こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回はようやくエレンの真意が分かり、安楽死計画には賛同していなかったことが分かりました。
そして、始祖ユミルと出会いますがなんとジークが始祖の力を手に入れていると言っていましたね。
今回は何が待ち受けているのか。
いきましょう。
今回のタイトルは「未来の記憶」です。
エピソード4について
冒頭はグリシャの記憶の中から始まります。エレンが大切に育てられているのを見て、ジークは何を思ったのでしょう。
とても単純に考えると、ジークは寂しかったのかなと思います。エレンという弟がいて、弟は父親にも母親にも愛されて育った事実がジークを苦しめていたのかな、と。
グリシャは例のレイス家を皆殺しにした教会を早い段階で突き止めていました。
家に帰り、泣きながら小さいエレンを抱きしめるグリシャ。
「2人目の息子は愛されていたらしい。復権派の使命を中断するくらいに。俺とはまるで大違いだな」
正直このシーンは見ていて辛かったです。この言葉の続きとして「エレンもまたグリシャの都合通りに動き本来の自分ではなくなっている」とジークは言います。
果たしてそうでしょうか。1話目から今までを見てきた者としては、エレンには確固たる意志があるように見えました。
「ごめんな…ジーク…」
家の地下室でうたた寝をしていたグリシャが、寝言でジークの名前を呼び立ち上がったとき、グリシャには確かに今のジークの姿が見えているようでした。
「ジークがあんな髭面おじさんなわけないだろ」
これにはエレンもジークも驚いたようでしたし、ジークは覚えていてくれたことで感情の揺れが見えた気がしました。
しかしさらに気になるのはこのあとです。
ここまではジークが先導してグリシャの記憶を見せていたのですが、ここからエレンが「次の記憶だ」と進ませようとするのです。
そして、エレンはジークを「兄さん」ではなく「ジーク」と呼んでいました。
これはまた頭をフル回転して一語一句聞き漏らすことのないようにしなければいけないですね…
グリシャの記憶
エレンとジークは9歳の頃のエレンを見ていました。
「父親に何も知らされないまま巨人を継承させられ、父親の望み通り戦い続けている」と思っていたジークは、洗脳されていた訳ではなかったと気付きます。
だからこそエレンが始祖の力を何に使うつもりだったのか気になるようでした。
「俺は生まれたときから、俺のままだ」
ここで見えたのは、エレンがミカサを救うために人を殺したときの記憶。ジークは驚いていました。
「俺とあんたが同じだと思ってたようだが、間違っている。他人から自由を奪われるくらいなら、俺はそいつから自由を奪う」
確かにエレンは小さい頃から自由に固執している印象がありました。
得体の知れない巨人のせいで自分の行動が制限されていることにも腹を立てていましたしね。
そう考えるとエレンの「生まれたときから俺のままだ」という言葉は間違っていないのかもしれません。
「親父が俺をそうした訳じゃない。俺は生まれたときからこうだった。あんたが望んだ哀れな弟はどこにもいない。あんたの心の傷を分かち合う都合のいい弟も…
ただここにいるのは、父親の望んだエルディア復権を否定し続けることでしか自分自身を肯定できない男。死んだ父親に囚われたままの哀れな男だ」
ジークは、自分が親を売ったという罪悪感を、グリシャを否定し続けることで掻き消していたのかもしれません。そうでもしないと自分を保てなかったのかもしれない。
次の場面ではグリシャが家の地下室で例の手記を書き留めていました。
そして、机の引き出しに入れて鍵を閉める。例の、鍵。
このとき、グリシャは明らかにエレンが見えているような表情をしていましたね。
そして、ついに「あの日」がきます。
エレンとミカサが枝集めから戻ったあの日を、ジークと共に眺めるエレン。懐かしい家族の時間。そこへミカサの爆弾発言が飛び出しますね。懐かしい。
ここでグリシャは子供のエレンに尋ねていました。「どうして外に出たいのか」と。
「知りたいんだ、外の世界がどうなっているのか。何も知らずに一生壁の中で過ごすなんて嫌だ!それに、ここで誰も続く人がいなかったら、今までに死んだ人たちの命が無駄になる!」
当初はエレンの固い意思だと思っていたこの言葉に、グリシャは自分の経験を重ねていたのではないでしょうか。
自分がここでやめたら、死んでいったエルディアの同胞たちはどうなるのか。ダイナは?無駄だったのか?
