こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、ロッド・レイスとの戦いも終わり、ヒストリアは正式に女王となりリヴァイを殴ることにも成功し、あとはウォール・マリアを奪還するだけだ、というところで獣の巨人とライナー、ベルトルトが登場したところで終わりました。
これから進撃の巨人の世界はどうなってしまうのか、一難去ってまた一難です。
いきましょう。
今回のタイトルは「傍観者」です。
エピソード11について
冒頭は、前回から2ヶ月経ったところから始まります。ヒストリアは自分が育った牧場で孤児院の院長をしているみたいですね。地下街の孤児を中心に貧困で困っている人々も助けているようで、これには地下街出身のリヴァイの助けもあったようです。
ヒストリアは、エレンとの会話の中で「ライナーとベルトルトに対してどうしたいのか」を聞きますが、エレンは「殺さなきゃならない」と呟きます。
ヒストリアは「私たちのしたことを後悔するわけにはいかない」と言い、地下街から抜け出して原っぱを走り回っている子供たちを見て「これが間違っているはずなんてないよ」と言います。
ヒストリアは本当に優しい心を持った女性なんだなと感じる一面でした。そして彼女がやりたかったことを出来ていることがとても嬉しいです。
エレンとヒストリアが楽しそうに話しているところへミカサがやってきて、エレンの持っている荷物を自分で担ぎ「硬質化の実験で疲れているんだから」と棘のある言い方で言いますね。(笑)
もう、この時間がずっと続いてほしいと心から思いますが、そんなわけにはいかないですよね…
硬質化の実験
エレンは硬質化の実験を繰り返していたのですが、その過程でとある対巨人兵器が誕生していました。
壁の外側、つまり巨人たちの生息側の壁に硬質化で網目状の壁のようなものを作り、その中に調査兵団の兵士が入ります。
もちろん巨人は人間を喰おうと近寄ってきて、頭を入れようとしますね。そこへ壁の上にいる兵士が紐を切る様子が映し出され、次の瞬間巨人のうなじに丸太のようなものが落ちていきました。
巨大な丸太に鎖を繋いで回収できるようにしておきながら、さらに紐を1本つけておき、その紐を切ることで丸太が巨人のうなじめがけて落ちていくという仕掛けのようです。
丸太は巨人のうなじを叩き潰し、人間が戦わずとも巨人を倒していくことが可能となりました。私は、人類はこのようにして進歩を重ねてきたのかと歴史を目の当たりにした気分でした。(笑)
「日中フル稼働で巨人伐採しまくりの地獄の処刑人の誕生だ!」
ハンジは大興奮で叫びますが、エレンは実験のしすぎか鼻血が出てしまいます。エレンに謝るハンジに対して「俺が疲れたくらい何だっていうんですか」と返すエレン。
エレンの中ではヒストリアがやりたいことを成し遂げているので、焦りがあるのかもしれませんが「早く武器を揃えて行きましょう、シガンシナ区に」と伝えます。
マルロの入団
憲兵団にいたマルロは、なんと調査兵団に変更して調査兵団兵士となっていました。
「ヒッチに止められたりしなかったんですか?」と聞くサシャにマルロは「なぜだ?」と返しますが、この時のサシャとコニーの顔がニヤついていました。(笑)
「なぜって2人は…じゃないですか」
モゴモゴしながら楽しそうに話しているサシャを見るだけで、幸せな気分になります。
しかしマルロはエレンと同じ匂いがしますね…
「ヒッチには『向いてない』だとか『粋がるな』だとか散々なじられたよ。挙句に『このまま憲兵にいればうまい汁が吸える』とか…少しは見直してたんだがな。見損なったって言ってやったよ」
マルロがこう言うと、
ジャン「クソが」
アルミン「マルロはバカなの?」
サシャ「こいつはおかっぱ野郎ですね」
と口々に、マルロがヒッチの意図を読めずに冷たい言葉を吐いたことに対して言葉を発しますが、エレンは違いました。
「何だよ、マルロは間違ってないだろ」
そういうところよ、エレン。ミカサのあなたに対する気持ちもヒッチと同じような気がしているのは私だけではないはずだよ、エレン。
