こんばんは、はる子です。
今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。
前回は、ウォール・マリア奪還後からパラディ島に何があったのかを見ることができました。
いくつか分岐点があったように思いましたし、それぞれの考え方が違っていったようにも見えました。
このままエレンはどこへ向かっていくのでしょうか…
いきましょう。
今回のタイトルは「正論」です。
エピソード10について
冒頭は、エレンが鏡に向かって「戦え、戦え」と呟いているところにハンジがやってきて茶化すシーンから始まります。(笑)
ハンジはこれ、わざとなのか無意識なのかよく分からないところが好きなんですよねえ。エレンの言葉を繰り返して「何で鏡に言ってるの?」と執拗に聞く様子に思わず笑ってしまいました。(笑)
進撃の巨人はこれから重い話がくるとき、1度こういう雰囲気にさせるのが得意だなとも思うので、ビクビクしながらオープニングを迎えました。
2年前
今回は、前回から1年経った頃を見せてくれます。イェレナたちがやってきて1年経ち、エルディア人が巨人にされてきたあの場所に港ができていました。
そして、パラディ島唯一の友好国と言われているヒィズル国がパラディ島へやってきたのです。
もちろん頭に浮かんだのはミカサでした。エレンに促されて自分の右手首をキヨミに見せると、そこにはヒィズル国の家紋がありました。ここでミカサの出自をやっと知ることになります。
100年以上前、アズマビト家の先祖にあたる将軍家子息が、フリッツ王と交流がありパラディ島に逗留していたこと。そして巨人大戦後は敗戦国としてヒィズル国は立場を追われてしまったこと。
そして、将軍家の「忘れ形見」がパラディ島に残ったこと。
つまりミカサは、一国のあるじの末裔であるということになるのです。ミカサは動揺していましたね。
キヨミは、今回ここに来るためにはジークの存在が不可欠だったと話します。ミカサに会わせてもらうという条件で「ある取り計らい」に賛同したと言うのです。
ジークはキヨミに立体機動装置をあげようと言うのですが、これを使うためにはある燃料が必要であり、それはパラディ島にしか存在しない資源だと話します。
私が知らなかった事実なのですが、立体機動装置は「氷爆石(ひょうばくせき)」という燃料を使っていたようでした。でも立体機動装置なんかもらっても使い道なんてないだろうに、と思っていたのですがどうやらキヨミにこの話をしたのにはちゃんと理由があったようです。
ヒィズル国は、この氷爆石が欲しかったんですね。ハンジが考えていたように、アズマビトは金のにおいに鋭いようでミカサを口実にしていたようです。ミカサ自身も「ダシに使われただけでは…」と言っていましたし何だかミカサがかわいそうな気がしました。
ジークは、例の秘策にはヒィズル国の介入が不可欠だと言ったようで、まだ秘策の詳しい話を聞くことができないのですが、地鳴らしでパラディ島を守るために必要な過程が3つあるとキヨミは言います。
1つ目は、地鳴らしの実験的活用。どれほどの威力、破壊力があるのかを世界に見せつけようというもの。
2つ目は、ヒィズル国の介入。地鳴らしが必要ないだろうと判断できるまで、パラディ島の軍事力向上を手伝ってもらおうというもの。
そして3つ目は、始祖及び王家の血を引く巨人両者を継続させること。ジークは獣の巨人を王家の血を引く者に継承させなければならないため、王家の血を引く人間が必要です。
しかし現在いるのはヒストリアのみ。つまり、ヒストリアに王家の血を引く子供を産ませるということになります。クルーガーがグリシャに言っていた言葉で「ダイナが一生敵国のために子供を産み続ける人生でいいのか」のようなことを言っていましたが、まさに同じことがヒストリアに起こることを意味しています。
話を聞いていたパラディ島の人間はみんな険しい表情をしていたのですが、ヒストリアが「分かりました」と言うのです…しかしそれを許さなかったのはエレンでした。
