1人、座標のある場所で巨人を造り上げていました。ユミルが造っていた巨人は、壁の中にいた巨人に似ていました。あれだけ大きな巨人を、たった1人で2000年ものあいだ造っていたのですね。
ユミルはずっと、死んでもなお「奴隷」という概念から抜け出せないままでいるのかもしれません。
「我が後生においても、我がエルディアはこの世の大地を巨体で支配し、我が巨人は永久に君臨し続ける。我が世が尽きぬ限り永遠に」
このフリッツ王の言葉に反応したようにユミルに話しかけたのは、エレンでした。
「終わりだ!俺が、この世を終わらせてやる!俺に力を貸せ!お前は奴隷じゃない、神でもない。ただの人だ!誰にも従わなくていい、お前が決めていい!決めるのはお前だ、お前が選べ!永久にここにいるのか…終わらせるのかだ!」
エレンはユミルを後ろから抱きしめ、上記の言葉をユミルに伝えます。エレンはこの言葉を自分に言い聞かせているようにも感じました。
ジークはそれを止めようと走り出しますが、ユミルからしたら王家の血を引く人間は憎しみの対象のはず。それが「奴隷」に縛られて見えなくなっているのかもしれない。
エレンは奴隷が嫌いだと言っていましたが、その理由は「自由がないから」では?と思いました。
「俺をここまで導いたのはお前なのか?待っていたんだろ、ずっと…2000年前から、誰かを」
エレンのこの言葉と、
「俺は王家の血を引く人間だ!!」
というジークの言葉で、ユミルがどちらの話を聞くのか予想ができます。
ユミルは泣きながら歯を食いしばっていました。
それは、最初の頃のエレンや、何も知らなかったときのガビのそれと同じ気がしました。
エレンの言葉が、ユミルを目覚めさせたのかもしれません。
次の瞬間見えたのは、ガビによって吹っ飛んだはずのエレンの頭部と体が、例の謎の生命体によってつながっているシーン。
それは、ユミルがエレンを選び、始祖の力はエレンのものとなったことを意味していました。
辺り一面が光で包まれたかと思うと、壁が崩れ巨人が姿を現します。
壁の上にいたピークやマガト、フロックは壁と共に落ちていき、ミカサとアルミンは飛んでいたため危機一髪逃れることが出来ました。
骨だらけの物体が叫んでいましたが、これエレン…?なんか、気持ち悪いことになってる…
呆然とするミカサの隣で、アルミンは叫びます。
「僕たちが勝った!エレンが始祖を掌握した!真っ先に地鳴らしを発動したなら、それはきっとエレンの意志だ!このままマーレにノコノコ集ってる連合軍を潰すつもりなんだよ!エレンは味方だ!」
しかし、その考えは長くは続かなかった。
巨人たちが歩いていく方向を見たアルミンは「そんな…」と呟きます。
「ウォール・マリアの壁まで崩壊している。マーレの連合軍を潰すだけならこんなに必要ないよ!シガンシナ区外壁だけで十分だ!壁を失ってまで攻撃するなんて…マーレに集結した連合軍を潰すだけなら…それだけなら、こんなに」
アルミンとミカサは突然、座標にいるような描写になり、聞こえてきたのはエレンの声。
「全てのユミルの民に告ぐ。俺の名はエレン・イェーガー。始祖の巨人の力を介し全てのユミルの民へ話しかけている」
全てのエルディア人にエレンの声は聞こえていました。
「パラディ島にある全ての壁の硬質化が解かれ、その中に埋められていた全ての巨人は歩み始めた。俺の目的は、俺が生まれ育ったパラディ島の人々を守ることにある」
エレン…やはりエレンは、エルディア人というよりパラディ島の人間を守りたいと思っていたんだね。
エレンにとってのエルディア人は、パラディ島にいるみんななんだね。
「しかし世界は、パラディ島の人々が死滅することを望み、この島のみならず全てのユミルの民が殺され尽くすまで止まらないだろう。
俺はその望みを拒む。壁の巨人は、この島の外にある全ての地表を踏み鳴らす。そこにある命を…
この世から駆逐するまで」
ここでエピソード5が終了します。
「二千年前の君から」というのは、始祖ユミルが2000年前から待ち続けていたことを表していて「二千年後の君へ」というのは、エレンが2000年の時を経て始祖ユミルを自由にすることを表しているような気がしました。
何だか私は、進撃の巨人という作品が始祖ユミルとエレンの物語のように感じてしまいました…
結局あの謎の生命体が何なのかは分かりませんでしたが、私は命を救う存在なのかもしれないと思いました。
そして何より、始祖ユミルがどれほど奴隷として虐げられてきたか。
奴隷でいることに慣れすぎてしまって今まで気付かなかった「自由に生きる」ということを気付かせてくれたエレン。
そして、この世で1番大切な存在であるパラディ島の人間と、104期のみんな。
エレンは「家族」を守りたいという気持ちだけで動いていたんですね。
そして「自由を奪われたら奪い返す」という信念も、「この世から1匹残らず駆逐する」という信念も何も変わっていなかった。
対象が人間になっただけで「殺す」という選択肢がなくなるのもよく考えてみたらおかしいのかもしれない。
そう考えると、エレンの行動はエレンにとってはブレのない、間違っていない行動なのかもしれません。
「しれない」ばかりで申し訳ないですが、想像するしかできないのがつらい。
このままいけばエレンは世界を地鳴らしで踏み鳴らしてしまいます。
果たして今のエレンに、耳を傾ける力はあるのか。
次回がとても気になります。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子