こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、リヴァイ班のメンバーがライナーこと鎧の巨人のうなじを雷槍で破壊し、とどめをさすところで終わりました。エルヴィンが抱いている夢に対して、エルヴィンがどう思っているのかが分かった回でもありました。
そして今回は、ライナーがどうなったのかが分かる回、そしておそらくベルトルトも出てくる回となるでしょう。心の準備をして語る必要がありそうです。
いきましょう。
今回のタイトルは「光臨」です。
エピソード15について
マルコの死の真相
冒頭は、エレンが巨人化して大きな岩を担ぎ穴を塞いだところから始まります。あの時のライナーとベルトルトの会話を聞くことができました。
ベルトルトはエレンが無防備すぎて、万が一巨人に喰われたら何も分からないままだと言いますが、ライナーは「いざとなったら俺の巨人でなんとかするしかなさそうだ」と堂々と口にします。
気が緩んでしまったのかベルトルトまで「せっかく開けた穴が塞がれてしまう」と言いますね。「この5年間ずっと探してた手がかりをようやく見つけたんだ」とライナーが言うと、2人の背後から声がします。
「おい…2人とも…一体なんの話をしているんだ?」
マルコでした。
ライナーは「今のは冗談だ」と苦し紛れに誤魔化しますが、マルコはそこまでバカではありません。ジャンの適性を見抜いていたくらいですから。
「作戦に集中しろよ!」と言いその場を去るマルコですが、飛んでいる途中ずっと考えていました。
(エレンは、巨人に変身した。人間は巨人になれる。突然現れて突然消える超大型巨人の正体も、おそらく人間ってことになる。つまりどこかに、人の姿をした敵の巨人がいるってことで…それは…)
マルコは、この段階で気付いてしまったのですね。
ライナーとベルトルトが敵だということに。
そしてそのことにライナーも気付いたのでしょう、マルコに襲い掛かります。
マルコの腕を締め上げ、屋根の上に体を押し付けます。
「ライナー、冗談なんだろ?」
このマルコの言葉に、私が見たことのないライナーがこう答えました。
「いいやマルコ、お前は察しがいいからダメなんだよ」
そこには「戦士」のライナーがいました。私が好きなのは「兵士」のライナーです。仲間思いのライナーです。本来のライナーは戦士なのかもしれませんが、正直このシーンは辛すぎてずっと顔を歪めて見ていました。
マルコは「誰か!!」と叫びますが、その口をライナーが塞ぎます。マルコの声を聞いたのか人が駆けつけますが、その人物はマルコの助けにはならない人でした。
アニです。
何も知らないマルコは、アニに必死で助けを求めます。「アニ、助けてくれ!」と。
「どういうこと…?」と返すアニに「ライナーがおかしいんだ!助けてくれ!」と必死に伝えるマルコ。
「俺たちの会話を聞かれた。もう生かしてはおけない」
ライナーのこの言葉にアニは「ふざけるなクソ野郎…」と返します。この言葉の真意はアニにしか分かりませんが、私はアニが仲間を殺すことができないと思ったから、だと思っています。
裏切りながらも敵と接するためには、敵との仲を深める必要があるかもしれませんが、アニはそれをあまりしようとはしていませんでした。にも関わらず「ふざけるなクソ野郎」と呟いたのは、マルコに聞かれるようなところで堂々と会話をしていた2人に向けた言葉でもあると思っています。
バレなければ殺す必要もなかったですし、アニは殺したくないからあの言葉を呟いた。それはアニが単純に人を殺したくないからではなく、仲良くしているわけではなくても「仲間」として認識していたからではないでしょうか…
そこへ巨人がやってきます。今は作戦の真っ最中ですから、当然人がいるところへと巨人はやってきますよね。
あろうことかライナーはアニを共犯にさせます。マルコの立体機動装置を外せと言うのです。「なんで、私が…」と言うアニに、ライナーは言葉を続けます。
「お前、さっきコニーを命はって助けてたよな。なぜあそこでそんな危険を冒した?この悪の民族に情が移っちまったからか?違うってんなら今ここで証明して見せろよ!」
