こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、エレンの一方的な言葉に傷つき、リヴァイの格好よさを再確認し、ジークの使命とは何ぞやというところで終わりました。
もうさすがに今回でジークの使命もエレンの意図も知りたいところです。
いきましょう。
今回のタイトルは「唯一の救い」です。
エピソード15について
冒頭は、まだジークが子供の頃から始まります。
グリシャに抱かれてダイナと3人で塔の上から街を見下ろしていたとき、塔の清掃員の人に話しかけられるのですが、腕章を見た途端持っていたバケツの水を3人にかけるのです。
家に帰るまでの道のりをびしょ濡れで歩きながら、ジークは泣いて震えていました。
そして、グリシャはこの言葉を発します。
「ジーク、お前がみんなを救うんだ」
さて、ここからどのように成長して今のジークが誕生したのか見ていきたいと思いますね。
ジークの過去
ジークは、戦士訓練生としてあまり優秀ではありませんでした。
いつも遅れをとっていて、まだ教官だったマガトに怒鳴られる毎日。
グリシャとダイナはやたらとジークに言います。
「お前ならきっと戦士になれる」
「あなたには特別な力がある」と。
この言葉に一体何人の人間が苦しめられてきたのでしょうね。
グリシャとダイナは頻繁にジークを祖父母のところへ預けて「社交ダンスクラブ」に行っているようでした。おそらく隠語で、同胞たちとの集まりに行っていたのでしょう。
祖父母に預けられている間、ジークは祖父から「エルディアの過去」について嫌というほど聞かされます。
祖父の話にジークは「人がいっぱい死んだんでしょ?」と答えて呆れているようにも感じます。祖父は、グリシャが「正しい歴史」を教えているか気になっていましたがジークはこう答えます。
「エルディア人はマーレ人に酷いことをしたから、僕たちはここで償わなきゃいけないって」
祖父はジークに「戦士になってマーレのために戦いたいのか」と聞くと、ジークは少し考えたあとに「戦士になりたい」と答えます。
子供って、大人が思っているほどバカじゃないんですよね。気を使うこともできるし、空気を読むこともできる。
大人になるとそれを忘れる人間の多いこと。
訓練のあとの帰り道で楽しそうに遊ぶ父親と子供を見て、ジークは家に帰ると自分も父親と遊ぼうとしますが、グリシャは「じゃあたくさん勉強できるな」と言うだけ。
悲しそうなジークの表情を見るのが耐えられないほど苦しかった。
時代や世界情勢のせいでそれが出来ないのかもしれませんが、実際に父親と楽しそうに遊んでいる子供を見たジークに、その言い訳は通じないでしょう。
グリシャは、祖父とは真逆の「エルディアの過去」をジークへ話します。そして、ついにジークはグリシャに褒められたくてグリシャの望んでいるであろう言葉を口にします。
もちろんそれを喜び褒めるグリシャ。褒められたことを喜ぶジーク。歪だなと感じました。
家でグリシャに褒められたとしても、グリシャが本当に望んでいる「息子が戦士になる」という夢を叶えてあげられないジーク。
マガトに怒られ、落ち込んで家に帰るときに出会ったのがクサヴァーでした。1人で壁に向かってキャッチボールをしていたクサヴァーは、相手をしてくれるようジークに頼みます。
クサヴァーは獣の巨人でしたが、彼は巨人学の研究者と名乗りました。ジークの投げるボールを素直に褒めるクサヴァーにジークは嬉しそうな、恥ずかしそうな表情をしていました。
今まで怒られるばかりだったジークが、初めて素直に褒められたことでよほど嬉しかったのでしょうね。家に帰って報告しようとしたところで、またジークを傷つける出来事が起こります。
