はる子の趣味部屋

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進撃の巨人について語りたい64

こんばんは、はる子です。

 

今回も、進撃の巨人について語りたいと思います。今回、とんでもないことになっている。

前回は、ついにエレンとライナーが4年ぶりに再会を果たしたところで終わりました。

エレンが何をしに大陸まで来たのかが気になるところです。ライナーと話したかったのか。それとも、復讐なのか。

いきましょう。

今回のタイトルは「宣戦布告」です。

 

エピソード5について

ヴィリーが演説前で緊張しているところへヒィズル国アズマビト家のキヨミがやってきて声をかけるのですが、その言葉に違和感を感じました。

「あなた方は勇敢です。我々の一族はよく知っていますもの」とヴィリーに言うのです。キヨミという女性はパーティ会場でウドを助けた女性ですが、エルディア人のことをまるで憎んでいないように見えますよね。謎リストに追加です。

エレンは自分たちが今いる建物は住居だなと上を指差すのですが、手のひらからは血が出ています…その意味をライナーはよく理解しているでしょうね。エレンに「座れよ」と言われ素直に座るライナー。

そしてエレンはファルコにもその場に留まるよう言い、ライナーの「言う通りにしろ」という言葉で賢いファルコは何かを察したようでした。

祭事の会場ではアニの父親が登場し、アニが生きて帰ってくることを信じているようでした。祭事が始まってすぐに、現在巨人の力を持っている人物たちが呼ばれて会場を後にすることになります。ジークは1人で別の場所に、そしてポルコとピークは同じ場所に案内されていました。

ライナーはエレンに「何しにここに来た」と聞くと、エレンは「お前と同じだよ。仕方なかったってやつだ」と返します。ライナー、怯えていますね…

エレンが幕が上がったことを拍手の音で感じ取ると「聞こうぜ」と呟きます。

 

世界の事実

ここから始まるヴィリーの演説は、そのままの方が分かりやすいと思うのでそのままご紹介します。

 

今からおよそ100年前、エルディア帝国は巨人の力で世界を支配していました。始祖ユミルの出現から今日に至るまでに、現生の人類が三度絶滅しても足りないほどの命が巨人に奪われたとされています。

巨人によって、途方もない数の民族や文化、その歴史が奪われてきたのです。その殺戮こそが人類史であり、エルディア帝国の歩んだ歴史でした。そして、敵のいなくなったエルディア帝国は、同族同士で殺し合いを始めました。

巨人大戦の始まりです。

8つの巨人を持つ家が、血を流し合ったのです。そしてこの状況に勝機を見出したマーレ人がいました。彼こそが、英雄ヘーロス。彼の巧みな情報操作により、エルディア帝国は次々と同士討ちに倒れていきました。そして彼はタイバー家と手を組み、勝つことを不可能とされたフリッツ王さえも島に退かせることに成功したのです。

しかし、パラディ島に退いた王はいまだに力を持ったまま、世界を踏み潰せるだけの幾千万もの巨人があの島に控えています。今現在、我々の世界がまだ踏み潰されずに存在しているのは、偶然である。巨人学会はそうとしか説明できません。

我が祖国マーレは、その脅威を排除すべく4体の巨人を島に送り込みましたが、返り討ちに終わり、戻ってこられたのは鎧の巨人のみ。つまり、暗黒の人類史たるエルディア帝国はいまだ健在なのです

 

この演説を、エレンたちも聞いていました。

エレンはライナーに「あれが壁を破壊した理由だろ?お前たちは世界を救おうとした。そうなんだろ?」と問いますが、その返事はまだ聞けません。

ポルコとピークを連れ出した兵士、少しだけ怪しいなと思っていたのですが案の定でした。その兵士はとある部屋に2人を誘導して中に入れた後、紐を切ると2人の下の床が抜けて彼らは落ちてしまいます。つまりこの兵士はエレン側の人間ということになりますね。

