こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、アニが水晶体から出たところで終わりました。
アニがやっと目覚めましたね。あれから長い時間が過ぎました…アニは何を思うのか。
いきましょう。
今回のタイトルは「夕焼け」です。
エピソード7について
冒頭では、壁の崩壊で犠牲に遭ったトロスト区の住民をヒッチ含め憲兵団が統率していました。
住民はエレン崇拝派と反対派で分かれ、このままでは分断が起きかねません。
暴徒対策をしていたヒッチが兵団本部の中を歩いていると、妙な水たまりを見つけます。
人の足跡のようなその水たまりは地下室から続いており、ヒッチはその水の跡を追いある部屋の前まで来ます。
恐る恐るドアを開けて中に入ると…
「叫んだら、喉を切り裂く」
アニでした。
ヒッチの口を背後から覆いそう呟くアニを軽々と投げ飛ばすヒッチ。筋力も衰えているのでしょう、無理もありません。
しかしアニは「巨人になってもいいのか」とヒッチを脅します。悩むヒッチ、どうするのか。
アニ・レオンハート
ヒッチはアニを逃がす準備をしていました。
なんとアニは水晶体に包まれてからずっと意識があったようで、ヒッチやアルミンの会話から外がどうなっているのか大体を把握していたと話します。
アニもまたエレンの声を聞いており「世界を滅ぼすとは本当か」と信じないアニを、ヒッチは馬で外に連れ出します。
巨人が地鳴らしをしながら進んでいく様子を見て驚くアニ。
ヒッチはアニにこう聞きます。
「あんたたちの大層な目的のために踏み潰された人々の死体を見てどう思うの?」
アニはガビと同じことを言いました。
「人を殺すことは褒められることだった。国境を越えれば戦闘員も民間人も区別なく殺していいと教わった。私たちエルディア人の贖罪と世界を救う使命のため、全ての行いは正当化された」
戦争を始めた途端に殺しが許される時点で、全てが正当化されてもおかしいこととは思いません。
ヒッチは「瓦礫の死体は多少の犠牲だったって言いたいわけ?」と聞くのですが、アニは興味深い返事をします。
「いいや、世界を救うとかどうでも良かった。全てがどうでも良かった。私は、生まれてまもない時に親に捨てられた」
ここからアニの過去について知ることができます。
アニは、父親とは血の繋がりがありませんでした。
アニは父親のことを終始「男」と呼び、彼は自分の豊かな生活のためにアニを戦士にしようと特訓していました。
時にはアニのことも殴っていたその「男」に私は共感できませんでした。
しかしアニの方が強くなったとき、アニは彼のことをボコボコに蹴り倒します。
「けど、男は喜んだ。『これなら武器がなくても敵を殺せる』って」
アニは、どうなっても良かったと話します。
「どこの国の何人が死のうが生きようが、自分を含めて命というものに価値があるとは思えなかった。あの時までは…」
パラディ島へ向かう朝、彼はアニに対して謝ったそうです。
「教えたことは全て間違っていた。帰ってきてくれ。全て捨てて良いから」と。
アニはここで初めて彼のことを「父親」と話しています。
想像するしかできませんが、彼はアニが死んで戻ってこないかもしれないと初めて感じ、自分がどれほどアニを愛しているのか気付いたのかもしれません。もしくは罪悪感か。
どちらにしろアニはこの父親の姿、言葉に心を動かされたようで、アニが戦う理由は父親の元へ帰るためだと感じました。
「取り返しのつかない罪を犯したと思っている」と話すアニですが、そのあとにこう続けます。
「でも、父の元へ帰るためなら、また同じことをやる」
ヒッチは「父親の元へ帰っても瓦礫と死体しかないと思う」と言うのですが、ふと思ったのは王家が始祖の力を持っていても不戦の契りで始祖の力は実質使えないじゃないですか?
そもそも地鳴らしなんてしようとも思っていなかったんですよね。なら、どうして王家は進撃の巨人を造ったのでしょう?想定外?もしかしてこれもちゃんと描写があったのに見落とした?