同胞同士でしていた会話を盗み聞きしてしまったジークは、それに気付いたグリシャにまたも言われます。
「ジーク、お前ならできる!父さんと母さんの子供なんだからな!」
認めてもらいたい、褒められたい。その一心でジークは公開訓練に出してもらうようマガトに頼みますが、いつも通りのビリでした。
それをグリシャとダイナが見にきており、そのことに気付いたジークは自分が1番遅いことで先に帰ってしまったグリシャに絶望の表情をしていました…。
そして、その様子をクサヴァーも見ていましたね。おそらくそこでクサヴァーは、ジークが戦士になるために頑張っている「理由」に気付いたのだと思います。
家に帰ると、グリシャの叫び声。
「こんなはずじゃ!!あれじゃ到底戦士にはなれない!!」
耳を塞いで泣くジーク。正直、グリシャは見れば見るほどクソ親でしかなく、ダイナも私からすれば同罪です。
これはもう、虐待です。誰がなんと言おうと私はそう思うし、できることならジークをこの場から連れ出してあげたい。こんな思いをするために生まれてきたわけじゃない。
クサヴァーはジークに「戦士になりたいようには見えなかった」と言うと、落ち込むジークにこう言葉を続けます。
「君は戦士なんてバカらしかったんだ。マーレのために寿命を縮め、他国を侵略するなんてバカらしくてやってられないよな」
ジークは焦って周りに人がいないか確かめていましたが、私にはクサヴァーがジークの本音を言ったように見えました。
ジークがクサヴァーに戦士になった理由を聞くと、彼は巨人の謎が知りたくて巨人になったと言います。
「全ては始祖ユミルが何かと接触したことから始まるらしいが、私はそのときに起きたことを知りたいのさ」と言葉を続けました。
いや、私もとても知りたいそれ。(笑)全ての根源ですからねえ。
クサヴァーは、巨人を神秘と考えているようでした。争いなどをくだらないと一蹴していましたね。
「だからこの戦争ごっこに付き合ってられない私たちは似たもの同士で、この世界じゃ珍しいまともな者同士なのさ」
ジークはおそらくこの言葉に救われたのではないかなと思います。
しかしジークはマーレ当局員たちがグリシャたちのことを話しているのを聞いてしまい、思い切って両親に伝えます。
「危ないことをしないで」と。
でもグリシャには伝わらなかった。純粋に両親を助けたいと思っていただけなのに、自分の顔を見てため息をつく父親でも助けたいと思っただけなのに。
戦わなければならないと言ってくる両親に、ジークはこう聞きます。
「そのためなら僕がフェイおばさんみたいになってもいいの?」
キレるグリシャ。泣いている自分の息子が見えていないんでしょうね。フェイみたいな人間を出さないために戦うのだと言いますが、ならあなたがやりなさいよ。
ジークがこの話をクサヴァーにしたことで、告発しろと助言したのはクサヴァーだったことが分かります。ジークはクサヴァーの言う通り両親を告発し、2人は「楽園送り」なったのです。
数年が経ち、ジークとクサヴァーはまたキャッチボールをしていました。
そこでクサヴァーが「始祖の巨人がユミルの民にもたらした様々な影響について」分かったとジークに話します。
始祖の巨人は、記憶だけではなく体の構造までもを変えることができるとクサヴァーは話し、過去に疫病が流行ったときにエルディア帝国からはその病が消滅したことがあると言います。
それは当時の王が始祖の巨人の力でユミルの民の体の設計図を書き換えたからだと。
「私たちユミルの民は始祖の巨人の一部のようなものだ」と話すクサヴァー。ここでジークは、とんでもないことを口にします。
「始祖の巨人なら、ユミルの民が子供を生めなくすることもできるのかな?」
え、なんて???