もうやめてー。口閉じてライナー。このライナーは嫌いだー。
コニーの命を助けたというのは、補給塔に巨人が群がってしまった時に、アルミンの策で7体の巨人を倒した時のことを言っています。真ん中からリフトに乗った兵士たちが巨人の目を潰し、その隙に7人の兵士が巨人のうなじを斬るあの作戦です。
まだ若かったとはいえ、実際に「悪の民族」に潜入して薄々感じていたことが自然と体にも出てしまっていたのだと思います。聞いていた話と違うぞ?どこが悪の民族なんだ?と。
ですが彼らには彼らの言い分があり、思想があり、目的があるのでしょう。ライナーはアニに家族のことをちらつかせてマルコの立体機動装置を外させます。
「やめろ!アニ、やめてくれよ!!なんで?なんで?なんで?なんでだよアニ!!」
アニの表情は、見るに堪えないものでした。ライナーはマルコを羽交締めにしていたのでマルコの表情は見えなかったのでしょう。
「それでこそ戦士だ、アニ。よくやった」
よくないよ、何言ってんのよ。3人は立体機動装置で悠々と飛び去り、マルコは巨人が迫る屋根の上に置き去りにされたのです。
「待ってくれ…なんだよ、なんでそんなに急ぐんだよ…まだ、ちゃんと…話し合ってないじゃないか!!!」
このマルコの言葉は、進撃の巨人においてとても大切な、重要な言葉なので大きくさせていただきます。
この言葉のあと、マルコは巨人に喰われて命を落とします。
これがマルコの死の真相だったのです。
マルコは、ライナー、ベルトルト、アニによって間接的に殺されて死んでしまいました。
「まだちゃんと話し合ってないじゃないか」という言葉を残して。
苦しい。ジャンの気持ちを思うと余計に苦しいです。
しかし苦しいのは私だけではなかったようです。
「おい、なんで…マルコが、喰われてる…」
ライナーは、自分がたった今した仕打ちをすっぽり忘れて、マルコの死に涙していたのです。
彼の精神も限界に達していたのでしょう、アニと同じように。
そしてベルトルトも、自分たちのしていることで葛藤していたように感じる言葉がありました。
調査兵団がウォール・マリアに到着する少し前、アルミンが野営をしていた跡を発見した場所で、ライナー、ベルトルト、そして獣の巨人の中身の人間が話していた時でした。彼の名前はどうやら「ジーク」というようです。
獣の巨人は「座標を奪還し、この呪われた歴史に終止符を打つ。もう、終わらせよう。終わりにしたいんだよ、俺たちで」と話します。
余計に混乱してきました…壁の中で暮らしていた人類は、何か悪いことをして閉じ込められており、その記憶をレイス王によって消されていたのでしょうか?壁の外、つまりライナーたちの方の人類が傷付けられたためにそのような措置をした?
だとするとライナーたちがやっていることの説明にはなりますが、正当性があるようにも思いません。まあ、正当性がなくても殺し合いをするのが戦争なのかもしれませんが…
「こんな地獄は、もう僕たちだけで十分だ。もう…終わらせましょう」
このベルトルトの言葉の時に、アニやマルコを思い出している様子だったので、ベルトルトも彼なりに思うところがあるのかな?と感じました。
そして四足歩行の巨人は、やはり人間の言葉を話せました…ちょっと気持ち悪い…ですが、この巨人が調査兵団のことを知らせたのは間違いなさそうです。
こうして、現在繰り広げられている戦いへと繋がっていたのですね。
交渉決裂
前回の最後でライナーはうなじごと吹き飛ばされましたが、一見ライナーは死んでいるように見えました。兵士たちは喜び早くも次の作戦へと移行しようとしていましたが、ここで鎧の巨人の咆哮が聞こえるのです。
それが合図だったのか、四足歩行の巨人の荷物の中に紛れていたベルトルトを、獣の巨人が壁の中へとぶん投げます。ベルトルトは空中で巨人化する予定だったようですが、ライナーが剥き出しで動かないのを見て人間の姿のまま、入っていた樽から抜け出します。
