こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、とんでもない回でした…ベルトルトの巨人化によりハンジ班の行方は分からず、リヴァイ班だけが現場に残され、アルミンは指揮役を任されるのですが固まってしまっていたり、エルヴィンはこの状況でも獣の巨人の出方を余裕ありげに見ていたりと、心が落ち着かない回でした。…進撃の巨人で心が落ち着いた回はないかもしれませんが。
今回で獣の巨人もしくは調査兵団が動くことになると思います。
いきましょう。
今回のタイトルは「完全試合(パーフェクトゲーム)」です。こわ…
エピソード16について
こんなに切羽詰まった状況なのに、最初はジョークです。私のせいじゃありません、コニーのせいです。冒頭は前回の続きから始まるのですが、ベルトルトが家や建物を掴んでは投げてを繰り返し火の海にしようとしているのを見て、コニーが不安そうに言うんです。
「お、おい…家が…降ってくるぞ…もしかしたらあの中に、エレンの…」
「エレンの…家がー!(イェーガー)」
ね、コニーのせいでしょ(?)
とまあ、冗談は置いておき、ここはみなさんにもシェアしないといけないと思い書かせていただきました。すみません、戻ります。
アルミンはベルトルトに言われた「僕には分かる。そうやって震えているうちは何もできやしないって」という言葉を思い出し、ジャンに「代わってくれないか?」と持ちかけるのです。
「僕には分からない…どうすればいい?さっきだってベルトルトの読みを外してこのざまだ。ジャン、君の方が向いてる」
ジャンは驚いた様子でしたが、すぐに指示を出しました。
「川だ!川に移動するぞ!全員エレンに乗れ!ガスを節約しろ!」
ジャンの言葉で全員がエレンに飛び乗り、ジャンはアルミンに声をかけます。
「アルミン。俺は状況は読めるが、この場を打開できるような策は何も浮かばねえ。最終的には、お前に頼るからな」
ジャンが自分のことを把握できていることが嬉しかったのと同時に、先にアルミンにこう言うことで、アルミンに準備する時間を設けているようにも感じてまたジャンが好きになりました。アルミンはもちろん怯えた表情をするのですが、アルミンのことです。きっと策を考えてくれるでしょう。
完全試合-パーフェクトゲーム-
リヴァイたちは、小さな巨人たちをやっと片づけ、残るは前方にいる巨人たちだけとなりました。
「お前は休んでろ。とりあえず小せえのを全部片付ける」
分隊長であるディルクは、そう言うと自分の班を引き連れて前方へと向かいました。
リヴァイは「さっきの爆発…あいつらはどうなってる?ハンジたちはうまくかわしたのか?とにかく俺も早くそっちに…」と考えますが、リヴァイの目の前をあるものが横切ります。
岩です。
あっという間に前方の家々や兵士たちが粉々になりました。獣の巨人は、岩を砕いて細かくしたものを調査兵団めがけて投げてきたのです。
今回のタイトルをしっかりと回収し、また砕けた岩をぶん投げます。
「前方より砲撃!総員、物陰に伏せろ!!」
エルヴィンは一瞬悔しそうな表情をして兵士たちに伝えますが、壁の近くで馬を守っている兵士たちは何が起こっているのか把握ができておらず、すぐに行動できていません。
「くそっ…お前らー!!」
リヴァイは叫び、自ら前方へと向かいますが岩が飛んできたので後方まで戻り、馬を守っている兵士たちに壁の後方まで行くよう指示します。
エルヴィンとリヴァイは合流し、リヴァイが「状況は」と聞くと「最悪だ」と答えるエルヴィン。エルヴィンもこの事態は全くの予想外だったと言えるでしょう。
「やつの投石で前方の家はあらかた消し飛んだ。あの投石が続けば、ここもすぐ更地になり、我々が身を隠す場所はなくなる」
リヴァイは「壁の向こう側には逃げられそうにないのか?」と聞きますが、エルヴィンは壁の中がどのような状態かをリヴァイに説明します。
「超大型巨人がこちらに迫ってきている。炎をそこら中に撒き散らしながらな。仮に兵士が壁を越えて投石を逃れても、馬は置いていくしかない。ここを退いても、その先に勝利はないだろう」
やはり調査兵団の命は馬にかかっていると言っても過言ではないほど大事な存在ですよね。馬がないのは、足がないのと同じ。この場から帰還するためには、馬はどうしても必要です。