「もしこれ以上ユミルの民が生まれてこなければ、100年後にはこの世から巨人は消滅している。もう世界は、巨人の脅威に怯えたり苦しめられたりせずに済む。何より、そもそも僕らは生まれてこなければ苦しまなくてよかったんだ」
いやあ…うん…ジークの過去を見たあとだとこの言葉が重い。そうだよなあ、ジークの場合は特に苦しかっただろうなあ。
でも私思うんですよ、じゃあ何で体の設計図を書き換えずにずーっと子供が生まれてきていたのかなって。ジークがそう感じているということは、1人は同じことを考える人間がいてもおかしくないよな?と。
このジークの言葉を聞いてクサヴァーはハッとしていました。
彼は、過去にマーレの女性と結婚して息子が産まれていたのですが、彼はエルディア人だということを隠していたのですね。そしてその事実を知った妻は、息子と自分の喉を切り裂いて死んだと。
彼は「生まれてこなければよかった」と泣き崩れ、こうしてジークはエルディア人を苦しみから解放するために獣の巨人となったのです。
これで合点がいくと思ったのが、彼はパラディ島のエルディア人を犠牲にしても何も感じていないように思ったのは、犠牲ではなく救っていると思っていたからなんだなと。
クサヴァーに、決定権はあくまでも始祖の巨人にあると教えられたジークは「エルディア人安楽死計画」を実行するために動き出すことになったのですね。
クサヴァーから獣の巨人を継承するときの「見つけてみせるよ、父さん」という言葉で思わず涙が出てしまいました。そして、クサヴァーの眼鏡をかけるわけです。
ジークにとっての父親は、クサヴァーだったのですね…
しかし大人になったジークは、ライナーからとんでもない事実を聞かされることになるのです。
楽園送りになったはずのグリシャが壁の中で家庭を持ち息子がいるという事実。
エレンが始祖の巨人を保有していることも知り、何としてでもエレンと会って「洗脳」をとかなければと考えたのですね。
そして、マーレで再会したジークとエレン。イェレナも「エルディア人安楽死計画」を知っていたようで、エレンは彼女からジークの計画を聞いたようです。
「親父に育てられた俺も間違いだった」
エレンはそう呟きます。
2人の会話の中で、マーレ襲撃はエレンとジークによる作戦だったことも分かりました。
「この世に生まれないこと。これ以上の救済はない。俺の手で巨人が支配した2000年の歴史にケリをつける」
エレンはジークを「兄さん」と呼び、これでやっとエレンが賛同しているジークの「使命」とやらが何なのかが分かりました。
エレンもまた、エルディア人が子供を産まずにゆっくりと絶滅することが世界を救うと考えているのでしょうか…
正直、理由を知った今でもあまり信じることができません。
まあでも、今のところはジークの使命が分かったのでスッキリしたという意味合いでは良しとします。
唯一の救い
ときは現在に戻り、リヴァイとジークの2人が映し出されます。
「唯一の救い…」
今回のタイトルをジークが回収しました。これはエレンのことなのか、それとも安楽死計画のことなのか。私はどちらのことも指していると思います。
実質それを実行できるのは始祖の巨人を保有しているエレンなので、エレンもまたエルディア人の唯一の救いとなるのでしょう。
「奪った仲間たちの命に比べてみれば、巨人に喰われるなんて安らかな死に方だ」と言うリヴァイに対して「奪ってない、救ってやったんだ。そいつらから生まれてくる命を」と返すジーク。
「クサヴァーさーん!見ててくれよー!!!」
そう言ってジークは首を動かし、雷槍が発動。
爆発。
吹き飛ぶリヴァイ。
馬のいななき。
エピソード15の終了。
ちょっと待て待て。リヴァイだけはダメだと私はハッキリ言ったはず。だから、そんなことないはず。
だってリヴァイだもん、死ぬわけない。リヴァイは死にません。
それにしてもジークの過去は悲惨でした。
エルディア人が生まれてこなければという発想に至るのも分かる気がします。
でもこれ、全てを把握している彼らからしたらそうかもしれないですけど、全く何も知らないエルディア人からしたら訳もわからず子供が生めなくなるわけで。
いくらジークやエレンでも、人の人生を勝手に決める権利なんてないわけで。
神ですら許されないですよ、そんなこと。
人生に迷ったときにありがたいお言葉をいただけるのが神であって、エルディア人は絶滅すべき!はい、子供は生ませません!なんてやる資格は誰にもないです。
私はここまで見てもエレンがこのエルディア人安楽死計画に賛同しているとは思えませんが、今は見せられている事実を信じるしかないわけで。
はい、現実から少し目を背けましたが次回待っているのはおそらくリヴァイの安否です。
絶対に死ぬなよ、殺すなよと念じながら次回を迎えたいと思います。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子