唯一自由を求めてしまう巨人なんて、王家からしたら不便で仕方ないと思うのですが…
その頃マーレでは、アニの父親含め収容区のエルディア人たちはマーレの門兵に必死に白昼夢について話しますが、当然ながらマーレは白昼夢を体験していないので信じません。
暴動が広がる前に収めようと思ったのかマーレ兵は銃を向けます。
そこでアニの父親が思い出したのは「帰ってくてくれ」と言った自分に対し、アニが目に涙を溜めて「分かった、約束する」と言っているシーン。
アニ、泣いていたのか…
アニの父親はその記憶で力を振り絞りマーレ兵へ向かい、聞こえたのは銃声。
撃たれたところは見えませんでしたが、アニと再会させてあげたい。
キースの教え
スルマたちはキースと行動を共にしキースの命を守ると言うのですが、キースはこう返します。
「バカ者どもが…私が何のためにしょんべん小僧どもの足蹴を大人しく受けたと思っておるのだ。貴様らはイェーガー派に従い決して背くな。せいぜいお前たちが守れるのは自分の身くらいだ。このまま体制の中にいろ」
いや、もう…キース、格好いいんですけど…彼らを守るために殴られ蹴られたキース…私はまだまだです、シャーディス教官…
彼は「しかし」と言葉を続けます。
「いつか立ち上がるべき日が来る。それまで決して自分を見失うな」
個人的にとても響いた言葉。
戦いという非日常の中でも、決して自分自身を見失わないこと。これが1番大切なのかもしれません。
そしてアルミンとミカサにもこの言葉が当てはまります。
アルミンは間に合わないかもしれないがラガコ村へ行くと準備をします。
ガビの信用を得ることでピークやライナーたちの信用も得られるかもしれないと考えているようでした。アルミンのこういう一面に最初は少し驚きましたが、この特殊な状況だからこそ考える必要がありますよね。
アルミンは、そのためならコニーに「母親を諦めてくれ」と言えるとミカサに話し部屋を後にしようとするのですが、ここでミカサが「私はどうしたらいいの」と聞くのです。
アルミンは「少しは自分で考えて」と言いますが「エレンのこと、どうするの?」とさらに食い下がるミカサにとうとう声を荒げます。
「分からないよ!それにどうしようもないだろ!ハンジさんと兵長は殺されたかもしれないし、フロックたちが僕らにも銃口を向けるかもしれない!それに…アニが復活したかもしれない。もう兵団の指揮系統は機能してない、無秩序だ!
そうだ…ヒストリアも危険になるかもしれない。義勇兵やアズマビト、ニコロの立場も危ういことになる。だから、もうどうしようもないエレンのことなんか考える余裕ないよ!それくらい分かるだろ?!」
アルミン、いっぱいいっぱいだったんですね…ミカサは謝りますが、アルミンはおそらくずっと自分の中で考えていたことを口にします。
「エルヴィン団長がこの場にいたら、こんな無様に当たり散らしたりしなかったのにね。今、答えが出た。生き返るべきだったのは僕じゃなかった」
エレンー…君の大事な人たちがバラバラになってるよー…これがエレンの望んだこと?確かにみんなは生きているけど、これじゃあまり意味がない気がしてしまうよエレン。
ミカサは自分のマフラーがないことに気付きましたが、正直いまは仲間が分断してしまっていてキースの「自分を見失うな」という言葉が意味を成しません。
みんな疲れていて、みんな辛くてみんなを気遣う余力すらないように感じます。
このままだと危険な気が…
アルミンの準備を手伝うニコロはブラウス家に世話になると言い、アルミンについてくるガビはカヤとお別れをします。
カヤの「元気でね」という言葉に対してガビは、自分の本当の名前をカヤに教えます。
「私の本当の名前…ガビっていうの」
「えっ?ガビって変。ミアの方がいいよ」
子供らしい一面が見れてとても嬉しい。今までずっと、子供でいることを許されなかったガビがカヤとこんな会話をしているなんて…
そして、ガビはカヤを抱きしめカヤもガビを抱きしめます。
「じゃあね、カヤ」
「さよなら、ガビ」
最後にちゃんとガビと呼んでいるカヤ…もうー…これをなぜ大人ができないのだ。子供の方が大人の対応をすることってたまにありますが、大人頑張ろうよー。
ここ最近の進撃の巨人の中でもほっこりする場面をくれるのが、一度は敵対していたこの2人であることが嬉しい。
エレンの代弁者
フロックは義勇兵の1人に銃を撃ちまるで独裁者のように振る舞っていますが、ジャンがそのことを指摘したとき待ってましたと言わんばかりにフロックは話し始めます。
自分を「エレンの代弁者」だと言い、なんと今回の真の計画である「エレンが始祖の力を掌握する計画」をエレンから聞いていたと言うのです。
ジャンは驚いた表情をしていましたが、これジャンは聞かない方が良かったのでは?と思います。
せっかくエレンの行動は自分たちのためだと半ば自分に言い聞かせていたのに、実はエレンがフロックなんかに(フロックごめん)計画を話していたなんてジャンは受け入れ難いのではないかと…
そしてエレンも、なぜフロックを選んだのか?