ヒッチの言葉もマルロやエレンには分かりづらいかもしれませんけどね…(笑)
緩んだ空気を引き締めたのはジャンでした。
「とにかく、はしゃいでんのはお前と同じ実践経験ゼロの編入の連中だけなんだよ」
まさにそうで、まだ巨人と実際に戦ったことがなく、ウォール・マリア奪還という空気感でやる気になっている編入の兵士たちが、気合いだけあるように感じます。
するとジャンの背後からフロックという兵士が2人の兵士と共に茶々を入れてきました。ジャンたちを「歴戦の猛者か?」とからかいますが、ジャンはあまり相手にしていませんでした。104期のメンバーのようですね。
フロックは「でも確かに面構えというか、変わったよな。一体何があったんだ?」と聞くと、ジャンが一言。
「聞きたいか?」
その場の雰囲気で聞かない方がいいと感じたのか、フロックたちはその場をあとにします。こちらはすでに巨人との戦いだけでなく、人との戦いも経験してしまっていますからね。彼らにはまだ理解できないでしょう。
コニーは「明日は調整日だから朝から俺の村に帰る」と言うと夕食を食べていた席を立ちます。
サシャは「コニーのお母さんを元に戻す方法、決してないわけじゃないんですよね?」と言い、それに対してアルミンは「巨人の解明が進んでいけば、いつかは」と答えます。
巨人の正体が人間かもしれない、という話をリヴァイ班も聞いていたのですね。エレンはユミルの「もうずっと、終わらない悪夢を見ているようだったよ」という言葉を思い出し「悪夢か…」と呟きます。
「色々あってうやむやになってたけど、俺たちが戦ってる敵は何なんだろうな。つまり、巨人ってのは…悪夢にうなされ続ける人間ってことなのか?俺もいっときは、そんな巨人に…」
エレンが呟いていたことに対して注意するミカサですが、エレンだけが巨人化することを経験し、その時の気持ちを感じることができるのは事実で、このエレンの気持ちを誰かと共有できないのは少し悲しいなと思いました。
ここでジャンは、私がずっと気になっていたことを口にしてくれます。
「見たんだろ?親父さんと会っていた調査兵団の男ってやつを」
ジャンは、エレンがロッド・レイスに触れられた時に見た記憶の中で、調査兵団の兵士も見たことを指摘してくれました。私がずっと気になっていたことです。
エレンは、あの状況で父親と会っていたということは何かを知っているはずだと考えているようですが、エレン自身もあの兵士に会っているはずなんだと言いますね。
そしてその正体が分かるのに、時間はかかりませんでした。
エレンが思い浮かべたのは、訓練兵団教官のキース・シャーディスだったのです。みなさん覚えていますか?コニーの頭を掴み、サシャにふかした芋を渡された男、キース・シャーディス。
エレンは、記憶の中で見た兵士は彼だと言うのです。
キース・シャーディス
彼はエルヴィンの1つ前、12代調査兵団の団長でした。物語の冒頭、1番最初で亡くなった兵士の腕を持ってこさせ、何の成果も上げられなかったと泣きながら報告していた人物ですね。
リヴァイ班とハンジは、すぐにキースの元へと馬を走らせ話を聞くことにしました。
着いて早々、サシャの面白いシーンがあるのでご紹介します。
キースも覚えていたのでしょう、サシャに対して「どうした?ブラウス、座らんのか?」と尋ねるのですが、サシャは大声で、キースの方を見ずに「いいえ!私めはこちらで結構です!!」と叫ぶんですね。(笑)
部屋の隅っこで背筋をピンとして立っているサシャが可愛いというシーンでした、脱線しましたすみません。
キースはエレンに対して「母親によく似ているが瞳の奥に宿す牙は父親そのものだ」と言うと、エレンは知っていることを全て話してくれと言います。
キースは、結論から言うと何も知らないが、人類の利にはなり得ない話でよければ聞いてくれと言います。
「傍観者に過ぎない、私の思い出話を」
ここで今回のタイトル「傍観者」が出てきますね。
さて、話は20年前に遡ります。
