こんばんは、はる子です。
前回に引き続きネタバレになる可能性があるのでご注意ください。
前回はエレンとの対話が決裂しアルミンの「最終手段」を強行しなければならないのかというところで終わりました。
エレンを助けたいと思う半面、エレンだけが見ている「未来」のためにしていることなのかと思うと止めない方がいいのかと思ったり。
複雑で頭が追いつかない回でした。
これで完結編前編は終わり、しばらくは待たなければなりません。
いきましょう。
今回のタイトルはおそらく引き続き「罪人たち」だと思われます。
88話1−3
後悔、そして新たな謎
キヨミたちを乗せた船はヒィズル国へと向かっていました。
船の甲板でキヨミはアニに対してジークとエレンを結びつけたのは自分だと話します。
「この大殺戮を招いた罪をあがなう術など存在しえないでしょう」
この言葉にアニは、もしまたやり直せるならエルディア人に干渉せずパラディ島を見殺しにするか?と尋ねます。
それに対してキヨミは時間は戻せないと言い、しかし後悔が絶えることはないとアニに話します。
「エルディア人の生きる道を、私は全てを尽くして模索したとは言えません。一族の利益と家名を守ることを何よりの務めとしてまいりました。
…どうして失う前に気付けないものでしょうか…ただ、損も得もなく他者を尊ぶ気持ちに…」
キヨミもまた他に手はあったはず、自分が利益を優先しなければこうなっていなかったはずと考えていたように思いました。
人はみんな自分勝手な生き物ですから、自分が困っているときに他者に手を差し伸べることができる人は少ないかもしれません。
手を差し伸ばしていてもなお「ああしていれば」という気持ちが芽生えないとも限りません。
生きていく上で後悔とは常に人生にまとわりついてくるものだなと感じました。
2人が話しているところにおもむろにやってきたガビとファルコ。
「アニさん、俺…夢を見たんです」
ガリヤードの夢かと聞くアニに対してファルコが出した名前は、今1番気になっている人の名前でした。
「ジークさんの夢…いや、記憶です」
何でファルコがジークの記憶を見れるんだ?と思ったのですが、ファルコはジークの脊髄液を口にして一度は無垢の巨人となってから顎の力を継承したんでしたね。
「女型の巨人は他の巨人の一部を取り入れることでその能力が発現するんでしたよね?」
ガビがアニにそう聞くとアニは「女型は特に発現しやすいから色々飲まされた」と返します。
その途端盛り上がるガビとファルコ。
何が起きているんだ…?と思っているとガビの言葉で私は一気に前のめりになりました。
「じゃあもしかしたら何とかなるかも!」
地鳴らしが何とかなるということ?エレンを殺さずに地鳴らしを止められるの?
アニはすぐにファルコが言った言葉の意味を考えます。
「ジークの記憶を見たって言った?」
ファルコは自分がジークの脊髄液で巨人になったことをアニに説明し、ガビはそのせいで獣の巨人の特徴が発現しているようだと話します。
「1番よく見る記憶は…雲の上を飛んでいた記憶です。そして…それが僕にもできる、そんな感じがするんです」
いや、ごめんなさい全く分からない…アニはハッとした表情をしていましたが私は何も閃かない…
雲の上を飛んでいた?獣の巨人は飛べないはず…もしかしたら雲に近い位置にあるエレンの骨にいるということ?