「ハンジたちはどうなってる?エレンは無事か?」
エルヴィンからは、リヴァイが期待していた返答はもらえませんでした。
「分からない。だが大半は、あの爆風に巻き込まれたようだ。我々は甚大な被害を受けている」
そしてエルヴィンは、獣の巨人の作戦にも勘付いているようでした。
「獣は兵士が前方の一箇所に集まるように、小型の巨人を操作していたのだろう。そこで、小型の巨人を相手にしていたディルク、マレーネ、クラース班は、先ほどの投石で全滅したようだ」
ディルク…2回目の投石で全滅していたのですね。調査兵団の要といっても過言ではない3つの班が、全て殺されてしまいました。
「つまり、内門側の残存兵力は、新米調査兵士の君たちと、リヴァイ兵士長、そして、私だ」
さすがのリヴァイもこれには「何か策はあるか?」と聞いていましたね…巨人の討伐もままならない新米兵士たちでは、無駄に死んでしまうだけの可能性もあります。エルヴィンは何か考えている様子でしたが、場面はここでエレンたちへと移ります。
エレン、ピンチ
ジャンがエレンに「叫べエレン!もうこれ以上ベルトルトを壁に近づけるな!」と叫ぶと、とてつもない咆哮が響き渡り、ベルトルトは後ろをゆっくりと振り向きますが、無視して前に向き直り壁に向かって再び歩み始めてしまいます。
ジャンはイラつき、コニーは「どうやってあいつを倒せばいいんだ?」といい、サシャは「蒸気の熱風で立体機動は無力化される…ですよね?」と叫びます。
「分かってるっての!だから今は、なんでも試すしかねえ。やつの弱点を炙り出してやれ!」
ここでミカサは「私がやる。みんなで注意を引いて」と言ってコニーに雷槍の準備をさせ、ジャンはアルミンに対して「少し離れたところでやつを観察しろ」とベルトルトの様子を見ておくよう言います。
「もうベソかくんじゃねえぞ。必ず手がかりがあると信じろ」
エレンはベルトルトの真正面から走って行き、リヴァイ班は方々へと散らばりそれぞれの役目を果たそうとします。
「見下ろしてんじゃねえよ…てめえはただ、でけえだけだろうが!」
エレンは怒りに任せてベルトルトの片足にしがみついて動きを止めようとしますが、みんなが見守る中でベルトルトはエレンを軽々と足の力で持ち上げると、足を思い切り振り上げました。
エレンが「あれ?」と言った瞬間、エレンがいたのは壁の上部。エレンは街の中心部にいたはずなのに、ベルトルトがボールを蹴るようにエレンを蹴ったことによって、
エレンは吹き飛ばされ壁に激突したのです。
その様子はリヴァイとエルヴィンにも見えており「おい、あれはエレンか?壁の上まで吹っ飛ばされたってわけか、やつに」とリヴァイがいう隣で、エルヴィンはショックを受けたような表情をしていたのが気になりました。
そしてジャンはたった今起こったことを冷静に分析し、「このまま大人しく皆殺しにされてたまるか!攻撃を仕掛けるぞ!」とリヴァイ班に叫び、リヴァイ班もジャンの言葉に続きます。
ジャンは、ベルトルトはまだ雷槍の存在を知らないため、ジャン、コニー、サシャで気を引いているうちにミカサに雷槍を撃ち込むよう言いました。
「おい、うすのろ!その目ん玉ぶっ潰してやる!」
「このバーカ!」
「変態大魔王!」
ジャン、コニー、サシャがそれぞれベルトルトに対して一言叫びベルトルトの気を引く作戦でしたが、ミカサがベルトルトの背後に回り雷槍を打ち込んだ瞬間、ベルトルトは蒸気を噴射して雷槍はミカサの後ろまで飛ばされその場で爆発してしまいました。
さらに蒸気を噴射したせいで、ベルトルトの体に刺さっていた立体機動装置は外れジャン、コニー、サシャそしてミカサは吹き飛ばされます。
この様子を見ていたアルミンは、雷槍さえも熱風に負けて跳ね返されることを再確認していましたが、コニーは喉が焼けたと言い、ミカサは雷槍の破片を受けて血が出ていました。
心配するアルミンに対して、ミカサは反撃の糸口は見つかったのかを聞きます。ジャンとミカサに見つめられたアルミンですが、アルミンは「何も…」と搾り出して言うしかありませんでした。
その時、どこからともなく響くドスン、という音。
ライナーが起き上がり、こちらに向かって歩いてきていました。