グリシャはウォール・マリア、シガンシナ区壁門の目前にいたところをキースによって助けられますが、グリシャはなぜ自分が壁の外にいたのか覚えていない様子でした。
彼が覚えていたのは、グリシャ・イェーガーという名前と、自分が医者だということだけでした。グリシャはキースに病院を紹介してくれと頼み、そしてこの世界について、調査兵団について教えてほしいと言いました。
グリシャとキースは酒場で飲んでいましたが、キースはそこでグリシャにこの世界の実情を話したのですね。貧富の差はあれど壁の中が平和だと知ると喜ぶグリシャ。
キースはそんなグリシャを見て、エレンと同じようなことを口にします。
「この狭い壁の中で、飯と酒にありつければそれで満足な部類の人間らしい」
この言葉はエレンの言葉を連想させました。「まるで家畜じゃないか」というエレンの言葉ですね。壁の中で生きていれば普通に人生を送り死ぬことができる。しかしそれでは家畜だとエレンは言い、キースも同じようなことを言いました。
グリシャは「壁の外へ出る理由はこの世界がもっと知りたいからなのか?それが調査兵団なのか?」と聞き、キースはそうだと答えると「バカみたいだろ」と続けます。
ここで、当時この酒場で働いていたカルラが、2人に話しかけてきます。「また調査兵団の勧誘か」と聞かれたキースは違うと慌てますが、ここでのグリシャの言葉がのちのキースを苦しめることになります。
「私なんぞに務まるものではないでしょう。調査兵団はもっと特別な、選ばれし者出ないと」
この「選ばれし者」という言葉を頼りに、キースは自分の野望を全面に出して調査兵団として人類に尽くしてきました。その結果、調査兵団団長にまでなり巨人と戦ってきました。
「やがて皆が私を認める」という言葉とともに映し出されたのは、カルラの姿でした。キースはカルラのことが好きだったのですね。
ある時、街の住民が伝染病にかかった際に同じく伝染病にかかったカルラを、キースは病院まで運び込みグリシャに診てくれるよう頼みました。
グリシャはたくさんの住民を治し、その中にはハンネスの奥さんも含まれていました。ハンネスが結婚していたことを、ここで初めて知りました…
グリシャはたくさんの人に感謝され、ありがとうと直接言われる存在。それに比べて自分は、調査兵団団長に任命された時でさえ誰にも祝福されなかった。
そして、キースにとってさらに辛いことが起こります。
グリシャとカルラの結婚です。
彼らはたくさんの人に祝福されていました。とても幸せそうにしていた2人を見た後も、キースは団長として巨人の生態を調べるために壁外に出ますが、結果はいつも同じ。
住民には言われたい放題で、人類のために命をかけても誰かに褒められるわけでもない。自ら望んで行っているのだから、と。
部下であるエルヴィンはとても優秀で、エルヴィンの班にいる兵士も優秀でした。外から戻ってきた際に街中を歩いていると、赤ん坊のエレンを抱いたカルラに呼び止められ「このまま死ぬまで続けるつもりですか?」と言われたキースは我を忘れてカルラに怒りや鬱憤をぶつけてしまいます。
カルラはひどいことを言われたのですが、キースを責めることはしませんでした。キースの瞳に涙が溜まっているのを見たからかと思います。そして、この時にキースの心は折れたように感じました。
キースはエルヴィンに団長を代わってくれるよう自ら頼み、キースは団長を辞める決意をします。
「特別な人間はいる。ただそれが、自分ではなかったというだけのこと。たったそれだけのことに、どうして気づけなかったのか」
言いたいことはありますが、後でにします。
シガンシナ区が破られた時、グリシャはキースを見つけて話しかけます。この時の記憶が、エレンが見せられたものだったようです。
エレンはグリシャに、カルラはどうしたと聞かれ巨人に喰われたことを話すと、グリシャはエレンを抱き締めるわけでもなくこう言います。
「エレン、母さんの仇を討て。お前ならできる」
そしてどちらかというと私はキースの言葉に共感したタイプです。