ファルコは頭をフル回転させて考えていましたが、ライナーの怯え方を見て、知り合ったのが昔という言葉で2人が出会ったのはパラディ島なのではないかと気付きます。賢いですね。

さて、ここまでがヴィリーの話す「世界の事実」でした。

しかしヴィリーは演説を止めるつもりはまだないようです。ここからはタイバー家が知る「真実」を話すと言い始めます。戦鎚の巨人と共に受け継いだ記憶、その本当の真実を。

 

世界の「真実」

例に倣い、こちらもヴィリーの言葉をお借りしようと思います。

 

今からおよそ100年前、巨人大戦を終わらせたのは、ヘーロスでもタイバー家でもありませんでした。あの戦争を終結させ、世界を救ったのはフリッツ王なのです。彼は、エルディア帝国の残虐な歴史を嘆き、同族同士の争いに疲れ果て、何より、虐げられ続けたマーレに心を痛めておられたのです。

彼は、始祖の巨人を継承すると同時にタイバー家と画策し、1人のマーレ人を英雄と称し活躍させました。名は、ヘーロス。そしてできる限りのエルディア国民を島に移し、壁の門を閉ざしました。その際、安息を脅かせば幾千の巨人で報復すると言い残しました。

しかし、これは真意ではありません。フリッツ王は、自らの思想を引き継がせるため不戦の契りを生み出しました。これにより、カール・フリッツの思想は代々受け継がれ、今日まで島から巨人が攻めてくることはなかったのです。

つまり、世界を守っていたのは我々が忌むべき壁の王だと思っていたカール・フリッツの平和を願う心なのです。

彼の目的は、平和です。

のちにマーレが力をつけ、王家の命や始祖の巨人を奪おうとするなら、それを受け入れる。それほどまでにエルディア人の犯した罪は重く、決して償うことはできない。

ただし、いずれ報復を受けるまでの間、壁の中の世界に争いのない束の間の楽園を享受したい。どうかそれだけは許してほしい。王は最期にそう言い残しました

 

演説を聞いていた人々はざわつきます。そりゃそうです。これが事実なら世界を救ったのはマーレでもタイバー家でもない、フリッツ王なのですから。世界を救ってくれた王に対して、自分たちは攻撃をし続けてきたということになってしまいます。認めたくはないでしょう。

ヴィリーは言葉を続けます。

 

我々タイバー家は、一族の安泰を条件にカール・フリッツと手を組みマーレにエルディアを売った。タイバー家とは、ありもしない名誉を貪る卑しいコソ泥に過ぎない。私がこの場を持って偽りの栄誉と決別したのは、この世界が置かれている危険な状況を理解したからです

 

ヴィリーは舞台袖にいる一族に目を配ると「これが俺のけじめだ」と心の中で呟き再び話し始めます。

 

カール・フリッツは、始祖の巨人の力で三重の壁を築きました。この壁は、およそ幾千万もの超大型巨人で造られており、盾と矛として平和を守ってきました。

しかし近年、パラディ島内で反乱が起きました。フリッツ王の平和思想は淘汰され、始祖の巨人はある者に奪われました。世界に再び危機が迫っています。平和への反逆者、その名は

 

エレン・イェーガー。

 

ファルコは、足が元通りになっていくエレンを見て「尊敬…してたのに…騙した」と呟きます。これが心配でした。ファルコが敵のために手を貸していたと知ったとき、とてもじゃないけど耐えられないと思ったからです。

エレンは「悪いなファルコ。お前には助けられた。家族宛の手紙じゃなかったが、仲間には届いた」とファルコに言いますが、この言葉でライナーもエレンの「仲間」が既に大陸にいることに気付きました。

 

パラディ島の脅威とは、この超大型巨人軍による襲撃…『地鳴らし』です。先ほど説明した通り、王家の血筋は不戦の契りにより始祖の巨人を行使することはない。しかし現在、始祖の巨人を身に宿すエレン・イェーガーは地鳴らしを発動させる可能性を秘めています。