ベルトルトはライナーに駆け寄り心臓に手を当てると、驚くことにライナーは生きていました。全身の神経網に意識を移すことに成功したとのことですが、おそらくリヴァイに首を貫かれた時と同じようなことをしたのでしょう。
ベルトルトはライナーに、体を動かしてうなじを地面で隠すよう指示したようでした。
調査兵団に向かおうとするベルトルトでしたが、それを止めたのはアルミンでした。
「ベルトルト、話をしよう!」
しかしベルトルトの決意は固かった。
「話をしたら、全員死んでくれるか?!僕たちの要求はわずか2つ!エレンの引き渡しと壁中人類の死滅!これが嘘偽りのない現実だ、アルミン!」
2人とも離れたところにいるので、お互いが叫び合って話をしようと試みますが…移動したベルトルトを追うアルミンは、叫ばなくても聞こえる距離にまで近づきました。
「君たちは大切な仲間だしちゃんと殺そうと思ってる」
「それは、僕たちが悪魔の末裔だから…?」
「いいや、君たちは誰も悪くないし、悪魔なんかじゃないよ。でも、全員死ななきゃいけない。もう、だめなんだ」
このシーンを見て、話し合いがどれほど重要かが分かるかと思います。
ベルトルトは、アルミンたちのことを分かっていました。誰も悪くないし悪魔でもないと。でも、アルミンたちは死ななければならないと言います。
なぜでしょう?
この「なぜ」が足りないのです。死ななければならない理由を、アルミンたちに話さなければなりません。アルミンたち壁の中の人類は、まだそこまでされる理由を知らないのですから。
その時ベルトルトの背後から突然兵士が出てきました。
ミカサです。
アルミンが話している間に背後へと移動していたのですね。しかしミカサの力を持ってしても、今のベルトルトを倒すことはできませんでした。
ベルトルトはその場から逃げ、ライナーは巨人の体を仰向けにしてうなじと、自分の人間の姿を守ろうとしています。
ハンジはモブリットと一緒にとどめをさすためにライナーの元へと向かっていましたが、2人の頭上でベルトルトが飛び上がっていきます。
「一旦離れろ!」と叫ぶハンジと「ハンジさん!」と叫ぶモブリット。
突然の閃光。
巨大な光が周辺を包み込み、多くの建物や兵士たちを巻き込み、ベルトルト巨人化。
交渉決裂です。
把握できる限り、生き残ったとされるのはリヴァイ班の6人のみ(エレンも含めて)。ハンジ班の行方が分からない以上、この瞬間の指揮はアルミンへと託されました。アルミンはエルヴィンの元へ行き指示を仰ぐと言いますが、ジャンがそれを止めます。エルヴィンの元へ超大型巨人を連れていくのは危険だと。
焦るコニーとサシャに指示を仰がれ、アルミンは言葉に詰まってしまいました。超大型巨人は、周辺の建物を拾ってはぶん投げを繰り返し、火災を広げていたのです。このままではリヴァイ班のところにまで火が回ってしまうので、アルミンの判断力にかかっています。
その頃エルヴィンは、壁の上から現状を見つめていました。
「さあどうする、獣の巨人。全ては作戦通りか?」
エルヴィンの言葉と、獣の巨人の耳をかくシーンでエピソード15が終了します。
…つらい。(笑)
マルコの死の真相もつらいし、ライナーたちとアルミンたちの対立も見ていてつらい。
どうにかならないものかと、外野は思ってしまいました…
今の進撃の巨人を見ていると、世界で起きている戦いは全てこうして決裂した結果なのかと苦しくなりますね。
マルコは死ぬべき人間ではなかったし、ライナーたちはあんなことをするべきではなかった。でも、あの時のあの行動はライナーたちからしたら最善の行動だったのでしょうね。
そして、今起こっているこの戦いも、ライナーたちにとっては最善で、調査兵団含め壁の中の人類にとっては訳も分からず殺されていく理不尽な戦いに感じるでしょう。
「言葉」さえきちんと紡いでいれば、起こらなかったかもしれないことが、起きている気がしてならない。
どんどん気が重くなっていきますが、次回も心の準備をして進めていきましょう。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子