グリシャがエレンに地下室を見せてあげようと言ったとき、グリシャは真っ直ぐと成長したエレンを見ていました。まさかもう1人のエレンを見ながら言っていたなんて誰が想像できたでしょう…
グリシャはレイス家の元へ行き壁の外の巨人を殺すよう頼みますが、フリーダが不戦の契りに負けてしまうのが瞳を見て分かりました。
彼女は「世界を守るために我々は罪を受け入れ滅びゆくほかない」と話すのですが、エレンの表情がすごかった。
なぜなら、エレンの表情は怒りに満ちていたから。
グリシャの言葉で「私の家は破壊された壁のすぐそばにあり、そこで妻と息子と娘と暮らしている」というのがあるのですが、ミカサを娘と呼んでいるのが個人的にとてもグッときました。
「この壁に住む人々は誰も先祖の犯した罪など知らない!あなたが壁の民の記憶を奪ったから!ただ訳も分からず巨人に喰われることが贖罪だというのか!」
グリシャが私が考えていたことを王家にぶつけてくれました、スッキリした。
しかしフリーダはこう返してきます。
「いいえ、我々がいくら反省したところで我々エルディア人が奪った人々の命を戻すことはできません。しかし、壁の外の人類の命を奪うことを防ぐことはできる。我々はただ何も知らずに世界の怒りを受け入れれば、死ぬのは我々エルディア人だけで済むのです」
フリーダの言い分に納得していない人、グリシャ、エレン、そして私。
あまりにも身勝手です。王家は記憶を見ているからこんな言葉が出てくるのでしょうが、それにしたって期間が長い、長すぎる。
過去にずっと囚われているからこそ、いつまでもその考えから抜け出すことができないのかもしれません。そしてこれが不戦の契りの怖さか、ある意味これも洗脳か、なんて考えていました。
グリシャ、エレンをチラ見しますがエレンの怒りは限界を超えているようでした…
フリーダは自分から始祖の力を奪ったとしても、グリシャでは使えないと言いたいようでしたが王家が持っていても結局使えないじゃないですか、不戦の契りで。
「9つの巨人にはそれぞれ特性がある。私に宿る『進撃の巨人』にも。かねてより、進撃の巨人の継承者は何者にも従うことがなかった。私にはその理由が分かる。
全ては王の独善に抗うため。このときのために皆がこの記憶に導かれた。進撃の巨人は、未来の継承者の記憶をも覗き見ることができる」
え?????
「未来を知ることが可能なのだ」
それってエレンが見る未来をも見ることができていたってこと?つまり、グリシャは進撃の巨人をエレンが継承している未来が見えたから自分をエレンに喰わせた、と??
クルーガーがミカサたちを知っていたのは、未来の継承者がエレンだと分かっており、まだ生まれてもいないエレンの記憶を見ることができたということ??
ん??輪廻??いや、違うはず…あれ?ということは、エレンも自分のあとの継承者や未来に何が起こるのかが見えているということ?