「壁を破壊し蹂躙されたあげく、家畜みてえに子供を産まされ殺されて、やっと生きることが許されるって言うのなら…俺はジーク・イェーガーの計画は到底受け入れられません!」
エレンはヒストリアのことを考えて始祖の巨人の力の発動条件を誰にも言わなかったのに、これでは意味がありませんからね…地鳴らしの維持に自分たちの命運を委ねるのは危険だと言い、あらゆる選択を模索するのが最善策ではないのかとキヨミに言いました。
エレンの言葉を聞いてヒストリア泣いてた…そりゃそうか…いやに決まっているよね…
ですが、結局エレンが今しているのはジークの作戦ですよね。ということはヒストリアは一体どうなってしまっているのか気になります。
現在に戻り、エレンは閉じ込められていますがいざとなったら自由に出られることをハンジに伝えます。そしてハンジの胸ぐらを掴み「他のやり方があったら教えてくれ」と感情を昂らせます。
エレン、不本意ながらこの作戦を続けているという印象を受けましたがどうなんでしょう?ヒストリアのことをかなり優先して考えていたエレンですから、ヒストリアが傷つく方法を自ら選ぶとは思えません。
そして影で1人で悩んでいるハンジ…エルヴィンの名前を呼びながら、自分を調査兵団団長にしたのは「あんたの唯一の失策だ」と呟くのです。調査兵団がバラバラになっているような気がしてハラハラします…
そして、やはり不安は的中。ヒストリアは結婚したのか妊娠をしていました。しかし表情はなく幸せな結婚ではないように見えますね。こんな仕打ち、あんまりです。
場面は変わり兵士たちが酒を飲んでいるシーンがあるのですが、ここで1人の兵士ローグという男があまりにも酷く下品な言葉を使ってヒストリアを罵るのを聞いて、思わず私も罵ってやりましたしまいました。
どうしてこんな言葉が口から出てくるのか本気で分からないと思っていると、その男を止めたのはナイルでした。覚えていますか皆さん?エルヴィンと訓練兵時代から戦ってきた人物です。
ローグという男は、人間を階級に分けて考えているようなので、自分よりも下の階級は何と言っても構わないと思っているようでした。昔の時代から人間はこうだったのかなあと考えていると、追加のワインを持っていこうとするウェイターに対して声をかけたのはニコロでした。わざわざ別のワインを持って行かせ、このシーンをわざわざ私たちに見せるということは、何か意味があるということです。ニコロ、何をしたんだ。
エレンの気持ち
再び2年前に戻り、エレンたちは暑い夏の日に線路を造っていました。文句を言いながらも作業するコニー、ジャン、ミカサの後ろで、水を持ち逃げしようとしているサシャを追いかけ回しているアルミンがとても可愛かったです。(笑)こういうほっこりが欲しかった。
パラディ島はヒィズル国を通して世界との対話を望んでいたのですが、ヒィズル国からの返答は「否」でした。そりゃそうですよね、ヒィズル国はパラディ島の資源を独占したいのですから、貿易なんてしてほしくないはずです。
ですがここでヒストリアの犠牲が確定してしまったようなものですよね。地鳴らしに頼るしかない状況は、つまりは始祖の巨人の力を発動させるための王家の血を引く巨人が必要ということ。そしてそれにはヒストリアの妊娠が不可欠だということ。
それでもアルミンは「どうしてみんなが平和になる道を考えられないんだ」と悔しそうに呟きますが、これに対してのミカサの言葉が個人的に好きです。
「それは、分からないからだと思う。私たちが何者か分からないから恐れている」
そしてこれにハンジも賛同し、なんと大陸へ行ってみようと言い出します。
「分からないものがあれば、理解しに行けばいい。それが調査兵団だろ?」
確かに調査兵団の目的はそうでしたね。巨人のときも生態を知るために壁の外へ出ていました。
ここでエレンがマーレの収容区から手紙を出していた理由が分かった気がします。彼らはマーレに拠点を設けて本格的な潜入を試みていたのです。そしておそらく成功した。だから大陸内でエレンが出した手紙を彼らが受け取ることができていたのではないかな、と思います。