もう、なんだこれ…負け戦なのか…?瀕死だったライナーはどのように起き上がり歩き出しているのか。この2人に戦いに参加されたら、調査兵団はもう勝ち目はありません。アルミンたちは、立ち尽くすしかありませんでした。
エルヴィンの決意
リヴァイは「反撃の手数が何も残されてねえって言うんなら、敗走の準備をするぞ」とエルヴィンに伝えます。正直、このままでは調査兵団が全滅するのは時間の問題な気がします。リヴァイは、エレンを起こしてエルヴィンと数人の兵士を乗せて逃げろとエルヴィンに伝えます。
そして新兵のフロックは完全に戦意を喪失しており、キースが感じていたことと同じようなことを口にします。
「誰かが危険を冒してでも行動しなきゃいけない…誰かを犠牲者にさせないために、自分を犠牲にできるやつが必要なんだってな…そんな勇敢な兵士は誰だ?そう聞かれた時、それは俺だって…思っちまったんだ…なんで自分だけは違うって…思っちまったんだろう…」
フロックは自分なら戦える、勝てると思っていたものの現実はそう上手くいかないことに打ちのめされているようでしたね…
リヴァイは、新兵とハンジたちの生き残りが馬で一斉に散らばり帰路を目指すという作戦をエルヴィンに持ちかけます。それをおとりに、エルヴィンを乗せたエレンが駆け抜ける、と。
「リヴァイ、お前はどうするつもりだ?」
エルヴィンのこの言葉に、リヴァイは獣の巨人を口にしました。
「俺は獣の相手だ。やつを引きつけて…」
リヴァイの言葉を遮り、無理だと言い切るエルヴィン。ここで私は驚く言葉をリヴァイから聞くことになりました。無理だと言われたエルヴィンに、リヴァイは「だろうな」と返すのです。リヴァイは、ここで死ぬ可能性を考えてもなお、エルヴィンとエレンが生きて帰ることに意味があると考えているようでした。
「大敗北だ。正直言って、俺はもう誰も生きて帰れないとすら思っている」
正直、私も薄々そう感じていました。しかし私は、さらに驚く言葉をエルヴィンからも聞くことになります。
「ああ、反撃の手立てが何もなければな」
「…あるのか?」
…あるの???
リヴァイと同じ反応ですよ、この状況で反撃の手立てがあるなんて、とてもじゃないけど思えません。しかしエルヴィンはあると言います。
「この作戦がうまくいけば、お前は獣を仕留めることができるかもしれない。ここにいる新兵と、私の命を捧げればな」
え?え??え???
いやここに来てそんなフラグなんていらない…そんなこと言わないでほしい…エルヴィンは、新兵と一緒に死ぬ気でいるということでしょうか…
「お前の言う通りだ。どのみち、我々はほとんど死ぬだろう。いや、全滅する可能性の方がずっと高い。それならば、玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法もやむなしなのだが…そのためには、あの若者たちに死んでくれと、一流の詐欺師のように体のいい方便を並べなくてはならない。私が先頭を走らなければ、誰も続く者はいないだろう。そして私は真っ先に死ぬ。地下室に何があるのか、知ることもなくな」
エルヴィンは、新兵と共に自分の命を捧げて戦わない限り、この状況を打破する方法はないと考えているようでした。しかしエルヴィンの心にあるのは、いつでも地下室でした。できることなら、地下室にたどり着いて世界の真相を知りたいことでしょう。自分の夢を優先したいと思っていることでしょう。いつだって、エルヴィンは父親の仮説の答え合わせをしたいと考えていました。
「手を伸ばせば届くところに答えがある。すぐそこにあるんだ…」
これほどまでに感情的になっているエルヴィンを、私は初めて見ました。エルヴィンは「だがリヴァイ」と言葉を続けます。
「見えるか?俺たちの仲間が。仲間たちは俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ。まだ戦いは終わってないからな。全ては俺の頭の中の、子供じみた妄想に過ぎないのか?」
今まで戦って死んでいった仲間たちが、エルヴィンとリヴァイを取り囲むような演出がありました。リヴァイは、エルヴィンの問いに答えます。