となると、ジークに裏切ったことがバレることも分かっていた…??だめだ、混乱する。
王家は進撃の巨人の特性について何も知らないようでした。どうなっているのだ…
グリシャは、未来の記憶で見たからこそレイス家を皆殺しにしたのだ。今回のタイトルはこういう意味だったのか。
そう思っていたのですが…
グリシャは殺せなかったんです。
フリーダは混乱していましたが、家族は全員でグリシャを殺せとみんなで叫びます。
グリシャが死を受け入れようとしていたところで、エレンが口を開きます。
「何をしてる?立てよ、父さん」
そう言うとエレンはなんと、グリシャの肩を掴むのです。記憶の中を彷徨っているような状況でも物理的に触れるものなのね!と驚きました。
「忘れたのか?何をしにここに来たのか。犬に喰われた妹に報いるためだろ?復権派の仲間に、ダイナに、クルーガーに報いるために。進み続けるんだ。死んでも、死んだあとも。
これは、父さんが始めた物語だろ」
グリシャのこの皆殺しは、グリシャの意思関係なくエレンがやらせたような形になっていた…最後にクルーガーがグリシャに言った言葉を使っているのも容赦ない感じがします。
今までグリシャがエレンの意思を無視してエレンに自分の信念を引き継がせていたと散々言っていましたが、これじゃ真逆です。
これは、エレンが望んだことでエレンがやらせていた。グリシャの意思関係なく。
つまり、エレンが望んだから今がある。
人間の姿に戻ったグリシャはエレンに語りかけます。
「殺した!小さな子も潰した!この手で…エレン!!レイス家を殺したぞ!父親以外は…これでいいのか?これでよかったのか?!エルディアはこれで本当に救われるのか!
なぜ全てを見せてくれないんだ…壁が壊されることを…壊される日を…カルラの安否を…本当にこれしか、道はなかったのか?」
ここまで見てグリシャに謝りたい。いや、ジークのときのグリシャの父親ぶりは決して褒められたものじゃない。この考えは変わりません。
でも、エレンに関してはグリシャはきつかっただろうなと思います。グリシャはエルディアが自由になれることを望んでいましたが、人を殺そうとは思っていなかったはず。
エレンも自由を望んでいた。でももし自由を脅かす者がいたら、容赦なくその者たちの自由を奪う。躊躇わない。ここがグリシャとエレンの違いだったのかもしれません。
そして、おそらくロッド・レイスのことはわざと逃したようでしたね。
グリシャは今度はジークに語りかけます。
「そこにいるんだろう、ジーク…この先、お前の望みは叶わない。叶うのはエレンの望みだ。エレンの…先の記憶を見た。しかしまさか、あんな恐ろしいことになるとは…」
恐ろしいこととは…この時点でグリシャは今のこの状況よりも先のことが見えていたのですね。
ということは、海にたどり着いたときのエレンは既にこの先の未来が見えていたのかも知れません。
だとすると、エレンが望むものは敵の皆殺し…になりませんか…
グリシャはジークの姿をはっきりと認識したようでした。
「大きくなったなあ…すまない、私はひどい父親だった。お前にずっと辛い思いをさせた。ジーク、お前を愛している…もっと…一緒に遊んでやればよかったのに…」
泣きながらジークを抱きしめるグリシャ。
自然と涙が溢れるジーク。
ジークは、ずっとこの言葉を待っていた気がします。
「ジーク、エレンを止めてくれ…」
グリシャのこの言葉で再び座標へと戻されたジークが、目の前に立っているエレンを見上げているところでエピソード4が終了します。
…色々と話したい点や考えをまとめたい点が多すぎて、何から話していいのやら…
つまりは、ジークが見せていると思っていた記憶は、実はエレンがジークに見せていた記憶だった、と。
エレンはグリシャに洗脳された訳でもなければ、知らない間に巨人にさせられていた訳でもない。
全てはエレンが選択した未来なのだ、という認識でいいのかな…
進撃の力をエレンが継承することは、クルーガーがエレンの記憶を見れている以上おそらく遥か昔から決まっていたんですよね?
なんとなくですが、自由に対して強い気持ちがある人間に進撃の力が継承されている気がします。
そしてグリシャを食べたエレンはグリシャの記憶と未来の記憶を見て、今の行動を起こしている。
つまり、エレンの今の行動は自由を求めた結果だということ、なんだと思います。
エレンの自由なのか、パラディ島の自由なのか、はたまたエルディア人の自由なのかは分かりませんが…
いやあ、こんな壮大な話が待ち受けていたとは思いもしなかった。
これはリヴァイとハンジのことは一旦横に置いておく必要がありますね。
頭を整理してから次のエピソードにいきたいと思います。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子