1度地鳴らしが発動されてしまえば、我々にできることはもうありません。人類はただ、終末の足音に震え逃げ惑うのみ。あらゆる都市や文明は踏み潰され、文字通り全ては平らな地表と化すのです

 

このヴィリーの言葉に反応したのはエレンでした。

 

ヴィリー・タイバーの言う通り、俺は悪者だ

 

悪者

エレンは「世界を滅ぼしちまうかもしれない」と言葉を続けますが、このあとの言葉で心臓がぎゅっとします。

 

だが俺にも、お前たちが悪者に見えた

 

「あの日」壁が破られ、目の前で母親が喰われたことをエレンが話すと、ファルコはハッとした表情をしていました。エレンは言葉を続け「俺には分からなかった」と言います。

 

なぜだ、ライナー。何で母さんはあの日巨人に喰われた?

それは、俺たちがあの日壁を破壊したからだ

なぜ壁を破壊した?

混乱に乗じて壁内に侵入し、壁の王の出方をうかがうために…

その任務とは?

始祖を奪還し世界を救うことだ

 

しばらくエレンとライナーのやりとりが続きますが、エレンは「世界を救うためだったら仕方ないよな」と呟きます。そして、エレンはライナーに理解を示すのです。

壁の中にいるやつらは悪魔だと教えられ子供だったライナーに、何ができたのか、と。そして次のエレンの一言で、ライナーは堰を切ったように話し始めます。

 

なあ、ライナー。お前ずっと苦しかっただろ?

 

「あの日」マルセルが喰われて1度は大陸に戻るはずだったこと、それを止めて壁を攻撃すると言ったのは自分だったこと、英雄になりたかったこと、誰かに尊敬されたかったこと、エレンの母親が巨人に喰われたのは、自分のせいだということ。

ライナーの本音がここで初めて聞けたような気がします。そしてその相手は、おそらくエレンでなければならなかった気がします。ライナーは、エレンに殺してくれと頼みます。罪悪感、嫌悪感、様々な感情がライナーを飲み込み、ライナーの心を壊してしまったのでしょう。

ここで、まだ演説を続けていたヴィリーは間接的にエレンの心にもう1度、ある言葉を思い出させてしまいます。

 

この世に生まれたから

 

エレンは色々な人から託されたものを、そして自分の奇妙な運命を全うしようと全力でした。自分を奮い立たせるために思い出していたこの言葉を、この緊迫した場で聞いてしまったのですね。

ヴィリーは人類が協力してたった1人の反逆者、敵であるエレン・イェーガーを倒そうじゃないか、とまあこのようなことを言ってその場の人間たちを魅了します。

「一緒に未来を生きてほしい」このヴィリーの言葉に寂しげに微笑むエレンが印象的で、まるで何かを決意した表情にも見えて心がざわつきました。

 

やっぱり俺は、お前と同じだ。多分、生まれたときからこうなんだ。俺は進み続ける

え…?

 

ライナーの手を取ったエレンに、ライナーはどこかほっとしていたのでしょう。何とか解決できるかもしれない、話し合えるかもしれない、と。

しかし外ではヴィリーが全人類を味方につけ、再び「パラディ島の悪魔」という言葉を使い分裂させようとしている。「自分たちの仲間」を、「自分たちの家族」を傷つけようとしている。

エレンにそう見えてしまっても、私はエレンを責めることは出来ないし止めることは出来ません。

 

「敵を駆逐するまで」

 

エレンが巨人化するまでが、スローモーションで流れました。

ライナーはファルコを守ろうと覆いかぶさったように見えましたし、地下室の入り口まで来ていたマーレ兵や上の住居に住んでいる住人は死んだでしょう。

ヴィリーが「パラディ島勢力へ宣戦布告を!」と叫んだところで、巨人化したエレンが建物から飛び出します。

そしてエレンがヴィリーを掴み、空へ投げ出したところでエピソード5が終了します。

 