「お前が討てばいいだろ、カルラの仇を。なんせ、お前は特別だからな、私と違って。その子も違うんじゃないのか?選ばれし者じゃないかもしれないぞ。なあ、また人に呪いをかけるのか?」
全ての言葉に共感したわけではありません。最初の「お前が討てばいいだろ、カルラの仇を」という部分が特に共感した部分です。
個人的な考えなので共感できない方もいるかもしれませんが、私は、親は自分のなし得なかったことを子供に強制すべきではないと思っています。
子供が望んだ場合はもちろん応援してあげることができますが、子供の人生に親がレールを敷いてしまうことは、子供の人生を支配しているのと同意だと思っているからです。その上で、この時のグリシャの行動や言動は、エレンのことは考えていないのだなと私は感じてしまいました。
結局グリシャはエレンに脊髄液を注射し、エレンを巨人化させ自分を喰わせ、生涯を閉じました。自分の命を投げ打ってでも成し遂げたかったことなのかもしれませんが、グリシャの意図がまだ不明瞭な現時点では、私はグリシャのこの行動があまり好きにはなれませんでした。
森の中で倒れているエレンを運んだのはキースで、避難所でエレンが目を覚ましたところが私たちが見せられていたシーンの1つということになりますね。
エレンは「それだけ…ですか?」と言い、ハンジはキースに対して「退いたのは自分が特別じゃないとかどうとかいった、そんな幼稚な理由なのか」と攻撃的に話します。
リヴァイはすぐに止めますが、ここでハンジを止めたのはエレンでした。私が先ほど「後で話す」と言ったのはこのことで、キースは自分のことを「特別だ」と信じていた。それはエレンにも共通することなんです。
「俺は特別でも何でもなかった。ただ、特別な父親の息子だった。それだけだったんです」
エレンは強いです。そして賢い。だからこそキースはエレンの言葉を聞いて、この言葉をエレンに伝えたのだと思います。キースがカルラから聞いた言葉は、こうです。
「特別じゃなきゃいけないんですか?私はそうは思いませんよ。少なくともこの子は、偉大になんてならなくてもいい。人より優れていなくたって。だって見てくださいよ。こんなに可愛い。だからこの子はもう偉いんです。この世界に、生まれてきてくれたんだから」
考え過ぎかもしれませんが、私はカルラがこの言葉をキースにも向けて言ったように感じてなりません。罵倒されながらも、涙を流しているキースを案じていたのではないかと。
そして、エレンが立体機動装置の試験で故障していたのは、キースが細工をしたからだと分かるのもこの時でした。
キースの真意はキースにしか分かりません。ですがカルラの言葉を聞いて、もしかしたらキースはエレンには長生きをしてほしいと思ったのかもしれません。
試験に落ちて、エレンに「自分は特別ではない」と思わせたかったのかもしれない。
しかしエレンは壊れた部品でも立体機動装置を使いこなし、試験を通り兵士になります。
「私は何も、何一つ変えることはできない。ただの傍観者だ」
キースの言葉とともに、エピソード11が終了します。
深い。重い。今回は私にとってはそんな感想が出てくる回でした。早くグリシャの意図を知りたいです。
グリシャが壁の中でずっと生きていたのか、壁の外からきたライナーたちの仲間なのかはまだ分かりませんが、彼が脊髄液を持っていた説明もありませんでしたし、真実を知ってからグリシャについて語りたいと思いました。
そして、キース。人は誰でも「特別」になりたいという欲求があると私は思っています。誰もキースを責めることはできないでしょう。そして最初から特別な人間には、その気持ちを理解することが難しいと思います。
リヴァイがハンジを止めた理由も、そこにあるのではないかなと思いました。リヴァイは強くて才能があると思われていますし、事実そうだと思いますが彼は地下街を生き抜いた人間でもありますからね。
さて、次回はどうなるのやら…楽しみです。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子