「お前はよく戦った。おかげで俺たちはここまで辿り着くことができた。俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵たちを地獄に導け。獣の巨人は、俺が仕留める」
リヴァイは、どんな気持ちでこの言葉を伝えたのでしょう。そして、リヴァイは獣の巨人を仕留めると決心したので、エルヴィンにも心を決めてくれと言っているようにも感じました。
そして次の瞬間映し出されたのは、獣の巨人に向かって馬に乗り向かっていく、エルヴィンと調査兵団の姿。
「これより最終作戦を告げる。総員整列!総員による騎馬突撃を、目標、獣の巨人に仕掛ける。当然、目標にとっては格好の的だ。我々は目標の投石のタイミングを見て一斉に信煙弾を放ち、投石の命中率を少しでも下げる。我々がおとりになる間に、リヴァイ兵士長が獣の巨人を討ち取る。以上が作戦だ」
特攻ですね。リヴァイには、立体機動で獣に接近するよう伝えていたようでした。
「獣の周りは更地だぞ。利用できるような木も家もねえ」
リヴァイのこの言葉にエルヴィンはこう返します。
「いいや、ちょうどいい高さの立体物が、並んで突っ立ってるだろ。巨人を伝って忍び寄り…獣の巨人を奇襲しろ」
これが、エルヴィンがリヴァイにした最後の指示になるのでしょうか…
特攻をする前、フロックが恐怖からエルヴィンにいくつか質問をしました。
「俺たちは今から、死ぬんですか…?」
「そうだ」
「どうせ死ぬなら、最後に戦って、死ねということですか…?」
「そうだ」
「いや…どうせ死ぬなら、どうやって死のうと、命令に背いて死のうと、意味なんかないですよね…?」
「全くその通りだ」
驚くフロックをよそに、エルヴィンは言葉を続けます。
「全くもって無意味だ。どんなに夢や希望を持っていても、幸福な人生を送ることができたとしても、岩で体を砕かれても同じだ。人はいずれ死ぬ。ならば人生には意味がないのか?そもそも生まれてきたことに意味はなかったのか?死んだ仲間もそうなのか?あの兵士たちも、無意味だったのか?
いや違う!あの兵士たちに意味を与えるのは我々だ!あの勇敢な死者を、哀れな死者を、思うことができるのは生者である我々だ!我々はここで死に、次の生者に意味を託す!それこそ唯一、この残酷な世界にあらがう術なのだ!」
そして場面は、特攻した瞬間へ。
「兵士よ怒れ!」
「兵士よ叫べ!」
「兵士よ戦え!」
エルヴィンの叫びと共に、走り続ける新兵たち。
そして、次々に当たる岩。
その岩がエルヴィンにも当たったところで、エピソード16が終了します。
…言いたいことがたくさんあります。
まず何よりも語りたいのは、我らが団長エルヴィンのこと。そして、兵士長のリヴァイ。そして、新兵です。
エルヴィンが新兵にした最後の話は、エルヴィンが自身に言い聞かせているような気もしました。
エルヴィンは言うならば、夢破れた人間だと思っています。目の前に夢が叶う扉があるのに、開けることができないまま死ぬ決意をした訳ですから…そして、それでも人類の未来を思っていた。エルヴィンは夢のために戦ってきたと思っているかもしれませんが、私が客観的に見た限りそうは思えませんでした。夢に生きる人であれば、特攻なんてことを実行できるとは思えないからです。
人類の未来を救うには、獣の巨人を倒さなければならない。そしてそれは、リヴァイにしかできないと考えているエルヴィン。リヴァイは、そんなエルヴィンの「思い」を汲んで獣の巨人を倒す決意をしました。
新兵は、死にたくないでしょう。吐く者もいれば、震えて泣く者もいます。エルヴィンの言葉で、特攻せざるを得なかったのでしょう。そしてあのままとどまっていても、確かに同じく岩で砕かれて死ぬだけだったでしょう。
彼らに残された選択肢は、もうとっくになかったように思います。
敵の方が上手だったのです。
アルミンの言う通り、いつだってこちら側は情報不足で、戦う時もいつも不利。
そんな状況であの決断をしたエルヴィンに、心から尊敬の拍手を送りたいと思います。
私は浅はかなので、まだ心のどこかでエルヴィンだけは生きていると思ってしまっていますが、結果は次の回で分かるでしょう。
少し長くなってしまいましたが、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子