話したいことがたくさんあります…長くなります、すみません。

まずは、ヴィリーの話ですよね。彼が話した世界の「事実」と「真実」は異なるものでした。真実が事実だとすれば、フリッツ王が世界を救ったことになり、不戦の契りまで交わしたパラディ島を攻撃したことになります。

おそらくユミルの巨人の力というのは真実で、エルディアが多くの人間を殺したのも真実でしょう。しかしエルディア同士でまで殺し合いを始めたことを嘆き、フリッツはこの不毛な争いに終止符を打った。

ここまでを真実として全人類に語るべきだったのか、フリッツがしたことが正しかったのか、私には分かりません。

私に分かるのは、記憶を奪ったせいで何も知らない無垢なパラディ島のエルディア人に罪はないこと、そして同じく何も知らずに洗脳され兵器にされ続けた無垢な子供たちに罪はないことです。

「勝ちたい」「優位に立ちたい」「全てを手に入れたい」そんな貪欲な欲にまみれた人間たちに巻き込まれたとさえ思っています。

ここまでするならエルディア人は全て島に移すべきだったし、マーレたちはそれ以上干渉すべきではなかった。話し合い、分かり合う努力が出来ないのであれば、お互い干渉せずに生きれば良かった。殺し合い、奪い合う必要なんてないはず。

エルディアは消したくても巨人の力を消すことができない民族。だとしたらもう、そっとしておく以外に選択肢はありません。事実フリッツは戦う意志さえも消し去り、万が一マーレたちが襲撃に来たときも受け入れるつもりだった。

フリッツから何かを仕掛けるつもりなんて、これっぽっちもなかったんです。

そのことを知らなかったとしても、欲や恐怖からパラディ島を攻撃し、フリッツの持つ始祖の巨人の力を奪おうとしたのはエルディア人以外の全ての人類です。無抵抗で戦う意志すらない相手に、攻撃を仕掛けてしまったのです。

そしてエルディアの純粋無垢な子供たちを洗脳し、兵器として育て上げ同胞を殺させる。これほどまでに残虐な行為があるでしょうか。悪魔は一体、誰なのでしょうか。

エレンはしきりにライナーに「自分たちは同じ」であることを伝えていました。

ライナーは図らずともパラディ島で生活することになり、敵と同じ屋根の下で同じ食事を食べて過ごしていましたが、エレンが今回感じたように、ライナーもまた思ったのではないかと思います。

いいやつもいれば、嫌なやつもいる。敵だけど、敵なはずなのに、友情が芽生え、仲間意識も芽生えていった。罪悪感を感じ、その度に本来の目的を思い出した。それでも拭えない友情から敵なのに命を助けたこともありました。

そうしているうちに、心が壊れていく。その感覚をエレンも大陸で少なからず体験した。ファルコです。

ライナーと話していたエレンからは、お互いが憎み合い、殺し合いをしてきたことを1度置いておき、新たに関係を築けないか。そう感じていたようにも見えました。

ヴィリーの演説の前に、すでに進み続けることを心に決めていたようですが、「敵を駆逐するまで」進み続けるとさらに決意を固めたのはヴィリーの演説だと思います。

エレンは、生半可な気持ちではこの使命をやり遂げられないと悟ったような気がします。ライナーを見て、自分でもそれを体験したことで、エレンがこれからすることに「感情」は必要ないと。「心」は必要ないと。

仲間を、家族を守るためには、進むしかない。敵がその気ならこちらも用意をするまで。

最後のエレンは特に、感情を一切捨てた人間に見えました。関係のないファルコがいても、関係のない住人がいても気にせず巨人化したことがそれを裏付けています。

この4年でエレンに何があったのか、エレンの考えにミカサ、アルミン、そして調査兵団のみんなも賛成なのか。

今私が気になるのはそこです。特にアルミンが、この行動に賛成したとは考えられないのです。もし賛成しているのだとしたら、理由があるはずです。

そこを次回、是非とも教えていただきたい。

長くなりましたがこの回は語るしかないエピソードでした、すみません。

 

今回も読んでいただいてありがとうございました。

 

はる子