大事な仲間に言わなかった理由は、何となく想像ができます。この計画はきっとみんなには反対されるでしょうしね…
じゃあなぜフロックなのか。
私の想像では、忠実に、エレンの思う通りに動いてくれる人間が欲しかったのではないかと思います。
エレンの思想を自分の思想だと思ってくれるような、忠実な兵士。
そう考えるとむしろフロック以外に敵役はいない気がしませんか?
フロックがジャンに「以前のジャンに戻り憲兵として内地で快適に暮らせよ」と言うと、ジャンは「終わったのか」と呟きます。
幽閉される義勇兵の中にいたオニャンコポンと目が合いハッとした表情をしたのが気になります…オニャンコポンを思って「終わっていない」と思い直したのか…
ミカサがハンジとリヴァイの行方をフロックに聞くと、2人はジークに殺されたと言いますが自分の目で見るまで信じません。
そして進撃の巨人はこうして話題に出した後にその話題の行方を見せてくれる傾向があります。(笑)
どちらにしても次回あたりに2人の行方を知ることになると思います。
コニーは目を覚ましたファルコに病院に連れて行くと嘘をついてラガコ村へ向かっているようでした。
ファルコは純粋で優しい子なのでコニーの言うことを信じお礼を言っていましたね…この純粋さにコニーが気付くといいのですが…
まあでも、コニーがファルコを母親に喰わせるなんてことができるとは思っていないので今のところ心配はしていません。
歓喜
エンディングが流れますが終わりません。
ピークとマガトは生きていて、マーレの飛行船が国へ戻るのを確認していました。
つまり、2人はまだ島にいるということ。
結局マーレの戦士はピーク、ライナー、ファルコ、そしてアニがパラディ島に残ることになってしまいましたね。
2人がこの先どうしたらいいのか話している後ろに突然見える人影。
見慣れたシルエット。
私はここで声を上げてずっと「え?!えっ?!ちょ、え?!」と言っていた記憶しかありません。
ハンジです。
いつもの飄々とした振る舞いで普通にピークとマガトに近づいていくハンジ。
「あのー」
ハンジに気付いてすぐにハンジに向かうピークですが、ハンジの「ちょっと待って!」に反応して止まります。
「とりあえず食べないで、こちらには何の武器もありません」
マガトに銃を向けられて「え?あっちに誰かいる?」と後ろの馬車を指差すハンジ。
本当?本当にそうなの?と思っていると…
「ああ、ご安心ください。あれは…人畜無害の死に損ないです」
リヴァイ…
リヴァイの姿が見えたところで、エピソード7が終了します。
生きてた…歓喜という言葉はこういうときに使うんですね…嬉し涙はこういうときに流れるんですね…
雷槍を近距離で受けて生身の人間が生き残るって、アッカーマンの血は関係しているのでしょうかね…それともリヴァイ特有なのか。
それにしても不思議なのが、ハンジはなぜわざわざピークたちの前に姿を現したのでしょうか?
敵なのは見れば分かるはず。それほどまでにリヴァイが酷いのかとも思ったのですが、自国ではないのにピークたちを頼っても仕方ないですし…
いやー、それにしても2人が生きていて本当に良かった。進撃の巨人を見続ける理由をくれてありがとう、進撃の巨人。(笑)
カヤとガビの美しいシーンも見れたし、今回は割と最近のエピソードの中でも嬉しいと感じることが多い回でした。
しかし気になるのはエレンの代弁者であるフロックと、アニですね。
エレンがフロックを選んだ理由と、アニはどこへ向かおうとしているのか。
ハンジとリヴァイも合流したので、次回は上記の2点を知ることができたらいいなと思います。
はあ、本当に良かった。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子