エレンは、そろそろ自分の巨人の継承者を決めなきゃいけないと言うのですが、アルミンは既に巨人の力を有しているので、その他全員のミカサ、ジャン、コニー、サシャが「自分がなる」と言い出します。
特に面白かったのはコニーとサシャです。
最初にコニーが「俺が継ぐ」と言うのですが、これにサシャが反応し「あなたはバカなんですよ?」から全ては始まりました…
「バカにそんな重要なこと任せられるわけないじゃないですか」
「え…?」
そして今度はサシャの番です。
「私が継ぎますよ。実戦経験もあって、信頼できるのも私たちくらいなら、消去法で私しかいないじゃないですか」
「いや…え?それはおかしいだろ」
「え?」
「いや、だから、バカには任せられないってお前が言ったんだろ?」
「ん…?」
「お前は、俺よりもバカなんだから…お前、言ってることが矛盾してるんだぞ」
「え…?」
「え……?」
もう本当ここ笑いました。この2人大好きです。サシャ亡きあとにこれを見ると辛いですが、ほっこりできました。
エレンは全員が継承すると言い出して驚いているようでしたが、彼らに継承させるつもりはないと言います。
「お前らが、大事だからだ。他の誰よりも。だから…長生きしてほしい」
もうー、こんなの泣かせにきてるじゃないですかー。エレンの原動力は仲間なんですよー。そして彼らは特に家族のようなものなんですよー。それを初めて言葉にして伝えたんですよー。みんな顔を赤くして照れちゃってー。この光景をずっと見ていたいのにー。
だからこそ今のエレンが違和感でしかないんですよね…こんな時があったのに、なぜこうなってしまったのか。
前回でピクシスが義勇兵に銃を向けていましたが、やはりあれは拘束という意味で合っていたようでした。そしてエレンが変わってしまったのは、ジークと接触したあとのようでしたね。
みんな、今のエレンを見ているとジークについてしまうのではと心配しています…特にコニーは、エレンを庇うミカサにも苛立ちを見せていました。
サシャが死んだとエレンに知らせたとき、エレンが笑ったと言ったのです。
確かにエレンは笑いましたし、いくらサシャの最後の言葉が「肉」だったとしても誰も笑わないのかもしれません。ですが私たちは長い髪で隠れていたエレンの表情を見ています。歯を食いしばっていたエレンを。
みんなはエレンの考えていることが分からないし、それについて考えても意味がない。だから話し合うことが大切なのに。昔は話し合って解決させようとしていたのに。エレンに何が起こったのか全く分からない以上は何もできないですよね。
アルミンは、自分とミカサとエレンの3人だけで話そうと言いますが、それでエレンがジークと同じ目的だったらどうするんだとジャンが言います。
そのときは、義勇兵から渡された巨人化の薬を使って信頼できる人物を巨人にし、エレンの始祖を継承させる選択だと言うアルミン。
最後に巨大樹の森にいるジークや兵士たち、リヴァイが映し出されたところでエピソード10が終了します。
いやあ、ヒィズル国は金の亡者感あっていいですね。良くないです、嫌味ですけど、金や権力を前にするとよだれを垂らしてしまうのが人間なのでしょうかねえ。たとえ一国のあるじの末裔が目の前にいたとしても。
こうしてみると、エレンたち調査兵団はできる限りのことをしてきたように見えますね。実際にマーレに渡ったのでしょうし、少なくとも彼らは両手を広げて世界を知る準備ができていますし、学ぼうとしているように見えました。
そんな中で一筋の希望が見えたと思うとまた閉ざされて、という経験を繰り返したあげくにジークと会って何がエレンを変えたのか。どうしてみんなを遠ざけるのか。どうして何も言わないのか。
アルミンは、エレンを別の誰かに喰わせる覚悟まであるというのに、エレンは一体どうしちゃったんだ。
早くエレンの心境の変化の原因を知りたい。そしてもう戻れないのか知りたい。
いや、あれだけのマーレ人を殺してしまったら、もう戻ることはできないかもしれませんが…
ジークの秘策とエレンの行動の意味を早く知りたいです。
今回も読んでいただいてありがとうございました。
はる子