でもそれだとファルコにも出来るなんてことにはなりませんよね。
ここにきて新しい謎が出てくるとは思わなかったです…もしかしたらこれもどこかに描写があったのかなあ…
ファルコたちが気付いている「何か」に私も気付きたい…
最後の砦
突然列車が登場して不思議に思っていると、ずっと気になっていた人たちの顔を見ることができました。
アニの父親をはじめ、ガビやファルコ、ライナーにピークの家族はみんな生きていてこの列車に乗っていたのです。
あの白昼夢を見たのが最後というのが信じられなかったのですが、やはり登場しましたね。
ですが彼らが向かっている先の名前を聞いて一気に不安になります。
彼らはエレンの次の行き先であるスラトア要塞へと向かっていたのです。
あのときアニの父親に銃を向けていたマーレの門番に、今度は彼が銃を向け列車を運転させていました。
飛行船があることを知っていたのでしょう、それで逃げようという考えだったようです。
1つ気になるのは謎の少年が登場したこと。見たこともない子ですがここで突然新しい人物が出てきたのか、それとも特に意味のない登場なのか。気になります。
ガビの家族はまだパラディ島は悪魔の島だと思っているので、ガビはもう死んでいるだろうと思っていましたね。
他の家族も自分たちの子供が生きている確率が低いだろうと思っているようでした。
ふと例の少年が外に目を向けたとき見えたのは、彼らにとっての絶望でした。
飛行船が飛び立っていくのです。
まだ1機でも残っているかもしれないと列車を急がせ到着しますが、飛行船は1機も残っていませんでした。
そして地鳴らしもあと少しでスラトア要塞へ辿り着くという地点まできていました。
私が飛行船の進む方角に疑問を抱いたとき、その場にいた人間もそれに気付きます。
あの飛行船は逃げているのではなく、巨人の元へと向かっていたのです。
飛行船から爆撃を仕掛けて巨人を倒そうと考えているようでしたね。
個人的にここの指揮を執っているミュラーという人物が割とお気に入りになりました。彼は世界がなぜこんな状況に陥っているのか気付いている人間のようでした。
爆撃作戦がうまくいかなかったとしても、その責任は兵士たちだけにあるのではなく全ての大人たちにあると言ったミュラー。
「憎しみを利用し、憎しみを育み続け、憎しみに救いがあると信じ、我々が至らぬ問題の全てを悪魔の島へ吐き捨ててきた。その結果…あの怪物が生まれ我々が与え続けてきた憎悪を返しにきた。
もしも再び、未来を見ることが叶うなら…2度と同じ過ちは犯さないと…私は誓う」
私はミュラーの考え方と似た感性を持っているようで、彼の言った言葉1つ1つが重く心に響きました。
エレンは「互いに曲げられぬ信念がある限り衝突する」と言っていましたが、世界が長い間パラディ島にしてきた仕打ちはこれに当てはまらないと思っています。
壁の門を閉じてから100年間何もしてこなかったパラディ島に、勝手に全ての問題を投げ捨ててきた結果が地鳴らしなわけで、信念がぶつかったわけでもありません。
むしろその信念をエレンに芽生えさせてしまった原因がミュラーの言葉通りであると感じます。
ライナーの母親カリナは自分が今までライナーにしてきたことを思い返していました。
「私は、あの子をずっと…復讐の道具に…まだ、母親らしいことを…何も…」
アニの父親も「俺もだ」と呟き、自分たちが子供たちにしてきたことを悔いていましたね。
「皆もどうか誓ってほしい。憎しみ合う時代との決別を。互いを思いやる世界の幕開けを…ここで、私たちの怪物との別れを…」
正直、もう少し早くにそれに気付けませんでした?とは思いますが、人間とは面白いものでこうやって後悔しながら生きていくようにできているみたいですね。
どの世界でも多くの犠牲を出しながらこうして学んでいくのかな、と思ったのと同時に、私たちが住む現実世界の人間にそれが出来る日が来るのかな、とぼんやり考えていました。
でも考えている暇なんてなかった。
飛行船に気付いたエレンはとてつもなく明るい光を出し始めます。
巨人が登場するときの、あの光。
爆撃が始まり辺り一面が真っ赤に染まっていきますが、エレンの背骨(と言っていいのか)部分から徐々に見えてくる、見慣れた巨人姿。
ジーク。
生きているというよりなんか…キーホルダーみたいになっていますね…表現が変かもしれませんが…これ、戦鎚の力かな?
この状況でもお得意のぶん投げ作戦を開始し、戦鎚の力で作ったのか謎の破片をぶん投げます。
ジークの登場によって飛行船は全滅、ミュラー始めその場にいた人類全員が諦めかけたように見えました。
しかし少女が指差す先を見ると同時に音楽が変わり、嵐の中をアルミンたちの飛行艇が飛んできます。
早くもスラトア要塞に辿り着いたのですね。みんなは飛び降りる準備をし、オニャンコポンはみんなが飛び降りた後に不時着を試みると叫びながら操縦します。
そのときリヴァイが何かに気付いたような、心臓の音のようなものが聞こえたかと思うと先ほど飛行船を全滅させたものが飛行艇にも飛んできました。
「いやがるな、獣のクソ野郎が!」
リヴァイはジークの気配にいち早く気付いていたのですね。
アルミンが言った通り探す手間が省けてこちらとしてはとても助かりますが、向こうも攻撃ができる状態なのが厄介です。
「攻撃目標、獣の巨人!これに全ての力を用いて撃滅!地鳴らしを食い止める!」
アルミンはこう言うと飛行艇を飛び出します。
「エレン!!」
エレンの名前を呼びながら飛び降りるアルミンに続き次々と降りていく調査兵団。
リヴァイはまだ本調子でもないのにすごい勢いで降りていき立体機動装置も使いこなしているところを見ると、やはりアッカーマンの力なのかすごいなと感じました。
ジークの邪魔が入りなかなかエレンの骨に上陸できない調査兵団の後から、立体機動装置を使って飛んでくるライナー。
叫びながら手を噛むと同時に見える巨人化の光。
獣の巨人に襲いかかる鎧の巨人。
ちょっと待ってください、これものすごく格好いいですよ…音楽の力には毎度驚かされますが、一体どうやってこんな映像を生み出したのだ…
ライナーに続いてピークも巨人化し参戦、オニャンコポンは不時着を試みているようでした。
双眼鏡を覗いていたマーレ兵が鎧の巨人と車力の巨人がいることを確認し、立体機動装置の存在を確認したミュラーはパラディ島勢力が地鳴らしを止めにきたことに気付きます。
ライナーとピークのおかげでエレンの骨へと上陸した調査兵団。
「エレン…もう一度質問させてくれ。『君のどこが自由なのか』って。そこから引きずり出したあと…」
アルミンの言葉と調査兵団全員の姿で、進撃の巨人完結編全編が終了します。
終わってしまった…後編までどんな気持ちでいたらいいのだろう…
後でまた通しで見直すつもりですが、私はファルコたちがアニに言った言葉がずっと頭を離れません。
「何とかなる」って何がどう何とかなるのか知りたくてたまらない。
スラトア要塞に向かう列車の中にいた謎の少年が誰なのかも気になります。わざわざあそこであんなに話すなんて何かあると思ってしまいますよ…
これからが本当に最後の始まりという感じがしますね。
飛行艇がスラトア要塞に着いてからの流れが最高すぎて、嗚咽もなくただただ感動で流れる涙の存在を初めて知りました。(笑)
ライナーとピークが心配ですがそれも後編まで我慢。
リヴァイが無事にジークを倒せたらいいなと思います。
リヴァイはずっと仲間を失ってきた人間です。リヴァイ班に始まりエルヴィンもハンジも。その他にもたくさんの仲間を奪われてきました。
リヴァイはジークを倒すまでは死ねないと思っていそうなので、ジークを倒してしまったあとが心配です。
倒す前提で話しているのもリヴァイの力を知っているからこそですが…今度こそ息の根を止められることを願っています。
そして前からいたのかミュラーという人物の言葉が個人的には響きました。そういう考えができるならもっと強く軍事会議などで言ってほしかった。
でもおそらくそんな上手くいかなかったでしょうね。
2000年も続いた「風習」を突然変えることなんて、それで恩恵を授かっていた人間たちからすれば迷惑なだけですからね。
さてさて…後編まではだいぶ時間が空きますが、これにてひとまず私の進撃の巨人の旅は小休憩に入ります。
ブログを始めてから一気に進撃の巨人を駆け抜けてきて、改めて自分にとって進撃の巨人という作品がどれだけ大きいものかを実感しました。
「考える」「理解する」「知る」ということに対して努力を怠らないことが自分にとっては大事なことだと気付かせていただきました。
相手の立場に立って考えるって実は結構難しい。
でも努力することはできるんですよね。
物事には常に2面以上の真実があって、そのどれもきちんと把握することで事実が見えてくるということを教えてくれた進撃の巨人。
彼らが教えてくれたことを大事にしながら完結編後編までを過ごしたいと思います。
感想はまた別のブログで書きたいなと思っているので、よければそちらもお願いします。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子